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米軍ついにゾイドを開発。

1 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/14 22:41 ID:UzXmpWlo
コマンドウルフとガイサックかな?

ttp://www5.big.or.jp/~hellcat/news/0401/08a.html

2 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/14 22:42 ID:???
2

3 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/14 22:43 ID:???
コマンドウルフなら作ったが(ただし、映画で)ガイサックは作ってないな。

4 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/14 22:48 ID:???
1のリンクを読むとステルスバイパーもあるっぽい。

5 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/14 23:54 ID:???
ロブスターなんてそのまんまだな!

6 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/15 00:06 ID:hF5Vk5aS
アメリカでは広い庭にプール付きの大きな家に住んでいる人が
多くいます。それは彼らの多くが不労所得を得ているからです。
日本も不労所得を得られる時代になりました。この最強情報で。
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7 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/16 22:17 ID:???
家庭用ゾイドを開発して普及させるには
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1054487434/
↑のスレと重複ですよ。雑談スレで重複スレがないか聞いてから新スレ立ててください。
ただでさえ単発ネタスレは無駄に多いのだから。


8 :ごるごるもあ ◆753Z/RLFiY :04/01/20 05:50 ID:Iq/bxhZV
■セクト琉球新赤軍革命的極左宣言
米軍基地というのは、明らかに社会的不必要施設であり、それは経済、倫理、物資のすべての次元において同様である。
よって、我々は確実に「当たり」と思われるこの物件に対して、今後も革命的連続爆破予告を宣告する。
http://darkelf.dip.jp/doubt/
  ∩∩
 (・(ェ)・) くまのぬいぐるみどうぞ。
 ○  ○ 
http://darkelf.dip.jp/3DBearDoll.html

9 :名無し獣@リアルに歩行:04/01/28 22:58 ID:62pjJ99b
>>7
軍事用だから重複じゃないだろ。

10 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/07 19:12 ID:0Ge5Yvyu

今晩の実況は こちらで

NHKアーカイブス ◆ 東京大空襲 桜紀行
http://live8.2ch.net/test/read.cgi/livenhk/1078649169/

11 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/07 22:32 ID:2fnMozfQ

今晩の実況は こちらで

NHKアーカイブス ◆ 東京大空襲 桜紀行
http://live8.2ch.net/test/read.cgi/livenhk/1078662725/

12 :テスト:04/03/13 19:45 ID:???
西暦2003年、2月。
アメリカ軍はフセイン大統領が統治するイラクを「悪の枢軸」と名指しし、国連の反対も押し切って開戦。
そんな中…

「…大尉、電波状態が悪いですね…電波妨害でしょうか?」
「まさか!所詮は虚勢を張っているだけのフセインの犬にそんなハイテク兵器がある物か!!」
しかし、アメリカ軍の無線や通信機器は更に調子が悪くなり、遂には使用不能という事態に陥っていた。
報告の為各小隊が密集して情報交換を繰り返す。
そして、運命の一報が齎された。
「前方に巨大な何かが…イラク軍の新兵器か!?」
「どうやら、あれがこのジャミングの犯人らしいです!!」
彼らはそれを、戦車ぐらいにしか考えていなかった。

「何だ、ここは…我々はこんな砂漠には居なかった筈だが…」
ディメトロドンのレーダーに、小さな反応が映る。
「何だ?共和国のアタックゾイドか?」
ディメトロドンのミサイルが敵をロックオンした。
「アタックゾイドくらいなら、こいつでも落とせるっ!!」

13 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/16 04:50 ID:???
tes

14 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/16 15:55 ID:???
 戦国自衛隊?いや、ちょと期待、つ好きイボンヌ!!

15 :12の書いた香具師:04/03/16 19:37 ID:???
え…遊びのつもりだったんですが。じゃあちょっと続けてみます…
――――――――――――――――――――――――――――
ディメトロドンのミサイルはゾイドに対しては非力だ。しかし、戦車を吹き飛ばすには充分な威力があった。
「落ちろぉッ!!」

「大尉!!ミサイルを撃って来ました!!」
「回避し…」
避ける暇など無く右に居た戦車が大爆発し、その破片が飛んできた。
「この至近距離でミサイルを避けられる訳無いでしょう!?」
大尉は巨大な敵影を睨み付けた。
「ならば、攻撃あるのみ」
砲塔を敵に向け、トリガーを握り締める。
「砕け散れッ!!!」
彼の戦車の主砲は90mm砲。相手がゴジュラス等であれば歯が立たなかったであろうが、ディメトロドンになら
用は足りた。しかもその弾は最大の武器である背中のレーダーを粉砕したのだ。
「ん…た、大尉!!各種通信機器、回復しました!!」
力を失っていたアメリカのハイテク電子機器が、ようやく動き出した。
「よし…各部隊連携し、イラク軍の新兵器を撃破せよ!!」

16 ::04/03/16 20:03 ID:???
赤外線誘導ミサイルが、90mm砲が、自動機銃が、堰を切ったように火を噴く。
ディメトロドンの装甲はゾイドとしては弱い方だ。それでも、戦車の武装で破るのは難しい。
「クソッ!!イラクの連中は一体…何を作りやがったんだ!?」
巨大な「何か」は暴れていたが、ミサイルを撃って来てはいなかった。

「くっ…何故だ…何故俺が、アタックゾイド如きに…!!」
コックピットに衝撃が伝わる。ディメトロドンのパイロットはとうとう切れた。
「共和国の……クズ共がぁぁーッ!!!」
パイロットが操縦桿のカバーを外した。

「な、何だあれは!?」
ディメトロドンは突如、辺り構わずミサイルやレーザーを乱射し始めたのだ。
特にTEZ20mmリニアレーザーガンの威力は絶大だった。レーザーのような光学兵器は
研究こそされていても実戦で使えるほどの物はアメリカ軍にも無かった。
どう考えても、イラクの国力、科学力では無い。
「ならば一体…あれは…何だと言うんだ!!」
地上戦の主役である筈の戦車がゴミの様に吹き飛んでいく。
「大尉…撤退しましょう!!」
彼が逃げる事を考えた時、頭上からプロペラ音が聞こえた。

17 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/20 16:37 ID:???
スレ汚し

18 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/26 20:10 ID:???
>>17 汚れるほどのスレでもないがなw

19 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/27 16:28 ID:???
 ”スレ”ってそれぞれの題名の事でしゅよね?・・・だったらあれは雑談スレ
に投下するネタ程度のものだと思うち、独自にスレ立てても三桁もいかんだショ
だったら、他の似て非なるもの化けてもよろしかろじゃなかろうかと思うわけで
新物に期待しちゃうわけよ。それはだめかね?もし17が1サンだったら、ゴメ
ス、でもね、でm・・・まっいいか。。。。12のテストの使徒、蟻拾!ぽくは
好きだよ・・・ポッ。               

20 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/27 16:30 ID:???
雑談スレでなく、パロディ総合スレに投下すべきだと思うが。

21 :名無し獣@リアルに歩行:04/03/28 06:23 ID:???
そうでしたか、浅はかでしたゴメス。

22 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/11 10:38 ID:Osp32rBq
スパロボ

23 :くま:04/04/11 11:12 ID:05M6zXN5
モルガってなにー

24 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/12 00:40 ID:???

          ;' ':;,,     ,;'':;,
         ;'   ':;,.,.,.,.,.,,,;'  ';,
        ,:'           : :、
       ,:' \  ,,. 、./  ノ( ::::::::',
       :'  ●     ● ⌒   :::::i. >>23 いもむしのかたちをしたぞいどだよ!!
       i  ''' (_人_) '''' *   :::::i      ぱぱにおねがいしてかってもらうといいよ!!
        :    {+ + +}      :::::i
       `:,、   ̄ ̄      ::::::::: /
        ,:'        : ::::::::::::`:、
        ,:'         : : ::::::::::`:、

25 :名無し獣@リアルに歩行:04/04/13 19:43 ID:???
>>23
                | ̄``''- 、
                |      `゙''ー- 、  ________
                |    ,. -‐ ''´ ̄ ̄`ヽ、_        /
                |, - '´ ̄              `ヽ、     /
              /               `ヽ、ヽ   /
             _/                    ヽヽ/
           / / /   /  /  /            ヽハ
          く  / /!   |   〃 _/__ l|   | |   |  |  | | ||ヽ
           \l// / |  /|'´ ∧  ||   | |ー、||  |  | l | ヽ 
            /ハ/ |  | ヽ/ ヽ | ヽ  | || /|ヽ/!  |/ | ヽ
            / |  ||ヽ { ,r===、   \| _!V |// //  .!   |
            | ||   |l |ヽ!'´ ̄`゙   ,  ==ミ、 /イ川  |─┘
            | ハ||  || | """ ┌---┐  `  / //  |
            V !ヽ ト! ヽ、    |     !    / //| /
               ヽ! \ハ` 、 ヽ、__ノ    ,.イ/ // | /
    ┌/)/)/)/)/)/)/)/)/)/)lー/ ` ー‐┬ '´ レ//l/ |/
    |(/(/(/(/(/(/(/(/(/(/│||      |\  〃
  r'´ ̄ヽ.              | | ト    /    \
  /  ̄`ア             | | |  ⌒/     入
  〉  ̄二) 知ってるが    | | |  /     // ヽ
 〈!   ,. -'                | | ヽ∠-----', '´    ',
  | \| |   .お前の態度が   | |<二Z二 ̄  /     ',
  |   | |               _r'---|  [ ``ヽ、      ',
  |   | |   気に入らない >-、__    [    ヽ      !
  \.| l.              ヽ、      [     ヽ    |
    ヽ|              \    r'     ヽ、    |

26 :暇潰しの使徒@12:04/05/11 20:10 ID:???
「!!大尉、援軍です!!」
彼は頭上を見上げた。見ると、友軍の戦闘ヘリが編隊を為してやってきた所だった。
「よし、これで…あの化物も、これでお終いだ!!」
戦車の中で辟易していた彼らは、友軍の到着に士気が上昇していた。

「…!?空中用アタックゾイドか!?ディメトロドンの兵装では…」
しかし、この機体では逃げ切れない。彼はレーザーガンの砲口を上に向けた。
「やってやる、やってやるぞ!!」

未知の兵器が、レーザーガンとミサイルを連射し始めた。
ヘリは直撃こそ避けていたものの、ミサイルの誘導性能は現代兵器では考えられない物だった。
「クッ、イラクの原始人どもめ!!」
ヘリの一機が列を離れ、ディメトロドンに突っ込んでいった。
「ファック!!!落ちろォォォォ!!!!」
その機体はレーザーガンに撃ち抜かれ、なす術も無く爆散した。
だが、その爆風はディメトロドンのパイロットに一瞬の死角を作り出した。
彼がモニターの閃光に目を背け、視線を戻した時には既にミサイルがコックピットに迫っていた。
そして、ディメトロドンの頭部が爆発した。

27 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/17 11:59 ID:???
>>26
オッス!オラ見てるよ!

28 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/19 18:45 ID:???
ヤバイ、続きキボンヌ>>12

29 :だからお前はアホなのだ!12:04/05/20 18:37 ID:???
「終わった…な…」
「しかし、アメリカ軍の誇る戦闘ヘリ“アパッチ”を一撃で落すなど…考えられん威力だ」
アメリカ軍の兵達は未知の兵器の残骸に恐る恐る近付いた。どうやら、機能を停止したらしい。
「…大尉、これどうします?」
砂漠の熱風に服を煽られながら、大尉は答えた。
「どうするもクソも…とりあえずデータだけは頂いていく。あとで本隊に回収を頼もう」

コックピットが完全に潰れていた為、彼は背中のレーダーの付け根にあったコントロールパネルにノートパソコンを繋いだ。
「…ふん、OSもコンバットシステムも未知のタイプか。イラクの連中め…」
それでも、アメリカの技術力とて伊達ではない。コンピュータがデータを解析し、暗号化されたデータを対応させる。
やがて、彼が待ち望んだ文字がモニターに映った。
『――ロード完了、バックアップの保存処理を終了しました』
「…よし、ひとまず退くぞ。総員、生存者と共にヘリに搭乗せよ」
彼の指示で隊員達が動き出す。如何せん、彼らの欠点は何でも命令を待つ所にある。
少しは自分で考えて行動する事を覚えて欲しい物だ――命令に従ってくれるのは結構だが。
ヘリに乗り込み、不気味な兵器の残骸を見ていた操縦士に彼は待ち望んでいた命令を出す。
「…ヘリを発進させろ。ひとまず、基地に帰還してくれ」
大尉は、自分の声が落ち着いて聞こえることを祈った。

30 :だからお前はアホなのだ!12:04/05/20 18:42 ID:???
勢いで続き書いてみたりする漏れ…
とりあえず書くからにはキャラクター設定したほうが良いかと思うんですが、
続ける気は無かったもんで何も考えてないです。
もし良ければ皆さんキャラ作りに協力願いたいです。

31 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/21 16:10 ID:???
>>30
どうすりゃ良いんだ居?名前を考えるとか?
具体的に何が足りないのか書いてくれると、協力できるかも・・・

32 :いざ必殺の12:04/05/21 21:25 ID:???
ええ、一応軍人っぽい名前(でなくてもいいですが)を考えて頂けると助かります。
出来れば階級付きで(二等兵とか少尉とか)
例で出すと

ローレンス・パーカー/大尉/37歳
軍で長く戦っているベテラン。イラクの作戦が終わったら退役する予定。
銃器の扱いも得意だが、殊更機械に強い。

33 :いざ必殺の12:04/05/21 21:46 ID:???
闇の中に、何かが蠢いている。
大きい。小山のように巨大な何かがそこに居た。
それは恐竜――あるいはゴジラか――の形をしながら、全身に金属を纏っている。
その禍々しい目が紅く輝き、「それ」は口を開き―――

「…ッ!!」
ローレンス・パーカーは勢い余ってベッドから滑り落ちた。
窓の外は眩しい。その陽光の白さを見ると、どうやらまだ朝であり、寝過ごした訳では無さそうだ。
「クソッ、ゴジラもどきの夢を見てビビって飛び起きるなんざ、俺も歳か…」
すぐにでも医療班のテントに行って脳を検査してもらうべきかも知れない。
しかし、医療チームのリーダー…ドクター・マーカスが問題だった。ローレンスはどうも彼とは
そりが合わない。彼に言わせればマーカスは「アメリカ最強のヤブ医者ジジイ」であり、
以前も得体の知れない金属の棒をいきなり口の中に突っ込まれた事もあった。
――医療テントに行くのは止めよう…
しかし、夢に出てきたゴジラもどきは何と言うか、妙なリアリティと威圧感を彼に与えていた。
男ばかりのごった煮でむさ苦しい寝室を出ると、通りかかった兵士が敬礼して足早に通り過ぎていく。
ローレンスはどうも、直属の部下以外には信頼されていない感がある。
それは数多の任務を潜り抜けてきた彼の威圧感のせいかもしれないし、上官の前以外ではいつも付けている
サングラスのせいかも知れない。好きで付けている訳ではない――ただ、失った左目の傷跡を
他人に見せたくないだけの事だったが。
左側の見えない視界にも彼はすっかり慣れてしまっていた。だが、一日とて左目の事を忘れた日は無い。
彼が隻眼となったあの日――2001年9月11日から――

34 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/21 23:05 ID:???
 乙!
 細かいところだが、米人かつヲタでもないのならゴッドジラと呼ばせてもいいかもしれないと言ってみる(w

35 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/22 13:47 ID:???
>>32
otu
ダメポ・・・階級とか全然解らんチン、役立不、スソマソ。でもおもろから、ROMってるよ。

36 :当たらなければどうという事は無い12:04/05/22 16:50 ID:???
今もローレンスの耳について離れない。崩れ落ちるビルの轟音と、絶叫する人々の声が――
2001年9月11日、彼は軍人としては極稀な休暇でニューヨークに来ていた。
彼の弟が貿易センターで働いており、たまには顔を出してやろう――そんな思いからだった。

――昔から、ケンカ強かったもんなぁ、兄さん。職業軍人だね…

久し振りに見た弟の笑顔は、それが最後だった。
直後、一機目の飛行機がセンタービルに突っ込み、凄まじい振動がビルの上から下まで突き抜けた。
彼と弟は飛行機が突っ込んだ階の真下に居た。天井が吹き飛び、ローレンスはとっさに降り注ぐガラスから
腕を挙げて身を庇った。だが、軍人でもない弟は瞬時の反応が出来なかった。
彼の目の前で飛行機の破片に貫かれ、爆炎に包まれる弟が、残酷なスローモーションの様にはっきりと見えた。
ローレンスは叫んだ。我を忘れて立ち上がった彼の左目をも爆風が焦がしたが、意にも介せず彼は弟の“残骸”に
駆け寄った。どこか遠くで、ビルが崩壊を始める音が聞こえた――

その後、彼はどうやって脱出したかも覚えていない。
目が覚めた時には既に数日が経過しており、病院のベッドの上で寝かされていた。
備え付けのテレビから流れるオサマ・ビン・ラディンの笑い声が、頭の中に反響してガンガンと響く。
確かな事実は、弟が死んだという事と、視界が妙に右に偏っている事だけだった。

37 :当たらなければどうという事は無い12:04/05/22 17:14 ID:???
ローレンスがキャンプに帰還する頃、イラクの国境付近の山岳を数台のトラックと
巨大なトランスポーター(超大型輸送車)が走っていた。
それらは山の中腹に開いた穴に入って行き、山の地下へと下りていった。

「――ふん…どこまで科学技術の低い星なんだ、ここは」
トランスポーターの助手席に座った男が呟く。
頬のこけた金髪のその男は、トランスポーターが止まると助手席からきびきびと出て行った。
歳は若いのであろう。――が、青白い顔と顔に刻まれた皺のせいで中年に見えている。
その男が降りた場所は巨大な空洞だった。山の中が丸ごと空洞になったような規模で、
イラク暫定政府の軍事基地よりは遥かに広い。
空洞内には格納庫やレーダー、トーチカまで存在し、軍都を地下に移した様な有様だった。
そして、金髪の男を迎えに出てくる男が居た。
「なんとも順応の早い事だな、シュターゼン。よほど君達の星は地球に環境が似ていたのかな?」
シュターゼンと呼ばれた男は、髭を長く伸ばした相手を見やった。
中東系の人種で、見た目では歳が良く解らない。背中に重機関銃を背負っているのはいつもの事だった。
「ああ、酸素濃度から重力までそっくりだ。ただ、科学技術が桁違いに低いがな」
髭の男はクックッと低く含み笑いをした。
「言ってくれるなよ…何世紀時代が違うと思っている?現時点では恒星間飛行など夢のまた夢だ」
「それより、“D”を起動させるに足る電力があるのか?本体のみ持ってきてもそれでは意味が無い」
シュターゼンの問いに、髭の男はトランスポーターの上の、シートを被せられた何かを見上げた。
「無論だ。我が“アル・カーイダ”をなめてもらっては困る」
この髭の男こそ、アメリカが総力を挙げて捜索したにもかかわらず発見すら出来なかった
9.11テロの首謀者――オサマ・ビン・ラディンであった。

38 :当たらなければどうという事は無い12:04/05/22 18:30 ID:???
>>34
 ス マ ソ _| ̄|○
GODZILLAでしたっけ?いきなり話がぶっ飛んできた…

39 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/22 19:35 ID:???
先週のNスペ、ロボットカーレースを見てないのか?
車でもまだあの程度なのに、ゾイドなんて夢のまた夢だよ。

40 :34:04/05/22 19:46 ID:???
>>38
 いや、ただのネタだから気にせんでもいいって。
 それにしてもイイ感じに風呂敷が広がってきて今後に期待(・∀・)

>>39
 いや、地球人がゾイドを作ったとかじゃなく、何らかの手段で惑星Ziから人間もろともゾイドが送り込まれてるんだと思うが。

41 :貴様らがぁーッ!!12:04/05/23 18:46 ID:???
「陸軍の第3機甲師団が全滅?ナジャフはもう主要な戦闘が終結した地域の筈だが…?」
アメリカ国防総省・通称“ペンタゴン”は「国防総省」と銘打ってはいるが、国外の軍事活動においても
ここで重要な会議などが行われていた。
そして、今日ここでの会議において信じられない報告が聞かれたのだった。
アメリカ軍が誇る陸戦のプロ達、第3機甲師団がたった一日で全滅したというのである。
「どうやら、アルカイダが一枚かんでいた模様ですが…それにしても、この早さは異常です」
「Shit!!またあのヤク中テロリストか!!!」
議長席に座った男が、静かに、だが重みのある声で言い放った。
「このままでは合衆国の威信に関わる…全滅といっても、諜報部員が情報収集を済ませているのであろうな?」
「はっ、しかし報告には『敵軍は未知の兵器を使用』としかありませんでした」
議長席の男――“鬼将軍”フリードは溜め息をついた。
いつも前線の連中はこうだ。せっかく自分が他の無能どもを説き伏せて実行させた作戦も
前線の阿呆どものおかげで無駄になる。職務怠慢で死ぬのは勝手だが、最低限の命令は守ってもらわねば…
フリードは書類を束ねると、それを鞄に入れ、立ち上がった。
「…案ずる事はありません。わが軍にはそんな物を問題にしない強力な兵器が数多くある。
とはいえ一個師団の損害は大きい…私が、イラクへ上がって指揮を執りましょう」
「おお、そうして頂けますか将軍!あなたが行けば連中も一気に青ざめますなぁ!」
「青ざめる間もなく塵と消えるでしょうな、ハハハハハ!!」
フリードは暗い会議室の中で密かに冷笑した。
――せいぜい笑っているが良い…愚鈍なアメリカ人共……

42 :貴様らがぁーッ!!12:04/05/23 19:16 ID:???
「流石だな、この『ZOIDS』とか言う兵器はとんでもない破壊力だぜ!!」
制圧されたナジャフで、アルカイダのメンバーが残党狩りを行っていた。
彼らはそれぞれゴドスやイグアン、ガンスナイパーなどを駆って次々とアメリカ兵を蹴散らしていく。
「しかし…うまく操縦どおりに動いてくれないのは何故だ?」
「ラディン総帥によると、この兵器はパイロットによって相性というものがあるそうだ…俺は相性がいいのかもな」
以前より常識はずれな戦闘訓練を繰り返してきたアルカイダのメンバーは、ゾイドの操縦にもすぐに慣れた。
ゴドスに乗った一人が顔を曇らせる。
「しかし…空爆でもされたら堪ったモンじゃないと思うが…」
ガンスナイパーに乗った一人が鼻で笑い飛ばした。
「ハッ!まさか、平和だの自由だの言ってる偽善国家アメリカが、捕虜諸共俺達を吹っ飛ばしたりできるもんか!!」
「そ、そうだよな…んな事したら遺族に示しがつかねえじゃんか…」
彼らは圧倒的な力に酔いしれながら談笑した。不安など微塵も感じずに…

その頃、上空を一機のステルス爆撃機が飛んでいた。
「管制、間もなく投下地点に到達します!」
遥か遠く、海上のイージス艦では二つの回線が同時に開かれていた。
「将軍、投下準備完了しました…ですが、よろしいのですか?あそこには捕虜が…」
<投下しろ。…兵達は国の為に、大儀の為に戦っているのだ。死ぬ覚悟はあろう…それとも、私の命令を無視するか?>
「……投下せよ」
爆撃機の扉が開き、巨大な何かがせり出した。
「こちらステルス…デイジーカッター、投下します」

43 :貴様らがぁーッ!!12:04/05/23 19:56 ID:???
ゾイドVS現代兵器ネタ一回やってみたかったんですよね。よもやこんな形で実現するとは思いませんでしたが。
俺は軍内部の状態とか良く解らないので95%は勝手な妄想で構成してます。
ここでまたキャラの紹介…

フリード/将軍/52歳
ベトナム戦争で、初陣で敵の一個小隊を一人で壊滅させるという戦果を上げ、
その後は指揮においてその能力を発揮、将軍にまで上り詰めた。
戦場での冷徹な戦いぶりとどんな残酷な作戦も完璧に遂行する彼を人は“鬼将軍”と呼んだ。

オサマ・ビン・ラディン/アル・カーイダ総帥/47歳?
言わずと知れた国際的テロリスト。9.11テロの首謀者でもある。
彼自身何度かアメリカ軍と銃火を交えており、歴戦の聖戦士(ムジャヒディン)だ。
今作では惑星Ziよりやってきたベルゼブ・シュターゼンと共謀して何やら企んでいる模様。

ベルゼブ・シュターゼン/ガイロス帝国の元科学者/39歳
元ガイロス帝国府直轄の科学者だったが、解任された。
その後彼は以前より研究していた超光速オーバーブーストによる時空間飛行システムを完成させる。
システムの実験は成功し、彼は予定通り2003年の地球に飛来した。
その後事細かに指示が書かれた置手紙を元に部下が地球に到着、彼はラディンと共謀して何かするつもりの様だ。

44 :引き締めて12:04/05/24 20:10 ID:???
アル・カーイダのメンバーは何が起きたのか理解できなかった。理解する前に彼らは肉片、あるいは気体になっていたからだ。
“デイジーカッター”――通常の爆撃機では搭載すら不可能な超巨大爆弾。
その破壊力は衝撃波で木々を薙ぎ倒し、一発で森林を荒野に変えるとも言われる。
アメリカ軍は、森林を吹き飛ばして大規模なキャンプや空港を作るためにこの爆弾を作ったと発表されていた。
だが、高い金を掛けてこんな物を作った目的は当然森林開拓などではなく、戦争の為だ。
今回特別に積載重量が強化されたステルス系爆撃機に載せられ、投下された。
指示を出した管制官は、モニターから爆撃の様子を見ていた男に恐怖を覚えた。
――“鬼将軍”フリード…敵を倒す為ならば手段を選ばないとは言われていたが、自軍の捕虜諸共敵を焼き払うとは。
当のフリードはざらついたモニターに映るキノコ雲を無表情で見つめている。
「爆撃……成功。地上にあの兵器の反応無し。レーダー、肉眼共に敵軍全滅を確認」
フリードはその顔と同じ無機質な声で応じた。
<よくやった。帰投せよ>
白々しくねぎらいつつも、フリードは「これが当然の事」と密かに思っていた。
彼の構図でいえば命令を遂行するのは常識であり、優秀な兵というものは自己の判断で
より大きな戦果を挙げる者を言うのである。
彼は通信を切り、自室のソファにどっかと腰を下ろした。
ふと鏡を見つめ、何か考え込んだ様にしばらく自身の鏡像とにらみ合っていた彼だが、小さく笑って目を閉じた。
――本当に、どいつもコイツも面白いほど自分の思惑通り動いてくれる。
彼にはTVで演説するジョージ・ブッシュの顔が、ひどくチンパンジーじみて見えた。

45 :引き締めて12:04/05/24 20:20 ID:???
アルェー(・3・)デイジーカッターって燃料気化爆弾だっけ?
何か「デカイ爆弾」というイメージしか残ってない…
今のところ

地球の大量破壊兵器>ゾイド>地球の通常兵器
でしょうか?

46 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/24 23:25 ID:???
デイジーカッターの事は知らないけど楽しく読んでるよ、
しかし“D”ってやっぱあれかな、というわけで続き期待してますぜ

47 :名無し獣@リアルに歩行:04/05/25 00:30 ID:???
>>45
> 地球の大量破壊兵器>ゾイド>地球の通常兵器
> でしょうか?

 小型ゾイドならそんなもんでしょう。
 デスザウラークラスあたりになるとキロトン級程度じゃ倒せそうにないイメージがあるが。
 旧バトストにあったように36cm砲の直撃でノーダメージとなると、確実に超弩級戦艦以上の耐久力だからなぁ。

48 :(・∀・)12:04/05/26 19:17 ID:???
「ふむ…やはり、ゾイドに対抗するとなると戦術級兵器を使わざるを得んか…」
ラディンは淡々とモニターのキノコ雲を見ていたが、シュターゼンは怒りに肩を震わせていた。
「……ラディン、“D”の起動準備は!?」
ラディンが諌める様に、シュターゼンの肩を「ぽん」と叩いた。
「落ち着くんだ。たかが小型ゾイド数機の損害なんて物の数ではあるまい?
…それに“D”のコアが安定するまでにはまだまだ時間が掛かる…時間を、稼がねば」
そもそも小型ゾイドなどで時間稼ぎをする羽目になったのも、地球に来るなり“D”が機能停止してしまったせいだ。
装甲兵器と言えどゾイドは生物である。慣れない星の環境に、人間よりずっと敏感に反応したのだろう。
「…まあ、EPCの発射テストくらいはしても良いだろうがな…」
ラディンの顔に、底冷えのする暗い笑みが浮かんだ。

前線で戦うアメリカ軍の兵士は、全周波放送で流れるジョージ・ブッシュの演説を聞いていた。
<我々は傲慢なる独裁者に、大量破壊兵器を撃たせる事無く勝利を得た!だが先日の事件はどうか!>
弾丸の飛び交う戦場でも、その放送は電波に乗って流れ続ける。
<…卑怯にも、武装勢力はとうとう大量破壊兵器を使用し、我が軍の捕虜を跡形も無く吹き飛ばした!何故か!?
それは彼らが正義に刃を向ける『悪』だからだ!>
そう、軍上層部はフリードの唆しに乗り、捕虜諸共敵を葬った爆発をフセイン政権の残党の仕業と公表したのだ。
<そして、我々は如何なる脅しにも屈せず、戦い、完全なる勝利を手にする!何故か!?
…それは、我々アメリカ合衆国の戦争目的が『正義』だからだ!!>
同胞を虐殺された憎しみは増え続ける犠牲への悲しみを上回り、米国内は賛戦ムードが急速に高まりつつあった。
前線のアメリカ軍は、ろくな兵器も持たぬ民間の反米ゲリラを一方的に駆逐していった。
彼らは知らなかった。あの砲口が自分達に向けられている事を。

49 :(・∀・)12:04/05/26 19:58 ID:???
<ラディン、適性テストの上では君は“D”を乗りこなせる筈だが…エネルギーとコアの状態に気をつけてくれ>
モニター越しにラディンは親指を立てる。
彼は既に操縦マニュアルを頭に叩き込んでいた。とは言っても、今回は主砲の発射テストのみだが。
動かすのは照準と、発射トリガーのみ。
“Electron Particle Cannon”――この機体の最強兵器であり、地球上にこの兵器に耐えられる物質は存在しない。
「目標確認、チグリス付近のアメリカ軍を狙い撃ちする!」
ラディンの指がトリガーを引いた。
“D”の背中のファンが回転し始め、青白い光の粒がそこに吸い込まれて行く。
ラディンはエネルギー充填率を横目で確かめる。
「60%…テストならばこんな物か」
トリガーから指を離す。蓄積されたエネルギーが眩い光を放ち、巨大な荷電粒子の渦が砂漠の熱気を貫く。
こうして放たれた運命の一撃――それはアメリカの兵達に理解する暇さえ与えずに、その身体を蒸発させた。
しかし、データを見ていたシュターゼンは不服そうな顔をした。
「!?ビームの拡散率が高い…地球の空気は厄介という事か!」

ラディンは、遥か遠くまで抉られたような砂丘の列を見やった。
――なかなか素晴らしい。これほどの兵器を操れるとは、やはり自分は神に愛された存在かもしれない。
漆黒の装甲を纏い、砂漠に立つその機体は何も無い砂漠で殊更に大きく見えた。
禍々しい目を紅く輝かせながら、“D”は機首を転じた。

50 :(・∀・)12:04/05/26 20:54 ID:???
バレバレですぜ…(´Д`)

51 :名無し獣@リアルに歩行:04/08/09 21:23 ID:???
「どういう事…だ!? 一個大隊が一瞬にして全滅と言うのは!」
 フリードの顔には、あだ名の通り鬼の様な形相が浮かんでいる。
「はっ! アル・カーイダ系グループの新兵器かと思われます!」
「…もういい、行け…」
 フリードは報告に来た部下を早々に追い払った。苛立ちが募るあまり殺してしまうかも知れないと思ったためだ。
 手下の命などどうでも良いが、省内で殺人事件など起こしては地位が危ない。
「何処までも煮え湯を飲ませてくれる…!!」
 彼の手が、イラクの地図上を滑る。
「ネズミめ、貴様らの大地を焼き尽くしてくれるわ!!」

「体裁を取り繕う余裕をも無くしたか、アメリカの無能どもは…」
 遥か山の上から響く爆撃の音を聞きながら、ラディンは悠然と酒など飲んでいた。
 フリードの強行戦略はエスカレートし、遂にイラク全土(表向き町村は避けると言う事だが、それは主要な場のみである)
への大規模な絨毯爆撃を始めるに至った。
「まあ、反米感情を煽ってくれた方が我々としても好都合さ。せいぜい無駄な弾薬を使う事だな」
 グラスを置き、満足げな顔で“D”を見上げるラディンに対しシュターゼンは渋い顔をしていた。
「この星では、こいつの本来の能力は発揮できん」
「私だって、君が聞かせてくれた武勇伝の様な戦果は期待していないさ。その――海を2分したり、
掠っただけで400t級の装甲目標を吹き飛ばしたりといった能力は」
 シュターゼンの顔が更に歪む。
「信じていないようだな」
「…確かに、コイツの破壊力は常識で計り得ぬレベルにある。ただ、その話を信じるには私はあまりにも
君達の星の事を知らな過ぎる…と、言った所か」

52 :名無し獣@リアルに歩行:04/08/17 17:52 ID:???
 待ってたyo
 乙ー。

53 :ごるごるもあ ◆753Z/RLFiY :04/09/11 02:43:15 ID:sSmm3BaC
軍事経済のリスクは雪達磨式に膨らみ、既に米国の国債赤字を発行限度額にまで押し上げている。
戦争はもともとハイリスク・ノーリターンなのである。
それにも関わらず米軍主導の経済運営を一体どこの国が望んでいるのかである。
表向き米軍に逆らわないのは単に米軍が世界最大の軍事国家であり、資本主義経済の利権を独占しているからであり、ひとたび世界に目を向ければそれこそ奴隷文明のハイリスクが渦巻いているのである。
軍事経済はそのリスクの切れ端に過ぎない。
実に狭い価値観の中で我々は背後から突き動かされているに過ぎないのである。
米国が我々のアイデンティティーを弾圧し、軍事経済を正当化してきたのなら、そこに最初から正義などあろうはずもなかったのである。
【米国主導の奴隷文明、すべてのリスクは弱者から被る】沖縄・琉球民族
http://homepage3.nifty.com/darkelf/

54 :名無し獣@リアルに歩行:04/09/11 02:57:01 ID:???
イスラムで『親指を立てる』のはあまりよろしくないサインじゃなかったっけ?

55 :名無し獣@リアルに歩行:04/12/11 06:50:34 ID:???
こうして3ヶ月もレスつかないわけだが・・・
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  ) まぁこんな板だしな兄者
     ( ´_ゝ`) /   ⌒i.
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |.
  __(__ニつ/  FMV  / .| .|____
      \/       / (u ⊃ 
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


56 :12:04/12/23 19:37:08 ID:???
|∀・)……忙しくて来てなかったな(汗

>>54さんスマヌ、イスラムには正直詳しい訳ではないんで…

57 :名無し獣@リアルに歩行:05/02/17 22:31:27 ID:???
岡本悠のようなもの。

58 :(^^)エヘヘ:05/03/03 14:21:44 ID:???
age

59 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/19(火) 13:46:44 ID:cpck3G7N
久々に見て続きが気になったのでage

60 :【沈黙-ω-】 ◆.0e0wEv5W6 :2005/04/22(金) 00:24:59 ID:??? ?#
(;゚д゚) (゚д゚;(゚д゚;)ナ、ナンダッテー!?

61 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 09:42:25 ID:???
―ZAC210X年
―西方大陸
 中央大陸で猛威を振るっていたネオゼネバス帝国の誇る最強の戦略兵器、セイスモサウルス。
その最強兵器、ゼネバス砲は圧倒的な射程、破壊力を誇り、抵抗する共和国郡残党を苦しめていた。
 西方大陸に設置されたヘリック共和国臨時政府にとってゼネバス砲を封じる事が最重要課題となっていた。

 この日、西方大陸の共和国軍演習場には、巨大な建造物が築かれていた。これこそ共和国軍の創りあげた切り札。
対ゼネバス砲用大型Eシールド。展開には、巨大な装置が必要だが、1つで1個大隊に及ぶ部隊を守る事ができる。

 その実験の中心となるのは、ロッシュ・アルパネラ少佐率いる第101実験大隊。帝国から供与されたホエールキングを拠点として活動し、新型ゾイドの運用試験や研究を行なう部隊である。
 
<こちらロッシュだ。準備ができた。いつでもいいぞ>

「了解。これより実験を開始します。」

 演習場内に設置された観測塔の最上部で開発の責任者であるテトラ・アボロス大尉は、開始を宣言し、手元のスイッチを押した。
それと同時にシールドが作動し、光の影が第101実験大隊のホエールキングを包んだ。

「成功ね!」

 テトラが叫んだ。異常はそれと同時に起こった。

「ホエールキングがレーダーから消えました!」

62 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 10:21:56 ID:???
 実験大隊は文字通り消滅したのだ。
「いったい、どこへ!」
 それを知る者は誰もいなかった。

―翌日
―ロブ基地 会議室
実験で発生した異常事態を究明する為、特別委員会が設置された。
「いったいどういうことなんだ?説明してもらおうか」
ハーマン大佐を中心とした共和国上層部の人間が集まっていて、前で事態の詳細を説明していたテトラを注視していた。
「分かりません。どうやらシールドが空間に影響を与えてなにかが起こったのは確かですが…」
彼女はそうとしか言えなかった。そこへ何者かが割り込んだ。
「それについてですが、大隊は過去にとばされたのではないでしょうか?」
突然のことに、そこにいた皆があっけにとられていた。
「君は?いったい誰なんだ?」
唯一、ハーマンだけが言葉を発した。
「私は共和国中央大学のヨハネス・テトラボンです」
あの天才。共和国最高の頭脳と言われた男か。
「根拠はありますよ。まず、こちらの資料を。これは昨日観測された時空変動の…」
その時、一人の兵士が会議室のドアを蹴破って入ってきた。
「大佐緊急事態です!」


基地の演習場。その中心部の平原がなぜか歪んでいる。
「空間がねじれている」
ヨハネスが叫んだ。
「これではっきりしました。大隊は過去にいる。それが歴史に干渉した結果がアレです」
ヨハネスは歪んだ空間を指差した。
「虚数空間ホール!このままでは時空そのものが破壊されてしまう!止める方法は1つしかない!」

63 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 10:43:18 ID:???
「本当に大丈夫なんでしょうか?過去にいって大隊を回収するなんて」
テトラがヨハネスに不安げに言った。
「大丈夫ですよ。あなたが指揮官でしょ?頼みますよ」

 ヨハネスの考えた方法とは、過去に出撃し、大隊を連れ戻すというモノであった。
他に有効そうな対策もないという事で、この計画は承認され、中央大陸への反攻作戦の為、編成された海兵師団から一個大隊が派遣される事になった。
 実験の責任者であるテトラが指揮官となり、ヨハネスもオブザーバーとして派遣される事となった。
「生きて帰れますように…」
テトラら回収部隊を搭載したホエールキングは、シールド実験施設の中に着地した。
「もう後戻りはできないね…」
シールドが展開し、ホエールキングは時空の中に吸い込まれていった…

おまけ
ソ連赤軍戦闘機械獣プロヴォルヌイ(計画名:オブイェークト7011)
T-レックス型 全長:14m 全高:8m 重量:35t 最高速度:160km/h
乗員:2名(操縦手/砲手)
兵装:125ミリ滑腔砲2A46M-1(9K119レフレークス対戦車誘導ミサイル発射装置兼用)×1
   30ミリ機関砲2A42×2
   7.62ミリ機関銃PKT×1
   口内火炎放射器×1
   連装対空ミサイルランチャー×1(9K38携帯式SAM)
ロッシュが持ち込んだコアをもとにソ連軍が培養して製作した人口ゾイド。
通常のゾイドに対してあらゆる面で劣っている。

64 :12:2005/04/24(日) 11:20:04 ID:???
実はまだここを見ている俺ガイルw
触発されたかのように続き
-------------------------------------------------------------------------
「……と、いうわけだローレンス大尉。少数精鋭を好む君にはやりにくい任務かも知れんが……」
 無機質にブリーフィングを進める上官の名前を、ローレンスは覚えていなかった。
名札を見れば解るだろうが、どうせテントを出たら忘れてしまう。
「はっ、了解」
 とりあえずは返事だけをして、部下の待つ宿舎に向かう。殆ど聞いていなかったが、まあ
内容なんてのはもらったプリントを見てれば解る程度のものだ。小学生でもできる。
 彼が覗き込んだ紙には、『アルカイダ残党が使用する未知の兵器を調査(可能ならば鹵獲)せよ』
と書いてあった。下に任務の詳細がずらずらと並んでいる。
「未知の兵器、ね……新型の戦車とか、ヘリとか?」
 ヘリや戦闘機ならば奪って逃げられるが、戦車などでは追撃される。
 が、どうやら資料を読むに、その兵器は相当な機動力を持つものらしい。
「大尉! 今度はどんな任務です?」
 勇ましく部下が問い掛けてくる。彼にプリントを渡しながら、ふと大尉は考えた。
 ――この間のバケモノ……もしかして、アレと同類の兵器か?
 あの機体から収集したデータは、まったく未知の情報だった。その内容は解読する事もできず、
そもそもあの機体の残骸からは地球上に存在しない金属が検出されたと聞く。
 何かがおかしい。
 いつもより人数の多い部隊が慌しく出発の準備をする中、ローレンスの直感は
警鐘を鳴らし続けていた。

「小型ゾイドでは、流石に燃料気化爆弾に耐えることはできないようだな」
「我々の星であんな兵器を積んでいるのは、ごく一部のゾイドだけだ! 対策は想定していなかった」
 歩き回るシュターゼン。神経質そうな顔が引きつっている。
「いくら技術レベルが低いからといって……侮りすぎたというのか……一刻も早く、“D”を
完成させる事が必要だ」
「しかしな、この星の武器でも“D”を殺せぬ訳ではないのだ」
 惑星Ziではどういうわけか失われた技術。それは現在の地球で国家間の危ういバランスを
保っている最終兵器だ。

65 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 12:59:29 ID:???
>>63続き
―AD2005年
―オホーツク海
 ソ連太平洋艦隊に属する攻撃型原潜K-331マガダン。
アクラ級に分類されるこの原潜は、西側のロサンゼルス級に匹敵する性能を誇っている。
「同志艦長。どうやらうまく修理できたようで。とても調子がいい」
副長のニコライエフが言った。マガダンは1ヶ月前に原子炉が破損し、先週、修理を終えたばかりであった。
「それにしても艦長。最近の我がソビエト連邦は何かがおかしくありませんか?あのプロヴォルヌイとかいう新兵器。
いったいどこからあんな兵器が沸いて出てきたんでしょうか?我が連邦の技術力をもってしてもあのような兵器ができるとは思えません。」
「できたモノはしかたないだろう」
ミハイル艦長がニコライエフをなだめる。
「それにですよ。なんですか、あのボロジンとかいう大統領は?いったい何者なんだか…」
「そういうなって。向こうにいる同志政治将校に聞かれたらどうするんだ?」
ボロジン…アレクセイ・ボロジンは現在のソ連の最高指導者である。ペレストロイカを推し進めていた前大統領ゴルバチョフを暗殺し、大統領の地位を得た。
さらに彼は、軍拡を行い、西側との関係を悪化させた。
「同志艦長!ソナー感、前方4000!キャビテーション!潜水艦と思われます」
ソナー員がいきなり叫んだ。
「潜水艦?友軍ではないのか?」
「友軍ではありません。聞いた事が無い音紋です!」
「米帝国主義の最新鋭原潜でしょうか?シーウルフとかいうヤツ」
ニコライエフは艦長の耳元で小声でそう言った。
「かもな。総員戦闘配備!魚雷、いつでも発射できるようにしておけ!機関最大!未確認潜水艦に接近せよ!」
マガダンは、その針路を4km先にいるホエールキングに向けた。

66 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 13:06:36 ID:???
>65
>「同志艦長!ソナー感、前方4000!キャビテーション!潜水艦と思われます」
パッシブソナーでは目標の方位は解るけど距離は(即座には)解らんぞ。

67 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 13:08:46 ID:???
熟練だから、勘でわかるのさ。w

68 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/24(日) 13:23:20 ID:???
>65
何でAD2005なのにソ連なんだYo!?シーウルフだって就役からもう結構たつぞ?!
しかも何でソナーで即座に距離がわかるんだYo?!
聞いたことのある音紋でもかなり無理なのに、初めて聞いた音紋相手に距離が推測できるか?!
しかも4kmは近いYo!見つけた時点で魚雷の射程距離内ジャン!
そんな近距離で機関最大にしたらあっさり相手に見つかるじゃんYo!
敵っぽい音を聞いたら機関を音が出ないように絞るのが基本だZo!

69 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/04/24(日) 13:31:19 ID:???
>>66>>68
まだまだ修行不足orz
ただ、AD2005なのにソ連なのは、今後のお楽しみという事でお願いします。

70 :(^^)エヘヘ:2005/04/24(日) 16:45:56 ID:???
タモリ

71 :名無し獣@リアルに歩行:2005/04/26(火) 19:51:16 ID:???
お、12の人と新しい人が?

72 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/04/29(金) 00:53:28 ID:???
―AD2005年
―オホーツク海 ヘリック共和国海軍 改ホエールキング級<シーゴースト>
 シーゴーストは、最新型のホエールキングであり、戦闘能力や輸送能力、指揮管制能力が通常型より向上している。
ガイロス帝国からヘリック共和国に供与された反ネオゼネバス勢力の切り札である。
 艦内には、陸戦ゾイド2個中隊を中心とする海兵隊1個大隊を載せられている。
 艦内は、まだ時空移動の衝撃からまだ解放されていなかった。
「現状報告…」
 テトラは、ぶつけたらしい額を手でおさえながら言った。
「どうやら水中にいるようです」
オペレーターの一人がそう返事をした。
「早く。ソナーを配置につかせて…」

73 :名無し獣@リアルに歩行:2005/05/14(土) 11:56:42 ID:???
>65、>68
>前方4000

>4km
・・・違くね?確か水中武器とか対潜戦闘の場合は4000つったら4000「ヤード」=2カイリのはず。
2カイリなら大体3.7kmって所か。・・・うーん、4kmと言っていいのか悪いのか、かなり微妙。

74 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/10(金) 10:48:59 ID:???
―海上自衛隊 P-3Cオライオン対潜哨戒機
 海上自衛隊八戸基地に所属するP-3C対潜哨戒機、コールサイン<ポセイドン14>は、僚機とともに日課のパトロール飛行を行なっていた。
「NAVCOM(航法通信士)よりTACO(戦術士)へ。ソ連潜水艦隊の最新情報です」
対潜戦闘の指揮官を務めるTACOである谷口一尉に手渡された書類には、自衛隊及び米軍が傍受したソ連太平洋艦隊の通信記録が書かれていた。
「随分、慌しくなっているようだな。SS3(対潜員)、レーダーの様子は?」
P-3Cには3人の対潜員(SS1〜3)が搭乗しており、SS1とSS2はソノブイ、SS3はレーダーなどを担当している。
「特に変わった様子は。哨戒中のソ連フリゲートが映ってるくらいです。ソ連太平洋艦隊に特に変わった様子はありませんし、潜水艦のシュノーケルなども確認できません」
「海上には変化なしか…問題は海中の様子だな」

―改ホエールキング<シーゴースト>
「ソナー感!後方より潜水艦が接近中!」
「ホエールキングか?」
シーゴースト艦長のマクマレン大尉が叫んだ。
「いえ。おそらく、こちらの潜水艦でしょう」
ソナーマンは即座に回答した。
「そうか。戦闘配備!総員配置につけ!」
「艦長!」
戦闘配備を命じたマクマレンをテトラが制した。
「戦闘を行なうつもりですか?」
「いえ。あくまで万が一の為ですよ。さぁ、餅は餅屋にまかせて。安心してください」


75 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/10(金) 11:31:03 ID:???
―モスクワ クレムリン宮殿
 国防相ヤソフ・ジンヤーギン上級大将は、大統領執務室のドアを叩いた。
「入りたまえ」
「はっ」
ヤソフがドアを開けると、そこにはソ連第2代大統領アレクセイ・ボロジンがソ連国旗の前で立っていた。
「同志国防相。用件は?」
「同志大統領。緊急事態です。人工衛星が時空の揺らぎを観測しました。15年前と同じです」
アレクセイの顔が青ざめていくのが、ヤソフにも分かった。
「そうか。場所は?」
「オホーツク海です。現在、太平洋艦隊の潜水艦が数隻、オンステージしていますが」
「よし。全力をあげて付近一帯を捜索せよ。潜水艦だけでは足りんな。哨戒機に、空軍の偵察機。人工衛星も利用しろ。絶対に見つけろよ」
アレクセイの顔は大統領の顔に戻っていた。
「ダー!了解しました。同志大統領!」

―ソ連原潜<マガダン>
「同志艦長、目標艦はソ連領海へ向かっています」
ソナーマンの報告は静寂に包まれた発令所に響いた。
「そうか。追尾にかかろう。我が母国への侵入を絶対に許すな!」
艦長がそう叫ぶと同時にソナーマンから新たな報告が入った。
「前方より潜水艦3!友軍です!」

76 :名無し獣@リアルに歩行:2005/06/13(月) 20:58:24 ID:HLs7y/li
期待age

77 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/14(火) 23:56:14 ID:???
海兵隊第155臨時大隊
大隊長:テトラ・アポロス大尉
ベース:改ホエールキング<シーゴースト>
 共和国海兵隊から部隊を選別、編成した。
 過去に飛ばされた第101実験大隊の救出及び回収を任務としているが、
場合によっては101大隊を殲滅する必要がある為、重ゾイドを多数装備している。
 101大隊に比べれば旧式な機体ばかりの印象は拭えないが、圧倒的火力と経験、信頼性から高い戦闘能力を発揮する。

・強襲戦闘中隊
 大隊最強の戦闘部隊。ゴジュラス・ギガ配備も検討されたが、(数少ない有力な戦力を手放す事を嫌がった)海兵隊の反対により却下。
 第1小隊  ゴジュラスガナー×3 ガンスナイパー×4 ガンスナイパーWW×3
 第2小隊  アロザウラー×4 ベアファイター×6
 狙撃分隊 スナイプマスター×3
 駆逐分隊 ガンブラスター×3

・突撃中隊 
 第1小隊 ディバイソン×10
 第2・3小隊 カノンフォート×20

・高速戦闘小隊
 高い機動力・格闘能力を有し、奇襲・強襲・捜索などを行なう。小隊長機は、高い索敵能力を誇るコマンドウルフ。
  ブレードライガー×3 コマンドウルフ×6 ソードウルフ×1

78 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/15(水) 00:02:16 ID:???
・飛行小隊
 レイノスは防空。また陸戦時は攻撃機として陸上部隊を支援する
 ハンマーヘッドは、上陸作戦支援を主任務。また陸戦時は空中砲台として陸上部隊を支援する
  レイノス×4 ハンマーヘッド×3

・歩兵小隊
 海兵隊の特殊部隊である偵察部隊フォースリーコンより隊員を選別。
 偵察・調査活動の他、制圧・臨検などを実施。24ゾイドを配備
  メガトプロス×4 バトルローバー×10 装甲偵察車両(自衛隊の軽装甲機動車や米軍の装甲ハンヴィーみたいな感じ)

・通信・偵察分隊
 部隊の通信及び電子偵察任務を担当。
  ゴルドス×1 ゴルヘックス×2 ステルスバイパー×2

なお、砲兵部隊は派遣できる部隊が制限されていることと、任務はあくまで第101大隊の回収であるという点から編成されていない。
砲兵戦力は、歩兵小隊に軽迫撃砲が配備されているのみである。
砲兵の代わりは、飛行小隊が担う。

79 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/15(水) 23:51:12 ID:???
―オホーツク海
 シーゴーストは囲まれた。
 前をソ連潜3隻に押さえられ、後ろから<マガダン>が迫っていた。
―ソ連原潜 K123マールス
 艦長のゴロウニン艦長は突然の命令に戸惑っていた。大統領直々の命令だというそれは「オホーツク海に出現した国籍不明艦を撃沈せよ」というものだ。
おかしい。もし、その国籍不明艦が西側の原潜なのならば、全面核戦争につながりかねない。
「いったい、なにを考えているのだ?上層部は…」
そこへ、副長が話し掛けてきた。
「脱走艦では?西側の新型原潜で叛乱が起きて…自分達に」
「ならば、自分達で処理するだろう。我々に頼む事はない」
「では、我がソ連邦の…」
副長がそう言った瞬間、ゴロウニンの顔が赤くなった。
「あのな!我が軍の原潜であるならば、音を聞けばすぐ分かる筈だ!そもそも、我が大ソビエト連邦軍において叛乱などありえん!」

―改ホエールキング<シーゴースト>格納庫
 包囲された<シーゴースト>であるが、陸戦部隊の人間はなにもすることができず、ただ、有り余る時間を愛機の整備に費やすのみだ。
高速戦闘小隊に所属するレン・アルハイム伍長は、愛機のブレードライガーのコクピットにいた。
「照準装置に微妙にズレがあるなぁ…」
「おい!」
「うわ!」
突然声をかけられたレンは、驚いて悲鳴あげた。
「なんだよ二ナ!」
声をかけてきた女の名はニナ・ハールーン。狙撃分隊に所属するスナイプマスター乗り。彼女は大隊最強のスナイパーだ。

80 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/16(木) 23:14:29 ID:???
「あんたのことだからね。コクピットで怖がって隠れてブルブル震えてるんじゃないかと思ってさ」
「いつまでも子ども扱いするなぁ!」
ひとつ年上のニナ。レンはいつも子ども扱いされている。
「それに、私も怖いの…」
「え?」
突然の言葉にレンは驚いた。
「だってそうでしょう。訓練途中に突然召集されて、過去の世界に行けなんて…」
「そりゃ、そうだけどさ。なにが言いたいのさ…」
ブレードライガーのコクピットに収まった二人。それを睨む者が居た。
「こらぁぁぁ、なにをやっとるかぁぁぁ!」
怒鳴り声。二人は声の主に目を向け、艦内で最も会いたくない人物を確認した。
「砲術長!」
砲術長アーネスト・ボイジャー曹長。帝国から派遣された人間だ。
いわゆる鬼軍曹であり、兵士は元より将校、仕官され彼を恐れる始末だ。
「今は戦闘配備中だ!私語は慎め!」

―K-123マールス
「艦長、後方から友軍…マガダンです。事実上、敵艦の包囲が完成しました」
ソナーマンの報告は、艦長を十分満足させるものだった。
「おそらく、マガダンは…撃沈命令を知らないと思いますが?」
副長だ。
「安心しろ。同志ミハイル艦長は優秀な軍人な。冷静に動いてくれるだろう…雷撃戦準備!」
「雷撃戦準備!1番、2番発射用意!」
水雷長を兼ねる副長は、魚雷発射の最終準備を進めた。
「艦長!発射準備よし!」
ゴロウニンは、一呼吸おいて、命じた。
「1番及び2番魚雷、発射!」

81 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/18(土) 00:29:37 ID:???
>>79戦闘配備中に整備ってちょっと問題あるような(汗
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 マールスの魚雷発射筒から放たれた533ミリ長魚雷は、速力をあげ、ホエールキングに向かっていった。
シーゴーストに搭載されている高感度ソナーはそれを捉えていた。
「艦長!高速スクリュー音!数2つ!急速接近中!」
「仕掛けてきやがったか…デゴイ発射!同時に機関停止!」
マクマレンは、海図台に拳を叩きつけながら言った。
 シーゴーストの側面から音を発し囮となるデゴイが放たれた。
同時にシーゴーストに搭載されている2基の推進機関も停止し、シーゴーストは無音となった。

―マガダン
「艦長!マールスが国籍不明艦を攻撃しています!」
副長は明らかに動揺していた。
「我々も魚雷を発射しますか?」
しかし、艦長の対応は実に冷静なものであった。
「状況が把握できない以上、下手な行動は慎むべきだ。ここで見守ろう」

 音響追尾魚雷は、デゴイに向け針路を自動調整した。そして、シーゴーストの横をすり抜け、デゴイに一直線に向かう。
 水中で爆発した魚雷は、無数の気泡と爆圧を水中に作り出し、その衝撃はシーゴーストも襲った。
 衝撃に揺さぶられた船内はまさしく地獄絵図だった。あちこちで物が飛び、人は倒れていった。潜水艦乗りならともかく、
基本的に水上艦で行動する海兵隊員にとっては慣れない衝撃。艦内の被害は数字以上に甚大なものであった。
―シーゴースト発令所
「今回は避けられましたが、こちらは腹の中に荷物をやたらに載せているんです。このままでは持ちませんよ…」
航海長がマクマレンに必死に訴えていた。
「確かになぁ…やむえん、飛ぶか」
マクマランは少し考えて、そう結論を出した。
「まってください!危険すぎます!まだ、状況が把握できていない状態で飛行するのは!」
テトラが怒鳴った。
「だがね。お嬢さん。今、飛ばなかったら、確実に撃沈されてしまいますよ」

82 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/19(日) 00:06:56 ID:???
だが、テトラはまだ納得できないようだった
「しかし!下手したら空中分解するかも…」
「メインタンクブロー!急速浮上!」
マクマレンはテトラを無視して、作業を進めた。
「深度0でマグネッサ―ドライブ起動!主翼展開!乗員は総員、飛行時の衝撃に備えよ!」
共和国最高の頭脳ことヨハネス・テトラボンは、発令所の一隅で、その光景を見守っていた。

<総員、衝撃に備えよ>
艦内アナウンスで全乗員に警告が発せられる。
ゾイド乗り達も作業を中断して、格納庫の横にある待機室に入っていった。

一方、マールスからは魚雷の第二波が放たれた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
明日は、北海道上陸、自衛隊との接触を書きたいな

83 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/19(日) 22:05:56 ID:???
―マールス
 ゴト、という音と僅かな揺れがマールスから魚雷が放たれた事を乗組員に教えていた。
「次こそは…」
「艦長…目標艦が…」
ソナーマンの報告は信じられないものであった。
「急速浮上しています。信じられないスピードで?」
艦長は自分の耳を疑った。
「なに?わざわざ浮上してデカイ図体を晒すつもりか?」

 シーゴーストの艦首が海上に現れた。だが、シーゴーストは、勢いが衰えることはなかった。
数秒後には、その船体は完全に宙に浮いていた。目標を失った魚雷は迷走し、海上に二つの水柱が立った。
「「「飛んだ」」」
発令所にいるマクマレンが、テトラが。待機室にいるレンとニナが。そして、マガダンのミハイル艦長が同時に叫んだ。
「艦内、全区画へ。状況を報告せよ!」
マクマレンは艦内マイクを握ると思いっきり叫んだ、
<こちら格納庫問題なし!>
<こちら砲術長、射撃指揮所。異常なぁぁし!いつでも射撃可能!>
艦内各所から報告が入る。どうやら問題は無いらしい。

「こちら待機室。問題なし。パイロットも兵士も全員無事だ」
待機室の入り口ドア横にある艦内電話でも報告が行なわれている。
マイクを握るのは、高速戦闘隊に所属するソードウルフ乗りのパウル・ハルバート少尉だ。
レンの先輩にあたる。パウルは電話をもどすと、レンの前の椅子に座った。
「レン。どうやら俺たちの出番らしい。敵の攻撃を避ける為、南下する。
レーダーによる探索で南のほうにデカイ島が見つかったらしい。おそらく、そこに着陸する」
「それで我々が偵察のために出撃ですか?」
「そういうことだ」

84 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/19(日) 22:25:18 ID:???
―マガダン発令所
「同志艦長!あれはいったいなんなんだ!」
ソ連潜水艦には必ず搭乗している政治将校が叫んでいた。
「飛んだぞ。西側の新型兵器か?」
ミハイル艦長は相変わらず冷静だった。
「落ち着くのだ。同志政治将校殿。目標は未知の新型兵器だ。研究が必要ですな
正体を知る必要がある。だが…」
発令所にいる全員が艦長を注視する。
「おもしろい存在じゃありません」
なるほど。艦長らしい。ニコライエフは一人納得していた。

―シーゴースト発令所
「浮力が得られません」
操舵手が泣き叫んだ。イオンブースターの推進力で何とか宙に浮いたものの、
マグネッサ―ドライブの生み出す浮力は僅かのもので、艦を支えることができない。
「そうか、ここはZiではないんだ。ここはZiよりも磁場が小さい場所。だから、マグネッサ―ドライブが…」
いままで黙っていたヨハネスが突然、しゃべりだした。
「ようするに長くは飛べないということか。やむえん、陸地に着地する!」
マクマレンは、ヨハネスの言葉を納得すると、即座に決断した。
「まって、指揮官は私です!」
テトラが抗議するが、マクマレンは聞くつもりはないようだ。
「じゃあ、他になにをする?」

―海上自衛隊P-3C<ポセイドン14>
「SS3よりTACOへ。レーダーに感。方位3-3-0に大型飛行物体。急速に接近中!」
レーダーをずっと注視していたレーダー担当の対潜員が叫んだ。
「TACOよりSS3へ。物体は日本領空に向かっているのか?」
「YES。まもなく視認できます!」
「こちらTACO、了解。操縦士!目視で目標を確認しろ!」
<了解!>
操縦士を務める二尉の返事を聞くと、谷口は自分の仕事に集中することにした。

85 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/19(日) 22:40:42 ID:???
―航空自衛隊千歳基地
 シーゴーストを捕捉していたのは、海上自衛隊とソ連軍だけではなかった。
北海道上空を警戒飛行していたE-2C早期警戒機が突如、海上に出現したアンノウンを発見した。
その情報は、北海道及び東北での空自の指揮管制を行なう北部航空警戒管制団に送られた。
 空自の防空システム・バッジは要撃機よる迎撃を選択し、管制団は北海道千歳基地、第2航空団第201飛行隊のF-15J二機にスクランブルを命じた。
 空自の各基地には、常に戦闘機2機が5分以内に出撃できるように待機している。いわゆるアラート待機である。

―P-3Cオライオン
「なんだこりゃ」
シーゴーストを目視したP-3操縦士の第一声である。操縦士は目の前にあるものの存在を信じることができなかったのだ。
まぁ、目の前に鯨型の全長200m以上の物体が現れてら、こうなるであろう。
「まもなく日本領空に入る!」

86 :名無し獣@リアルに歩行:2005/06/21(火) 16:15:48 ID:???
面白い。GJ!

87 :名無し獣@リアルに歩行:2005/06/23(木) 14:55:14 ID:???
あんなでっかいのが着陸したらmig-25の亡命騒ぎより凄そうだな。

88 :名無し獣@リアルに歩行:2005/06/23(木) 19:22:26 ID:???
12氏のも期待してるんだがどうよ。

89 :名無し獣@リアルに歩行:2005/06/25(土) 00:21:20 ID:???
>84
>「SS3よりTACOへ。レーダーに感。方位3-3-0に大型飛行物体。急速に接近中!」
よく素人さんで勘違いする人が多いけど、海自では方位は「三百三十度」で報告するんだけど。
「沈黙の艦隊」やら「ジパング」読んでると間違えるからそこは気をつけよう。
で、1-3-4みたいに切って報告するのは「距離」の方。「距離ひとさんよん」なら13.4kmだったかな。

あと、レーダーなら即座に距離が解るから方位だけの報告ってのはちょっとおかしい。
ついでに、P-3Cのレーダーだけでは目標のブリップが「飛んでる」のか「水上に浮いてる」のか、
たぶん判別できないんじゃなかろうか。用途が用途だからP-3Cに対空レーダーは無いだろうし。

ついでに、飛行機の機内号令はよく解らないけど、海自の艦内号令としては
「艦橋、ソーナー」とコールしたらソーナーが艦橋を呼び出してることになる。
その順序で行けば、「TACOへ、SS3」が正しいんじゃあないかなあ、とふと思ったり。

90 :61 ◆aDC37xH6dI :2005/06/25(土) 16:26:08 ID:???
>>89
つっこみありがとう
>用途が用途だからP-3Cに対空レーダーは無いだろうし。
いやぁ、米軍のP-3Cが急接近するSu-27を探知する描写があったんで
「沈 黙 の 艦 隊」にorz
やっぱ、漫画はいかんかな…
>その順序で行けば、「TACOへ、SS3」が正しいんじゃあないかなあ、とふと思ったり。
小説版「宣戦布告」では、そんな感じだったので、私もそんなもんなのかなと思ってたりしまして。
でも、その通りにやると、ちょっと読みにくいかなと思って。

とにかく、つっこみありがとうございます

91 :名無し獣@リアルに歩行:2005/06/28(火) 01:25:00 ID:???
>90
>米軍のP-3Cが急接近するSu-27を探知
それ違う。Su-27が示威行為としてP-3Cにニアミスしたの。
つまりモロに有視界距離で、レーダー探知とかは無関係。

92 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/07/18(月) 20:33:55 ID:???
61改め独楽犬です
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―北海道 網走 紋別より北3kmの上空
 航空自衛隊のパイロットである八島3佐は、僚機とともにアンノウンに接触した。
「こちらジェイク1。国籍不明機を目視した。なんだあの機体は?」
<どうしたジェイク1。国籍不明機の詳細を報告せよ>
「でかすぎる。こんな奴見たことない。ソ連の新型機か?これより警告を行なう」
八島のF-15Jがホエールキング<シーゴースト>の進行方向右側についた。
「こちら日本国航空自衛隊。左の大型機に告ぐ。日本国領空を侵犯している。ただちに退去せよ!」
反応がない。
「繰り返す。日本国領空を侵犯している。ただちに退去せよ!」
相変わらず反応は無い。
「畜生、もうすぐ陸地の上に入るぞ。こちらジェイク1。国籍不明機は警告を無視した。」
<威嚇射撃を許可する>
「ありがとう。ジェイク2、俺の後ろにつけ!」
ジェイク2は、八島の僚機だ。パイロットは奥田1尉。若いが優秀なイーグルドライバーである。
<こちらジェイク2。援護する!>
「ジェイク1。威嚇射撃を行なう。FOX3!」
F-15Jに搭載されている20ミリ機関砲M61A1バルカンが鈍い作動音とともに曳光弾を吐き出した。

―シーゴースト
「畜生、撃ってきやがった!」
航海長が叫んだ。
「応戦しましょう!」
「ダメだ。あれは威嚇だ」
マクマレンだ。
「しかし。なんとかせんと。次は落とされるぞ…」

93 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/07/18(月) 21:25:40 ID:???
「艦長!陸地です!」
誰かが叫んだ。確かに外界の様子を映したモニターには陸地が映っている。
「よし!着陸だ!砂浜に着陸する!」

シーゴーストは、速度を落とし、ゆっくりと高度を下げた。大きく旋回し、ランディング・ギアを下ろし、紋別の砂浜に着陸した。

―紋別市内
 俺の名は烏丸俊一郎。職業は自衛官。陸上自衛隊の陸士長で、第11師団第25普通科連隊の小銃小隊に所属している。
使用する火器は89式小銃。日本が誇る世界一高価な小銃だ。64式に比べると軽いし、3点バーストなど便利機能がもりだくさん…
正直、銃剣をつける必要性があまり感じないが…とにかく素晴らしい、かもしれない銃なのだ。
 そんなことはどうでもいい。私は今、休暇を利用し実家に戻り、某戦国自衛隊を映画館で鑑賞し、溜まった鬱憤を妹が某死種を
見ている合間に妹のパソコンを無断使用…もとり借用して、2ch軍事板を見ているところだ。
 今、2ch軍事板で話題になっているのが、ソ連の新型兵器プロヴォルヌイの極東配備が始まったことだ。
 プロヴォルヌイ、それはソ連が投入した世界最新鋭の…
「こらぁぁ!私のパソコン、勝手に使うなぁ!」
 これが我が妹だ。いわゆる婦女子だ。さぁ、なんと言い訳すべきか・・・めんどくさい。
 その時だ。外の方が突然、騒がしくなった。
「なんだなんだ!ちょっくら言ってくるは」
「ちょ、待て!」
そう言うと、俺は妹を無視して外に向かった。正確な情報を収集するのは軍人の努めだ。行ってくるぞ、妹よ

―紋別市内 どこぞの自販機前
 1台のパトカーが停まっている。
<通報、海岸に巨大な…鯨のような…>
「鯨?」
運転席に座る巡査長が、無線機のマイクをとった。
「こちら410号車、ただち現場へ向かう」
巡査長がマイクをもとにもどすと同時に、両手に缶コーヒーを持った後輩警官が戻ってきた。
「どうしたんすか?」
「でかい鯨がうちあげられているらしい」
「鯨っすか。すごいっすねぇ」
彼らは、現場で待っている恐るべきものの正体をまだ知らなかった。

94 :名無し獣@リアルに歩行:2005/07/21(木) 00:11:52 ID:???
昨日ニュースでやってた打ち上げられて埋められた鯨はじつはホエールキング

95 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/07/23(土) 23:24:54 ID:???
―シーゴースト 発令所
 着地の衝撃が発令所にいる全員を襲って以降、ずっとシーンとしていた。
 誰もが沈黙し、次にどう動くべきか、考え込んでいた。
「ともかく、付近の偵察を…部隊を動かせますか?」
 テトラだ。
「高速戦闘小隊及び歩兵小隊が待機中です。出撃させますか?」

―海岸
 パトカー410号車を道路に停め、車外に出た巡査長と後輩警官が見たのは、砂浜のホエールキング。
「なんでしょうかね?アレ」
「とりあえず、鯨じゃねぇな…」
目の前には全長225.0mの巨大な鉄の鯨。しかも武装しているようで、砲塔らしきものも見える。
「とりあえず、弾、こめとくか…」
巡査長が愛用のニューナンブを取り出した。
「そうっすね…」
その時、2人は、砂浜でホエールキングにデジカメを向ける青年を見つけた。
「おい!君、なにをやってるんだ!」
巡査長が叫んだ。こちらに気づいたらしい青年が、こちらに顔を向けた。
「すみません。ちょっと写真を…」
「君、これについてなにを知ってるんだ?というか、君は何者だね?職業は?」
「あぁ自分は、自衛隊の者で…」
「「自衛隊!!」」
巡査長と後輩警官の声が見事に重なった。
「そうでしたか、自衛隊の方でしたか」巡査長が気持ち悪いくらいに態度を変えて話し掛けてきた。
「えぇ。まぁ」
「どうやら軍用のモノみたいですし、専門家である自衛隊の方に…」
「いえ、私は休暇中の身で」自衛隊員の青年、烏丸は必死に逃れようとするが、無理みたいだった。
「やはり面倒ごと…もとい特殊な事態には専門家の方にねぇ」後輩警官も巡査長に同調した。
たく。MiG25戦闘機が亡命してきた時、自衛隊を締め出したのは貴様ら警察じゃなかったのかと、小一時間問い詰めたい…
烏丸は心の中で叫んだ。

96 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/07/23(土) 23:50:25 ID:???
―樺太/サハリン ソ連軍基地
 ソ連軍の誇る大型ヘリコプターMi-26<ヘイロー>が基地のヘリポートに着陸した。
ヘリから出てきたのは、大佐の階級章をつけた男だった。
「基地司令。私のバイオメガラプトルは到着しているかね」
「はっ。先ほど、輸送機が空港に到着したところです。同志メディッチ大佐」
「よろしい」
「大佐ご自身が出撃なさるつもりで?」
「万が一の場合にはな。プロヴォルヌイが何体動かせるかね?」
「12機が待機中です。出撃ですか?」
「ウラジオストックで命令を受け取った。大統領直々のご命令だ」
メディッチはそう言うと、基地司令官に命令書を渡した。
「そういうことだ。出撃だ…」

―海岸
「こういう場合は、まず応援を呼ぶべきでしょ?」
「「あぁ。確かに」」
烏丸の言葉に納得した二人は、パトカーに応援を呼ぶべく戻っていった。
「たく。なにやってるんだか…」
烏丸は、写真撮影を再開した。

97 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/07/27(水) 22:43:28 ID:???
―シーゴースト 格納庫
レンとパウルは、愛機に乗り込んで出撃の瞬間を待っていた。
「いつになったら出撃命令は出るんですか?」
レンがコクピットに収まってから10分ほど経つが、出撃命令が出ないのだ。

―発令所
「出撃は延期。待機で…」
テトラが言った。周りに現地人が集まってきている。部隊を出すべきではないだろう。
「接触できないかしら…」

―ホエールキングの周り
 すでに日は沈み、辺りは真っ暗闇に包まれていた。警察がホエールキングの周りを封鎖していた。
そこへ1両の車がやって来た。自衛隊の73式小型トラック…トラックと言っても見た目はただのジープだが…である。
買出しの名目で、偵察活動に赴いた陸上自衛隊第25普通科連隊の車両である。
「すみません。状況はどうなんでしょうかねぇ」
車から降りてきた3等陸尉の階級章をつけた男が、封鎖していた警官に言った。
「どうってことありませんよ。警察の管轄ですから帰った帰った」
3等陸尉、鵜飼隆一は門前払いを喰らい、愛車に戻った。
「ダメだ。門前払い。ここから観察するしかないかな…」
「そうっすね」
運転席に座る2等陸曹がそう答えた、その時、誰かが73式小型トラックのドアを叩いた。
「小隊長!自分です。烏丸です」
烏丸の手にはデジカメが握られていた。そこに収められた写真が、今後しばらく自衛隊が持つ唯一のホエールキングに関する独自情報となった。

98 :名無し獣@リアルに歩行:2005/08/02(火) 04:16:04 ID:???
ああ悲しきかな縄張り争いw

99 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/07(日) 22:51:17 ID:???
―シーゴースト 発令所
 ホエールキング<シーゴースト>の仕官食堂には、テトラを中心に幹部が集まっていた。
「周りを囲まれています。問題はこれからどうするかです」
テトラがそう切りだした。
 逃亡・待避という選択はすでに無くなっていた。現地住民の武装組織(警察)に囲まれている以上、
彼らを刺激するような行為は好ましくないし、そもそもまともに飛べない以上、逃げ切れるかどうか怪しいところだった。
海に潜っても、先ほどの潜水艦部隊が待ち伏せしている可能性がある。攻撃を仕掛けてこない分、今、周りを囲んでいる警官隊と対峙している方がマシと言えた。
「接触しますか?現地人と」
強襲戦闘中隊のアーサー・エヴァンス中尉が言った。
「現地人との接触はあまり好ましくありません」
テトラは即座に反対した。現地人と下手に接触すれば、歴史そのものを変えてしまう可能性がある。
―陸上自衛隊 遠軽駐屯地
 遠軽駐屯地は、烏丸の所属する第2師団第25普通科連隊の基地である。
普通科中隊長の沖忠雄3佐は、紋別に出現した正体不明の人工物=ホエールキング<シーゴースト>の情報を収集すべく、
休暇中であったにも関わらず駐屯地に出向いた。
「で、第1小銃小隊の烏丸が、写真を収めてくれたと…」
沖は部下である鵜飼3尉から渡されたデジカメを見つめていた。
「海空も一応、写真を撮ったらしいが、現像にはもうしばらく時間がかかる。
この写真だけが、我々の手元にある唯一の情報というわけだな。よし、さっそく分析をはじめよう。それとだ、鵜飼」
「なんでしょうか。中隊長殿」
「第1及び第2小隊、出動準備だ。第2小隊長にも伝えてくれ」
「出動でありますか?」
「万が一の為だ。なにか嫌な予感がするんだ」
―紋別沖
 すでに日付が変わろうとする時間になっていた。ソ連軍の偽装貨物船バラシューボ号は特殊任務遂行のために特別に作られた艦だ。
そのバラシューボ号の艦艇に開けられた穴から、何かが海中に降りた。
それこそ、ソ連軍の誇る最強兵器、プロヴォルヌイ水際作戦仕様である。

100 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/16(火) 00:56:01 ID:???
-おまけ-
2004年大晦日
某テロ朝、超常現象関連特番で、衝撃的な事実が明らかになった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
韮○潤一郎「例えばですね。ソ連軍の最新兵器である、オブイぇークト7011。
        これにも、宇宙人の技術が使われているんですよ」
大槻○彦「あのね。確かに、オブイェークトなんたらってのにはね、かなり高度な技術を使ってるのは認めるよ。
      だけど、それを宇宙人の技術を使ってるって、なんで断言できるかねぇ」
韮○潤一郎「あれをどうやって地球の技術で作るんですか?アメリカだって公式の場で、こんなモノを作れないって
        言ってるわけですし」
大槻○彦「日本だって、ロボット技術はかなりのとこまで言ってるんだし、ソ連が絶対に作れないってのもねぇ…」
韮○潤一郎「いやですね。先ほどのVTRにもありましたディスクロージャープロジェクト(暴露計画)で、
        実際に元CIAの局員がそう証言してるんですよ。アメリカはね。かなり早い段階で、
        オブイェークト7011の存在と宇宙人の関与を掴んでいたんですよ。
        おそらくオブイェークト7011にはUFOの推進システムなり重力制御システムなりの技術が応用されて…」
松○貴史「では、聞きますけどね。アメリカはエリア51で宇宙人と交流してるというのが、貴方達のこれまでの主張ですよね。
      じゃあ、なんで、アメリカはオブイェークト7011みたいなの作らないの?」
韮○潤一郎「そこはアメリカとソ連の発想の違いですよ。アメリカはUFOの復元を優先して、ソ連は陸戦兵器への技術の応用を優先した。
        その違いですよ」
松○貴史「じゃあ、アメリカにもその技術があると?」
韮○潤一郎「当然、ありますよ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
正しいのか、間違っているのか…

101 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/16(火) 17:34:05 ID:???
―紋別
 ホエールキングの周りは警察、野次馬、マスコミが集中し、混乱が生じていた。
 道警本部長の松岡は、ヘリからその光景を眺めていた。
「MiG25事件再びと思っていたが…」
松岡は、その混乱の中心に居座るホエールキングに意識を集中した。
「MiG25どころの問題じゃないな…」
「本部長、ゲンポン(現地本部)に着陸します」
松岡を乗せたヘリは、現地本部の脇につくられた臨時ヘリポートに着陸した。

―遠軽駐屯地
「いやぁ。酷い話ですよ。最初は、自衛隊が対処してくれって頼み込んできたくせに、増援が来るなり自衛隊は出て行けって」
鵜飼とともに駐屯地を訪れていた烏丸は、同僚達に愚痴を溢していた。そこへ鵜飼は現れた。
「烏丸、これ着とけ」
鵜飼が渡したのは迷彩服であった。
「どういうことでありますか?小隊長殿」
「中隊長の命令だ。出動準備!休暇は取り消しだ」
「そんなぁ」
烏丸は泣きそうな気分になった。

―発令所
「私が、外に出ます」
テトラだ。
「援護を頼めますか?」
テトラの視線の先には、歩兵小隊指揮官のジョン・スミシー少尉が居た。
「いいだろう。狙撃兵をスタンバイさせておく」


102 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/16(火) 18:41:11 ID:???
―紋別 チカベツノ岬
 午前3時頃。水際仕様プロヴォルヌイは、静かに北海道の大地に立ち上がった。
上陸に成功したのは8機。彼らは、ホエールキング不時着地点を目指し、歩き出した。

―道警 現地本部
「機種不明、国籍不明か。まっ、あんなもんの正体が分かる方がおかしいが」
松岡が報告書を読みながら呟いた。その時、
「本部長、ハッチが開きました!」
松岡は、それを聞くと、近くにあった双眼鏡を手にとった。
ライトで照らされたホエールキングに対物レンズを向けると、鯨の頭部側面にあるハッチが開いて、中から女性が出てきた。
手には白旗を持っている。
「拡声器だ」
机の上にある拡声器を、その手に握ると松岡は、出てきた女性…テトラに向かって叫んだ。
「道警の松岡です!氏名と国籍、所属は!」
松岡は、日本語でそう言った後、同じ事を英語、ロシア語で繰り返した。

 テトラは白旗を持ちながら、ホエールキングを包囲する連中の指揮所と思われるテントを目指し、歩いていた。
 もし、連中が敵だったらどうしようか…歩兵小隊の援護があるとは言え、自分は非武装…
抵抗さえできずに殺されるだろう。いや、殺されるのはまだマシなのかもしれない。恐ろしいには捕まってしまった場合だ。
そうなれば、どうなるのか…想像すべきではなかった…
 その時、連中の指揮官らしき男が拡声器で、何か言っている。
「道警の松岡です!氏名と国籍、所属は!」
 さて、どう答えるべきか。黙ってても始まらないし、嘘を言っても後々エライことになりそうだ。
ここはZiではないので、どこまで信用してくれるか疑問であるが、本当の事を言う事にした。
「テトラ!テトラ・アボロス!ヘリック共和国。共和国海兵隊、大尉!」

 答えは返ってきた。そこまではイイ。問題は、その内容があまりにも馬鹿げていることだ。
ヘリックなんて国あるか!怒鳴り返そうとした時、部下が松岡を止めた。
「本部長!緊急事態です。ソ連軍部隊が上陸しました」

103 :名無し獣@リアルに歩行:2005/08/16(火) 19:00:25 ID:???
>>100
ワロスwwwwwww

104 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/20(土) 23:31:06 ID:???
―X-7 3時20分 防衛庁長官に第一報
―防衛庁 長官執務室
 防衛庁長官、石場茂雄は戦闘機や軍艦のプラモが並ぶ執務室の中に居た。
構造改革を進める和泉俊一郎総理が郵政民営化とともに推し進めているのが防衛改革だ。
「存在する自衛隊から使える自衛隊へ」それがキャッチフレーズだった。
そんな和泉が防衛庁長官に選んだのが石場であった。
 石場は、「紋別に上陸した国籍不明機に関する情報」と書かれた書類に目を通していた。
その時、机の上に置いてある電話が鳴った。石場が電話を取ると、相手が叫んだ。
『緊急事態です!ソ連軍が北海道に上陸しました』
「上陸ですって!どこにですか。規模は?」
『北海道って言ったでしょう!!』
「だから、北海道の何処に上陸したんですか?稚内?根室?」
『まだ…詳しい事は…』
「上陸地点と上陸部隊の規模をすぐに。情報は官邸にお願いします」
石場は電話を戻すと、すぐに秘書に向かって言った。
「すぐに総理に」

―X-7 3時20分 道警が上陸したソ連軍部隊と接触
―紋別市街
 ソ連軍のプロヴォルヌイ部隊上陸。
 この事態に最初に対応したのは道警であった。
3時05分に、「海岸をデカイ恐竜が歩いている」という通報があり、現場に急行したパトカーがプロヴォルヌイであると確認した。
 街中を進むプロヴォルヌイを阻止すべく、付近のパトカーが集結させ、バリゲートを構築した。
「来たぞ!」
 彼らの目の前に現れたのは、迷彩塗装がされた恐竜型のロボット兵器であった。

105 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/21(日) 16:58:28 ID:???
 ソ連軍新兵器プロヴォルヌイ。その恐るべき姿を目の当たりにした警官達はその場に立ち尽くすしかなかった。
 プロヴォルヌイは顔と思われる部位を天に向けた。

グオォォォン

 咆哮。それが動けなかった警官達を現実に戻した。
 警官の一人が拡声器を持った。
「日本警察だ!ただちに停止せよ!」
警官は、日本語とロシア語で繰り返したが、ソ連軍部隊は聞く耳を持たなかった。
どんどんと近づいてくるソ連軍新兵器を前に警官達の恐怖感も徐々に増していく。そして遂に一人警官が拳銃を構えた。
「おい。坂下!なにをやってるんだ!」
坂下と呼ばれた警官は、ニューナンブの引き金を引いた。
 プロヴォルヌイの顔で火花は散った。全体を覆う装甲の前には9ミリ弾はあまりにも無力であったが、ソ連軍パイロットは脅威であると判断した。

 プロヴォルヌイの口から火炎が放たれた。数千度に達するその炎は、坂下に向けられた。坂下の身体は一瞬にして黒鉛となり、さらにすぐ近くのパトカーも巻き込んだ。
ガソリンに引火し、爆発。数人の警官を巻き込んで吹き飛んだ。
 続いて腹部に搭載されている(ガンスナイパーのAZ80mmビームガンのような感じ)7.62ミリ機関銃が動いた。
連続して放たれる7.62ミリ弾は、防弾チョッキさえ着ていない警官達の身体をいとも簡単に貫いた。
 警官達は逃げ惑うばかりであった。

―X-7 3時30分 陸上自衛隊第25普通科連隊に災害出動要請
―紋別市役所
 市役所はソ連軍上陸という前代未聞の事態にパニックを起こしていた。
電話はパンク寸前。市役所職員が「紋別はどうなってる?」という問い合わせに「今、情報を収集しているところです」と答えて、切るとまた鳴った。
またか、と思って出ると、意外な相手が答えた。
<陸上自衛隊遠軽駐屯地です。市内の状況はどうですか?>
「自衛隊さんですか?助かった…それが大変な状況でして…なんとかなりませんかね?」
<それは出動要請と受け取ってよろしいでしょうか?>
「えぇ。で上陸した連中を追い払ってくれるのですか?」
<いえ。それは無理です。それには総理の命令がないと。ですので災害出動となります>
「では、どうするのですか?」
<避難誘導を。あとは総理が決断なさる事を祈るだけです>

106 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/21(日) 22:04:48 ID:???
―X-7 3時32分
―航空自衛隊 百里基地
 茨城の片田舎にある航空自衛隊百里基地には、F-15の2個飛行隊が配置され、首都防空の要となっている。
また、要撃機の他にも日本唯一の偵察飛行隊があり、30機近い偵察機が配備されている。
 日本の航空偵察を担っているのがRF-4偵察機だ。傑作戦闘機F-4を改良した偵察機であり、偵察用のカメラや
レーダーシステムを搭載している。
 格納庫から滑走路へと出された2機のRF-4は、2基のジェットエンジンが生み出す推力と巨大な翼に発生した
揚力により空中へ浮き上がった。

 これと同時期に各地の自衛隊の動きも活発化した。
 航空自衛隊では、千歳からF-15が、三沢からE-2Cがそれぞれ離陸し、ソ連空軍の襲撃に備えた。
また、海上自衛隊では大湊地方隊の護衛艦3隻が出撃した他、多数のP-3Cが多数離陸し、哨戒活動を行なった。
そして、陸上自衛隊では、丘珠駐屯地から偵察ヘリが訓練名目で出撃した他、災害出動の要請を受けた普通科連隊も動き出した。

―X-7 3時40分
―遠軽駐屯地
 第25連隊第1小銃小隊は11人の小銃班3班で構成される。
 彼らは96式装輪装甲車3両と高機動車1両に分乗し、小隊長車の73式小型トラックを先頭に駐屯地を出発した。
彼らは一応、災害出動ということになっているが、ソ連軍部隊との交戦を考慮し、完全武装をしていた。
当然ながら彼らの小銃や軽機関銃には実弾が装填されているし、さらにはカールグスタフなどを重火器をも持ち出していた。

―X-7 3時45分
―紋別 現地本部
「くだらん嘘は止めんか!」
「嘘じゃありません!」
ホエールキングの前に建てられた現地本部では、松岡とテトラの言い争いが続いていた。
「いいかげんにしないと、公務執行妨害でしょっぴくぞ!」
その時、松岡の部下の一人が松岡の肩を叩いた。
「本部長。道警のヘリがソ連軍と思われる部隊の上空に達しました。モニタに映像が」

107 :名無し獣@リアルに歩行:2005/08/23(火) 02:48:48 ID:???
流れを変えて申し訳ないが、これらの物語の数々を
電車男のように新潮あたりで書籍化したら
何100万部売れるだろうか


108 :名無し獣@リアルに歩行:2005/08/23(火) 07:16:48 ID:???
初版3,000部、だだ余り。
後年オクでそれなりの価格に。

109 :名無し獣@リアルに歩行:2005/08/23(火) 16:44:16 ID:???
おまいら、新シャアとか行くと物凄いSS職人居るのよ。
ああいった物なら販売に値すると思う。

しかしここのSSスレでは常駐約一名とたまに来る短編職人以外では無理だ。

110 :名無し獣@リアルに歩行:2005/08/24(水) 20:23:58 ID:???
物凄いまともな流れになってるな。
正直驚いた。

111 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/26(金) 23:28:29 ID:???
―紋別市街
「なんという状況だ」
道警ヘリのパイロットは、眼下の惨状に驚いていた。
これが戦争か…
よし、この惨状を起こした張本人を捉えてやる!
ヘリには阪神大震災の教訓から配備された最新鋭カメラを装備している。
カメラが起動し、上陸したソ連軍部隊を捉えた。

―現地本部
「本部長。現地からの映像が入ります」
机の上に置かれたテレビ画面には、ヘリのカメラが撮影した鮮明な市街地の映像が流されている。
「いた!あれだ!」
テレビ画面に映ったのは、赤星を頭部につけた恐竜型兵器であった。
「ゾイド!」
思わずテトラが叫んだ。その場に居た全員がテトラに視線を向けた。
「君は、これを知っているのか?」
だが、テトラは構わず話を続けた。
「あの、この機体…どんな装備をしているんですか?」
「えっ?」
「ジャミングとか…」
「そんなもの警察のヘリが…」
やはり、所詮は治安組織か…だとしたら、ヤバイじゃない…
「危険です!すぐヘリを下げて!」
テトラが再び叫んだ。
「なにを言ってるんだ!情報を集めないとどうしようも…」
その時だ。
「本部長、ソ連軍機からなにかが!」
次の瞬間、映像は途切れた。

112 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/08/27(土) 23:13:47 ID:???
―紋別市街
 プロヴォルヌイパイロットにしてみれば、道警ヘリを落とす事は実に簡単なことだった。
敵はろくな妨害装置も搭載していない警察ヘリ。
 背部に搭載された対空ミサイル9K38をヘリにロック。あとは発射ボタンを押す。
そうすれば、白い煙を引いて、そのままヘリに向かっていった。
「無謀な…」
 ソ連パイロットのウシャコフ少尉はそう呟いた

―現地対策本部
「ヘリが撃墜されました…」
通信機の前に座る男が叫んだ。テトラが松岡につめよった。
「だから言ったのに…まともな妨害装置も装備していない機体であんなに接近したら…」
「そんな事言われてもな…俺たちは専門家じゃないし…」
「じゃあ、専門家にやらせればいいでしょ!」

―首相官邸地下 危機管理ルーム
 大小さまざまなモニターや各省庁との直通電話が置かれる危機管理ルーム。
だが、その最新鋭のハイテク装備は、現段階では何の約にも立っていなかった。
「で、どこに上陸したんだ!」
和泉総理はなかなか入ってこない情報に苛立っていた。
「総理、陸上自衛隊の一部部隊が出動している模様です」
「なんだって!誰が許可したんだ…」
そこへ石場が現れた。彼は防衛庁からヘリで首相官邸屋上のヘリポートに降り、そのまま危機管理ルームにやってきたのだ。
「総理。石場です。おそらく、現地の役所なりなんなりが出動を要請したのでしょう」
「それで、ソ連軍を撃退できるのか?」
「できません。その場合、災害出動となりますので武力行使は…。ソ連軍をお払うつもりなら総理のご命令が必要です」
「そうか…」
日本の防衛体制はいまだに不完全な状態だった。

113 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/09/03(土) 22:18:43 ID:???
―X-7 4時00分
―紋別上空
 米原1尉のRF-4は紋別の戦域上空に到達し、偵察活動を開始した。
「なんてこった!」
 米原が視界に捉えたのは、地上の地獄絵図だった。
 前進の邪魔になる建物や障害物を破壊してつく進んでいるのだろうか?
ソ連軍部隊の進んだ跡には破壊された建物が残り、火災が発生していた。あの中に、今、どれだけの人が取り残されているのだろうか…
そう考えた時、米原は思わず身震いした。
「下は戦場だ…」
 米原は自分の任務に集中することにした。敵の対空攻撃を警戒しつつ、米原は機種に設置されたカメラシステムを起動した。
―X-7 4時30分
―紋別
 遠軽駐屯地を出て50分ほどたっていた。部隊はは、時速80kmほどで走っていた。スピード違反であり、自衛隊ではご法度の行為であるが
、運転手は自分に「緊急事態だから」と言い聞かせ、アクセル全開で進んでいた。
 先頭を進む73式小型トラックに乗る鵜飼は、フロントガラス越しに見える赤い不気味な光と大量の煙を見て戦場が近い事を悟った。
「もうすぐだ。全員に弾薬を装填するよう伝えろ」
 後ろからついて来る車両隊に向け、無線機で指示を出した鵜飼は、自身の89式小銃に弾倉を挿し込んだ。
これはあくまで災害出動であり、武器の使用は正当防衛・緊急避難のみ許されるという状態だ。さらに、第1射をする時は自分に指示を求め
るように部下達には厳命してある。はっきり言えば、危険である。敵の攻撃がなければ、反撃できないのだ。敵の一撃で、こちらがやられてし
まう。もし、部下達が指示を求めてきた時、自分は的確な指示ができるのだろうか?部下達は的確に反撃できるのだろうか…
 そもそも、国土が敵国に侵されているという時に、なんでこんな事を気にせねばナらないのか…
「小隊長。これ以上、車両では近づけません」
 ついにきたか…
「総員、降車。徒歩で前進し、警官と共同で住民の避難誘導を行なえ!」

114 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/09/03(土) 23:38:15 ID:???
―96式装輪装甲車車内
 烏丸は、愛用の89式小銃を持ち、彼の所属する班の指揮官である夢水陸曹長の隣に座っていた。
「烏丸、大丈夫か?」
 幹部さえ恐れる小隊の先任下士官、夢水とは思えぬ優しい口調に烏丸は一瞬、寒気がした。
「いえ。大丈夫です」
 その時、96式装輪装甲車が停車した。
「降車!」
 96式装輪装甲車後部に設置されたランプ・ドアが開き、夢水の号令とともに8名の隊員が飛びたした。
手には銃器が握られ、完全武装している。
 73式小型トラックから降りた鵜飼が集結した隊員達の前に立った。
「総員前進用意!前へ!」

 大損害を出しパニック状態に陥っていた警官達には、自衛隊の援軍は頼もしく感じたらしく、積極的に
協力してくれたので、避難誘導はある程度、スムーズに進んだ。
「12時方向!ソ連軍部隊!」
 誰かが叫んだ。どうやら、機関銃主の米田3曹らしい。烏丸が米田の居る方に視線を向けると、そこに
は、こちらに銃砲を向けるソ連軍兵器、プロヴォルヌイがいた。
「これが…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
登場人物表
共和国軍
 ロッシュ・アルパネラ 共和国軍少佐 第101実験大隊長
 テトラ・アボラス    共和国軍大尉 第155臨時大隊長
 アーサー・エヴァンス 共和国軍中尉 第155大隊 強襲戦闘中隊長 ゴジュラス乗り
 ジョン・スミシー    共和国軍少尉 第155大隊 歩兵小隊長
 パウル・ハルバート 共和国軍少尉 第155大隊 高速戦闘隊隊長 ソードウルフ乗り
 レン・アルハイム  共和国軍伍長 第155大隊 高速戦闘隊 ブレードライガー乗り
 ニナ・ハールーン 共和国軍伍長 第155大隊 狙撃分隊 スナイプマスター狙撃手

115 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/09/03(土) 23:54:55 ID:???
 マクマレン/帝國軍大尉 <シーゴースト>艦長
 アーネスト・ボイジャー/帝國軍曹長 <シーゴースト>砲術長
 ヨハネス・テトラボン/共和国中央大学大学院
 ロブ・ハーマン/共和国軍大佐
日本政府
 和泉俊一郎/内閣総理大臣                  石場茂雄/防衛庁長官
自衛隊
 沖忠雄/陸上自衛隊3佐 第25普通科連隊 第1中隊長
 鵜飼隆一/3尉 同中隊 第1小隊長             夢水/陸曹長 同小隊第2班長
 烏丸俊一郎/陸士長 同小隊小銃手             米田/3曹 同小隊機関銃手
 谷口/海上自衛隊1尉 P-3C<ポセイドン14>TACO
 八島/航空自衛隊3佐 F-15パイロット            奥田/1尉 F-15パイロット
 米原/航空自衛隊1尉 RF-4パイロット
日本警察
 松岡/道警本部長                        坂下/道警警官
ソ連政府
 アレクセイ・ボロジン/ソ連邦大統領
ソ連軍
 ヤソフ・ジンヤ―ギン/ソ連国防相 ソ連軍上級大将
 メディチ/ソ連軍大佐 バイオメガラプトル乗り      
 ウシャコフ/ソ連軍少尉 プロヴォルヌイ乗り
 ミハイル/ソ連軍大佐 <マガダン>艦長        ニコライエフ/中佐 同艦副長
 ゴロウニン/ソ連軍大佐 <マールス>艦長

116 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/09/13(火) 22:54:29 ID:???
 夢水が無線機に向かって叫んだ。
「こちら1-2!敵戦闘部隊と遭遇!威嚇射撃の許可を願う。オクレ!」
<こちら、1-0。敵の攻撃を受けたのか?オクレ>
相手は鵜飼だ。
「アタック無し…だが、こちらに銃口を向けている。オクレ!」
<射撃は許可できない。これはあくまで災害出動だ!安全地帯まで待避せよ!>
「しかし…」
<これは命令だ!>
ここまで言われれば、なにも言い返すことはできなかった。
「総員、待避!」
 烏丸を含めた夢水の部下達、10名は、プロヴォルヌイに銃口を向けつつ、下がっていく。

「ふん。軍隊もどきが…」
プロヴォルヌイに乗る、ウシャコフが呟いた。その右親指は、機関銃の発射ボタンにかかっていた。

 それは突如、放たれた。7.62_機関銃。それは、米田の体を貫いた。
「米田さん!」
ポストの影に隠れる烏丸が叫んだ。
「堺、宮下!米田を救助。援護する!」
電柱の影に隠れている夢水は、近くに居た部下2人にそう命ずると、無線機のスイッチをONにした。
「1-2、敵部隊からのアタック有り!応戦許可願う!」



 鵜飼は、狭い裏路地を疾走していた。
<1-2、敵部隊からのアタック有り!応戦許可願う!>
「すぐに向かう。応戦許可は待て!」
鵜飼は、近くに居た通信士を捕まえた。
「中隊長に射撃許可とれ!」

117 :名無し獣@リアルに歩行:2005/09/16(金) 16:50:09 ID:???
期待

118 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/10/03(月) 22:47:05 ID:???
 プロヴォルヌイの放つ機関銃弾が、ポストや電柱に当たり、火花は散る。
自衛隊員達は、影に隠れるしかできなかった。
「堺!宮下!出られるか!」
夢水は、まだ先ほど、撃たれた米田の救助を命じた2人に叫んだ。
「無理です!敵の銃撃が激しすぎます!」

―遠軽駐屯地
 駐屯地内では、第25普通科連隊の全ての部隊が出撃の準備をしていた。
烏丸達の小隊の所属する第1中隊の中隊本部と第3および第4小隊もいつでも出撃できる態勢をとっている。
「総理の命令はまだか?敵が日本領内に上陸してるんだぞ!」
第1中隊長である沖は、中隊本部車両の高機動車の荷台に立って叫んでいた。
「3佐。第1小隊より。射撃許可を求めています」
「とっとと許可しろ!全て責任は俺がとる。鵜飼に伝えておけ、何をしても構わん。絶対に犠牲者を出すな!これは命令だ!」

―紋別市内
「中隊本部より射撃許可がでました!」
「よし!」
鵜飼が通信機を握った。
「鵜飼!応戦を許可する!」

119 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/10/08(土) 21:33:20 ID:???
―紋別市内 最前線
<応戦を許可する!>
鵜飼からの通信は、影に隠れ耐えるしかなかった隊員達を奮い立たせた。
「よし。堺、宮下!いまだ行け!烏丸、狙え!」
プロヴォルヌイの射撃が一瞬、収まった。
その一瞬を狙い、夢水が叫ぶ。
 堺3曹と宮下1士は、電柱の影から飛び出した。
 飛び出した二人に、7.62ミリ弾が容赦なく放たれる。
「烏丸、撃て!」

 烏丸の89式小銃の銃口が、すでにプロヴォルヌイに向けられている。
セレクターレバーは、3点バーストにあわせている。狙いは…
「烏丸、撃て!」
夢水の叫び声。ついにその瞬間が来た。
 烏丸は、トリガーにかけられた指を引いた。烏丸は、夢水の命令から射撃まで長い時間が経っているような気がしたが、
実際には一瞬のことであった。
 銃口から放たれた5.56ミリNATO弾は3発。1発目は、プロヴォルヌイの肩の部分の装甲に阻まれた。2発目は当たりもし
なかった。3発目は、背部に搭載されている9K38対空ミサイルのポッドに命中した。

 プロヴォルヌイの背部で、小爆発が起こる。9K38の弾頭か推進剤に引火したようだ。
その小爆発は、プロヴォルヌイの動きを一瞬、止めた。本当に一瞬であったが、堺と宮下が、負傷した米田を救助するには
十分な時間であった。2人に引きづられ、米田は陣地に連れ戻された。

120 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/10/09(日) 01:19:13 ID:???
 夢水の班8名のうち、戦闘可能な7名の火器が一斉に火を噴いた。89式小銃6丁に5.56ミリ機関銃MINIMIが1丁。
だが、弾丸がプロヴォルヌイの装甲を貫くことはなかった。
「総員、待避!」
夢水が叫び、部隊が後退する。そして、プロヴォルヌイが7.62ミリ弾を撒き散らしつつ、彼らを追い始めた。
「ダメだ!小銃弾は効かない!通信手!小隊長に手榴弾の使用許可を求めろ」

―首相官邸 危機管理ルーム
「自衛隊がソ連部隊と戦闘ですって!誰が許可したんですか!」
ようやく首相官邸に姿を表した官房長官、福山であった。
「第25連隊、第1中隊長です」
答えたのは石場だ。
「いったい、なんの権限があってのことですか!」
福山は怒っていた。
「総理。緊急です。第25普通科連隊司令部が手榴弾および対戦車無反動砲の使用許可を求めています」
コンピューターの前に座っているオペレーターが報告した。
「現場の指揮官は、自分達の判断を超える問題であるので、官邸から許可を貰いたいと」
「あたりまえです」
福山だ。
「法的には、災害出動の段階だからなぁ。なにか手榴弾を使う合法的解釈はないのか?」
福山と同時に官邸入りした官房副長官だ。
「無理ですよ」
答えたのは防衛庁の法務官である。
「災害出動内での武器携帯からして、拡大解釈によるものでして。これ以上、広げると法律を有名無実化することになる。
ここは治安出動なり防衛出動なり、総理のご命令が必要であると判断します」

121 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/10/23(日) 00:44:25 ID:???
―シーゴースト 発令所
「今、指揮権握ってるのはあなたでしょう?出動命令を下さい!」
 大隊長のテトラが、現地人との交渉に向かった現在、艦内に残る部隊の指揮を執っているのは
強襲戦闘中隊中隊長のアーサー・エヴァンス中尉である。
 それに食い下がっているのは、突撃中隊中隊長、フランシスコ・ティトー中尉だ。
「状況が考えれば、今こそ出動の時。待ってるだけじゃ任務は遂行できません」
「ティトー中尉。我々はここで待機を命じられている。緊急時以外に勝手に動くわけにはいくまい」
「今こそ緊急事態じゃないですか!」
「待機だ。これは命令だ。指揮官のな」
「指揮官?所詮、あいつは技術屋でしょ。戦場のことなんて…」
次の瞬間、アーサーは、ティトーの胸倉を掴んで叫んだ。
「なにがあろうと、大尉が我々の指揮官だ!奴の命令は絶対だ!誰か、大尉と連絡をとれ」

122 :名無し獣@リアルに歩行:2005/10/26(水) 03:59:55 ID:qn1W4zZN
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20030324301.html
http://homepage2.nifty.com/cosmos22/sakusaku/3_1.htm
http://www.itmedia.co.jp/news/bursts/0012/08/21c.html
http://www.aquarius.co.jp/aquarius/report96/rp960411.html
http://www.geocities.co.jp/Bookend/7075/denjiha.html


123 : ◆UM.U7I92ho :2005/10/26(水) 06:11:36 ID:tC9yvoe2


124 :名無し獣@リアルに歩行:2005/11/05(土) 10:12:20 ID:???


125 :名無し獣@リアルに歩行:2005/11/13(日) 04:30:20 ID:???


126 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/11/17(木) 22:25:26 ID:???
―陸上幕僚監部 調査部別室 通称<チョウベツ>
 その組織は、忠実の歴史上では2005年現在には「情報本部」と呼ばれる事になる機関だ。
1985年の大韓航空機撃墜事件で、その秘められた諜報能力の一部を世間に知らしめたが
それ以来、沈黙を保っていた。
 その恐怖の予兆を最初に掴んだのは彼らだった。

 彼らの収集するのはは、おもに仮想敵国の使用する通信などの電波情報であり、全国各地
に建造された大型アンテナ群は常時、日本周辺の電波を捉えていた。
 彼らが今、注目しているのは極東ソ連軍の暗号電波である。極東ソ連軍は、北海道は紋別に
ゾイド…その大型船舶の乗員の主張するところ…なる物体が出現した以来、その動きを活発化
させていたが、紋別にソ連軍特殊兵器部隊が上陸して絶頂に達した。
 その時だった。新たな周波数が現れた。クレムリンが全軍向けの命令を発する時に使うものだ。

「ソ連軍は本気なの?」

 女性主任、瀬川冴子1等陸尉は、暗号を解読したものを渡されて青ざめた。

<ソ連全軍に対して第1級臨戦態勢を命ずる>

 そして、それは全世界に波及することになった。

127 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/11/18(金) 00:04:55 ID:???
―紋別市運動公園陸上競技場
「衛生班!」
なんとか競技場の中に逃げ込んだ烏丸の小銃班であったが、決して安全ではなかった。
撃たれた米田の身体からは、血がドクドクと流れ出ていた。応急処置を施したものの、流れが止まる気配はない。
「畜生、なんでですか。なんで、なんで、やられたのに何もできないんですか?
 なんで対戦車砲が使えないのですか?政府は我々に死ねって言ってるんですか?」
宮下の顔はいまにも泣き出しそうであった。米田の傷口を抑える手は真っ赤に染まっている。
「畜生、なんで、なんで…」

「バカヤロー」
夢水の鉄拳が宮下の顔に直撃した。宮下は、その衝撃に倒れたまま動けなくなった。
「常に足枷があるのが戦争ってもんだ。いいか、その中で、与えられた状況の中で、任務を遂行するのが俺たちの
 仕事だ。ガタガタぬかす暇があったら、この状況を何とかする方法を考えるんだ」

その時、米田の口が動いた。

「なぁに…俺が死ねば…政府も動かざるえない…」

「米田…」

「アカの糞どもめ…確かに自衛隊は演習の為の軍隊かもな…だが…日本人は絶対に許さない…
 侵略者を…同胞を殺したものを…」
次の瞬間、米田の口の中からドバッと血が吐き出された。
「俺が死んだ時こそ…始まりの時だ…27万自衛隊の…いや、1億2000万の日本人の・・・目覚める時だ…」

言い終えると米田は意識を失った。再び目覚める事はなかった。


128 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/11/20(日) 18:02:37 ID:???
<KIA(戦死者)1名です。米田がやられました>
認めたくない現実。だが、どうしようもない現実。
夢水の報告に、鵜飼は何も答える事ができなかった。
<小隊長。もう限界です。せめて手榴弾の使用許可を>
「だめだ。上の許可が出ていない」

―首相官邸 危機管理ルーム
「で、死者は1名でいいんだな…」
和泉総理は握られた拳は震えていた。
「はい。普通科連隊に死傷者が出ました」
石場はできる限り落ち着いた声で答えた。
「それで現地部隊から重火器の使用許可を求める声が…」
「決断するべき時が来たのかもしれないな…」

―現地本部
 道警本部長の松岡もまた決断を迫られていた。
「本部長。ソ連軍が接近しています。ただちに撤収を!」
「いや。ここで逃げ出したら、このゾイドなる物体はどうなるのです?こんな奴らを野放しにするつもりですか?」
相反する意見を口にする部下を前に、松岡は何も言えなくなっていた。
 ホエールキングを前に陣取る現地本部。そこに侵入する一人の男がいた。
「大隊長!」
ジョン・スミシー少尉であった。

129 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/12/19(月) 21:31:34 ID:???
「こんなところで何やってんの?待機と命令した筈じゃ」
「大尉殿。いまは緊急事態です。皆、あなたの命令を待っています」
スミシーの切羽詰った話し方に、テトラはなにも言えなかった。
「とにかく、戻ってください」
スミシーはそう言うと、テトラの腕をつかみ、無理やりホエールキングに連れて行こうとした。
「ちょっと待て!話はおわっとらんぞ」
松岡がテトラを連れて行こうとしてスミシーを止めた。
スミシーは、松岡の手を振り払って叫んだ。
「うるさい。言いたい事があるならついて来い!」

―紋別市内
 鵜飼は、夢水や烏丸達のもとへと急いでいた。その手には、巨大な筒のようなものが握られていた。
ついに事態が動いた!
「まってろよ」

―紋別市運動公園陸上競技場
 公園内に侵入したプロヴォルヌイは、頭部を左右に振りながら前進していた。
ウシャコフは赤外線監視装置を使い、逃げ込んだ自衛隊員を探していた。
「出て来い。蜂の巣にしてやる」
 プロヴォルヌイが、二つに建物に挟まれた通路に入った。
刹那、建物の陰から何かが現れた。烏丸だ!
 烏丸は、手にもった手榴弾のピンを抜くと、野球ボールを投げるかのようにそれをプロヴォルヌイに
向けて投げつけた。
 しまった!
 ウシャコフがそう思ったときには遅かった。二つに建物に挟まれ、逃げる事ができないのだ!
 プロヴォルヌイの足元で手榴弾が爆発した。

130 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2005/12/19(月) 22:03:09 ID:???
 プロヴォルヌイは爆発の衝撃で、倒れた。
 ゾイド生命体の力で絶妙なバランス感覚を誇るプロヴォルヌイであるが、外部情報をソ連製の光学
機器とパイロットに頼る故、外部からの圧力に対しては弱かったのだ。
 それでもウシャコフは30ミリ機関砲の発射ボタンを押し、反撃を試みたが、手榴弾を投げた兵士=
烏丸はすでに建物の陰に消えていた。
「ちっ。すぐに体勢を整えねば」
 プロヴォルヌイを起こそうと、ウシャコフが操縦桿を引いた時、別の一団が後方監視カメラのモニター
に移った。1人は筒状の物体を肩に担いでいる。
「畜生!」

「まさに絶好のタイミングだ!」
鵜飼は筒状の物体、スウェーデン製81ミリ対戦車無反動砲<カールグスタフ>、を構えた。
現在の主力戦車の正面装甲を貫くには力不足の感があったが、ソ連の技術力でゾイドの絶大な機動
性能を実現する為に極端な軽量化が施されたプロヴォルヌイには致命的であった。
 プロヴォルヌイ目掛け一直線に飛んできた対戦車榴弾は、胴体の薄い装甲をいとも簡単に突き破り
その中枢を襲った。弾頭の炸薬が爆発し発生した高圧ガスがゾイドコアを焼き、その生命を奪ったのだ。
 自衛隊が、ソ連製の劣化バージョンとは言え、ゾイドコアを内蔵した正真正銘のゾイドを初めて撃破した
瞬間だったが、それを知ることになったのは、もう少し後のことである。

〜〜ロン先生の兵器講座
ロン先生「アクラ級原子力潜水艦。
     全長115m、水中排水量9100t、出力45000馬力、最大速力32ノット!
     鋼の船体と魚雷管8門を持ち、核ミサイルも搭載可能な冷戦末期のソ連海軍の主力を担う攻撃型原潜だ!」
ミィ様「丸焼きにしてやるんだからぁぁ〜」
ロン先生「これをかい…メルトダウンの危機が…」

131 :名無し獣@リアルに歩行:2006/01/19(木) 05:57:11 ID:???
良スレなのに凄い過疎だな。

132 :名無し獣@リアルに歩行:2006/01/20(金) 23:29:19 ID:m8GGuVtj
唐揚

133 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/01/28(土) 22:05:42 ID:???
―調査部別室
 ソ連軍の臨戦態勢は周辺国に多大な衝撃を与えることになった。
特に大きな影響を受けた国は隣国中国だ。中国は、ソ連と同じ共産主義陣営の国であるが、フルシチョフが
平和強調路線をとって以来、中ソ関係は冷え切っていた。1969年には、国境線を巡り武力衝突に発展したほどだ。
そんな中国がソ連の行動に警戒するのは当然ことである。
 チョウベツの傍受アンテナが捉えたのは、国境線に接している中華人民解放軍瀋陽軍区4個集団軍に対する
出動命令であった。遼寧省に配備された3個機械化師団、1個装甲師団などの部隊が国境線に向け移動を開始した。

「人民解放軍全軍に対して臨戦態勢が発令されました」

 通信傍受を担当している部署から派遣されている連絡員が冴子にそう伝えた。

「だとすれば、中国に接している国も動かざるえないでしょうね。最悪の展開だわ」

 その最悪の可能性はすぐさま現実になった。
 「洋上での警戒行動を命ずる」という総統命令を受けた台湾海軍艦隊が軍港を出撃したのは、ベトナム軍の歩兵師団が
中越国境線付近に展開したのとほぼ同時、冴子に「中国軍臨戦態勢」の情報が知らされてから1時間後のことであった。

―紋別砂浜
 上陸したソ連軍は砂浜をホエールキング目指し一直線に進んでいた。

「ウシャコフ少尉の機体はどうした?」

部隊の指揮官である少佐が部下に無線で尋ねた。

「さぁ。さっきから連絡がとれません」

「そうか・・・。だが、まぁいい。目標だ!」

隊長機の赤外線監視装置が、砂浜の上のホエールキングを捉えた。

134 :名無し獣@リアルに歩行:2006/01/30(月) 21:16:40 ID:q+JDGMRz
ちょwwwwwwこのスレおもすれーww
だけど過疎ってるな早く職人SS書いてくれ

135 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/02/04(土) 21:10:18 ID:???
―シーゴースト 発令所
「出撃を許可してください」
テトラに食い下がっているのは、相変わらずのティトーである。
「あの機体には間違いなくゾイドの技術が使われています。調べなけねば」
「我々が時空の彼方にいるという事を忘れないで下さい。ここで下手に動けば、惑星Ziにどのような影響を及ぼすか」
テトラはあくまでも反対の姿勢だ。
「我々の任務はあくまで実験大隊の救出、回収です。これはあくまで現地人同士の戦闘です。介入するわけには…」
そのときだ。艦側面にある監視カメラをモニターしていた乗組員が叫んだ。
「敵です!」

―道警 現地本部
 相変わらずホエールキング・シーゴーストの前に居座る道警警官。
「きましたね」
「あぁ」
 松岡は初めて見る敵を前に圧倒されていた、が、逃げるわけにはいかない。
「警察の威信にかけてな。構え!」
 松岡の号令。最後まで残っていた警官達が一斉に拳銃を構えた。
 その時だ。敵機…プロヴォルヌイが奇妙な行動にでた。腰をおろし、前足を地につけ、四つん這いになった。
「なんだ…」

 プロヴォルヌイ操る操縦士は、照準用モニターの十字線を警察の現地本部に合わせた。
ソ連邦の技術の粋を集めた射撃システムは東側の中でも特に高性能なコンピュータを使用しており
その基部には、東ドイツ製の優秀な電子部品が大量に使われていた。
 優秀な索敵システムに自動追尾装置が組み合わされ、カセトカ自動装填システムにより1分間あたり4発
装填される弾を、装甲する目標に連続して当てる事ができる。
 警官に使うにはあまりにも豪華な装備だ。

136 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/02/08(水) 00:03:34 ID:???
 ドォン

125ミリ滑腔砲が放たれ、榴弾が警察陣地のど真ん中に命中し、炸裂した。
炸薬が爆発し、高温高圧のジェットが警官達を襲う。燃え上がり、吹き飛ばされ、地獄絵図とはこのことだ。
警官達は近代兵器の威力を前に逃げ回ることしかできなかった。
もはや、警察隊は統制ができなくなっていた。

―シーゴースト 発令所
「副長!」
マクマレンは、射撃指揮所に詰めていた水雷長兼務の副長を呼んだ。
「なんでしょうか?」
「総員戦闘配備。対地戦闘用意」
マクマレンが戦闘を決意した瞬間だった。
「まってください!」
テトラがマクマレンに詰め寄った。だが、マクマレンはいたって冷静だ。
「なにをする気ですか!」
「戦うんだ。敵の狙いはこの艦だ。やらねば、やられる。副長!右舷(みぎげん)砲撃用意!」
いつのまにか発令所に下りてきた副長が、オペレーターに指示を飛ばす。
「砲術長。右舷(みぎげん)、720エレクトロン、撃ち方用意!」
さらに通信機…相手は射撃指揮所のボイジャーだろう…に向けて叫ぶ。
<撃ち方用意よし!!>
「歴史を変える気ですか?」
テトラはまだ食い下がるが、マクマレンは動じない。
「大尉。君も指揮官なら、歴史より部下の事を考えろ。攻撃開始!」
「攻撃。右舷(みぎげん)、敵ゾイド部隊。撃ち方はじめー!」
副長の号令。
<てぇー>
ボイジャーの叫びととみに、右舷の720ミリエレクトロンキャノン4門が放たれた。

137 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/02/14(火) 23:25:44 ID:???
ちょっと、おかしいなと思い訂正
―シーゴースト 発令所
「副長!」
マクマレンは、射撃指揮所に詰めていた水雷長兼務の副長を呼んだ。
「なんでしょうか?」
「総員戦闘配備。対地戦闘用意」
マクマレンが戦闘を決意した瞬間だった。
「まってください!」
テトラがマクマレンに詰め寄った。だが、マクマレンはいたって冷静だ。
「なにをする気ですか!」
「戦うんだ。敵の狙いはこの艦だ。やらねば、やられる。副長!右舷(みぎげん)砲撃用意!」
いつのまにか発令所に下りてきた副長が、オペレーターに指示を飛ばす。
「対地戦闘用意。目標を確認せよ!」
さらに通信機…相手は射撃指揮所のボイジャーだろう…に向けて叫ぶ。
「砲術長。右舷(みぎげん)、720エレクトロン、撃ち方用意!」
<撃ち方用意よし!!>
「歴史を変える気ですか?」
テトラはまだ食い下がるが、マクマレンは動じない。
「大尉。君も指揮官なら、歴史より部下の事を考えろ。720エレクトロン攻撃始め!」
「攻撃。右舷(みぎげん)、敵ゾイド部隊。撃ち方はじめー!」
副長の号令。
<てぇー>
ボイジャーの叫びととみに、右舷の720ミリエレクトロンキャノン4門が放たれた。

138 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/02/14(火) 23:26:52 ID:???
 伏せの姿勢で射撃状態をとっているプロヴォルヌイにシーゴーストの攻撃が襲い掛かる。
「ようやく反撃か…回避!」
 ソ連軍の指揮官は当然それも想定の範囲内と、操縦席の上部に備え付けられたレバーを引いた。
これは緊急回避用のシステムで、敵の弾道を予測して、適切な方向へ回避するのだ!
 ゾイドコアを活性化させ、機械生命体の能力を最大限に引き出してのジャンプにより、敵の攻撃を
確実に回避するが、脚部に過大な力がかかるので、多用はできない。
「散開しろ、機動力で翻弄し、四方から攻撃するんだ!」

―シーゴースト 発令所
「ターゲットサバイブ!ダメです。敵は散開…包囲されます!」
副長はいまにも泣き出しそうな顔になっていた。
「この艦はあくまで航空ないし潜航時に最大の能力を発揮するようになっております。
このように地面にへばりついた状態では…敵が機動力を駆使して攻めてきたら…」
もはや、選択の余地は無い…
「大尉…」
 アーサーだ。
「部隊を守る為です。陸戦部隊に出動命令を…」
「しかし…」
テトラはあいかわらず曖昧な返事を繰り返す。
「アボロス大尉…あなたが、全員の命を預かっているという事を忘れないように…」
アーサーの止めの一言が、テトラに決断をさせた。
「分かりました。陸戦部隊はシーゴースト防衛の為、展開してください」
「ありがとうございます」
アーサーは頭を下げた。
「ただし…武力の行使は必要最低限度の範囲内でお願いします」

139 :名無し獣@リアルに歩行:2006/02/16(木) 01:20:45 ID:???
ついにソ連ゾイドvs共和国ゾイドか?

140 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/03/11(土) 23:22:12 ID:???
 鵜飼や烏丸ら第1小隊がプロヴォルヌイを1機撃破した頃、第2小隊は浜辺のホエールキング・シーゴーストのもとへ向かっていた。
 彼らは小銃の他、総理からの特例措置が出たので、カールグスタフ無反動や110ミリ対戦車榴弾パンツァーファウストVを持っていた。
「なんということだ」
 第2小隊長、国友3尉は目標へ向かって移動中の国道236号でおもわず叫んだ。
 国道236号線沿いは壊滅状態である。食品工場も食肉センターもダンボール工場も破壊されている。見慣れた筈の街の惨状を目の前
に隊員達はなにも言えなかった。
「あの方向から轟音が!」
 先頭を行く陸士が、市営牧場の向こうを指差した。
「よし。急ごう」
 その時、すぐ横の建設会社の建物の壁が吹き飛び、建物の中からプロヴォルヌイの頭部が現れた。
「敵襲!」
 一斉に小隊の小銃が放たれる。国友は通信士をつかまえて叫んだ。
「増援を要請しろ!」
「はい。こちら、2-0。敵襲を受けた。助けてくれ!オクレ!」
<こちら1-0。すぐに援護に向かう。現状知らせ。オクレ!>
 通信士の様子を見守る国友は、噴射音とともに、なにかが白煙とともにプロヴォルヌイのもとへ向かっていくのに気づいた。誰かが110
ミリ対戦車榴弾を発射したのだろう。携帯式の使い捨てランチャーは命中すれば、絶大な威力を発揮する筈であるが、プロヴォルヌイは
軽く身体をくねらせると、簡単に避けてしまった。なんという、運動性能だろうか…
「やばい…」
 こちらに向けられる銃口。国友は死を覚悟したその時、突然、紅い閃光がプロヴォルヌイの前を走ったかと思うと、プロヴォルヌイの頭部
が無くなっていた。国友が閃光の向かった方向に目を向けると紅い巨大な狼…ソードウルフの姿を確認できた。

〜〜ロン先生の兵器講座
ロン先生「P-3Cオライオン。アメリカが作りあげた世界最強の対潜哨戒機だ。対艦ミサイルや魚雷を搭載、攻撃力も抜群だ。」
ミィ様「はぁい、ロン。タコ焼き*よ〜」
ロン先生「ありがと〜(食す)アチー!」

*タコ=TACO=タクティカルコーディネイター。哨戒機の指揮官であり、対潜作戦の全責任を負う。
 本編では、P-3C<ポセイドン14>の谷口1尉がこれにあたる

141 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/03/25(土) 21:51:20 ID:???
偵察部隊を兼ねる高速戦闘隊はいつでも出撃できる態勢であったので、まっさきに出動した。
「いけぇぇ」
レンは愛機のブレードライガーのコクピットの中で叫んだ。目標は、目の前にプロヴォルヌイ。
 プロヴォルヌイは、迫り来るレーザーブレードを避けるべく、横に動こうとしたが、その動きはレンが海兵隊練兵場で戦った
教官のゴトスよりもいくらか遅かった。
「逃がさない!」
 レンはロケットブースターをフルパワーで噴射し、逃げるプロヴォルヌイを追いかけた。
レーザーブレードがプロヴォルヌイの身体に触れ、次の瞬間、プロヴォルヌイは真っ二つになった。
 レンのライガーが砂浜に着地した瞬間、弾薬が誘爆を起こし、二つの物体がコナゴナに吹き飛んだ。
「やった…初めての…」
 初めての戦闘。そして初めて敵を殺した。その瞬間、興奮しきっていた頭が突然、冷静さを取り戻した。
「そうか…初めて殺したんだ…」
 しかたないことだ。そう心で繰り返しても、わだかまりは消えない。
<大丈夫か?>
 先ほど、逃げ出したプロヴォルヌイを追いかけていった筈のパウル少尉のソードウルフが目の前に居た。
<こっちは処理した。あと何体だ?>
「さぁ」やっぱりまだまだ素人だと、レンは自嘲した。敵部隊の動向を常に把握すべし。目の前の敵のみに集中してしまっていた。

「あと、4体!3体を確認した」
 いつのまにかホエールキングの背中の上に乗っているフランシスコ・ティト−とのその部下と彼らの愛機。
 3体のディバイソンは、105ミリ17連突撃砲の照準を敵ゾイド3体に合わせた。
「逃げるつもりか?背中見せるとは愚かな…」
 残る3体のプロヴォルヌイは、母艦のいる方向に向かって浅瀬を走っている。
「ファイヤー!」

142 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/03/25(土) 22:14:02 ID:???
 105ミリ砲から放たれたHEAZ-MP(多目的対ゾイド榴弾)は、逃げる3体のプロヴォルヌイに殺到した。
海面にいくつもの水柱が立ち、プロヴォルヌイの身体の表面にも大規模な爆発がいくつも起こる。

 なんという破壊力だ!

 96式に乗り、第2小隊の応援としてかけつけた烏丸は思わずそう叫びそうになった。
それほど凄まじい光景だったのである。これで全部か?その時、砂浜と市営牧場の境となっている林*の木々が揺れているのに気づいた。

 敵はどこだ。残るは一体。レンはセンサーに意識を集中させていた。その時、警報が鳴った。
「後ろか!」
 やられた。後ろからプロヴォルヌイが飛び掛っている。いくら相手が機動性ではるかに劣っているとは言え、この距離なら逃げられない。
 その時、横から一筋の煙がプロヴォルヌイに吸い込まれていくのが見えた。煙は、プロヴォルヌイに接触した瞬間爆発した。
プロヴォルヌイはその衝撃で、バランスを崩し倒れた。今だ!
 次の瞬間、ライガーの顎がプロヴォルヌイの頭部を捕らえた。金属物が擦れる嫌な音とともにプロヴォルヌイの頭部は砕け散った。
「助かった」
 あの煙の正体は?煙が来た方向にライガーの頭部を向けると、一人の男…若い兵士…と言ってもレンほど若くはなさそうだが…が
大きな筒を構えて立っていた。おそらく、ロケット砲か何かだろう。レンはその若い兵士に助けられたのだ。

 若い兵士…烏丸は、敵が動かなくなったを確認すると、構えたままのパンツァーファウストVを地面に置いた。
「やった」
 その時、蒼いライオンがこちらを見ていることに気づいた。ライオンの頭部は、戦闘機のようなキャノピーに覆われ、中に人が乗っている。
これも敵だろうか?いや、味方だろう。よく分からないが、そんな風に感じた。

143 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/03/29(水) 15:50:25 ID:???
―首相官邸危機管理ルーム
「首相、現地部隊からの報告です。侵入した敵部隊を全て撃破。例の謎の航空機に搭乗していた部隊と協力したと」
オペレーターがプリントアウトしたばかりの書類を見ながら言った。
「謎の部隊?」和泉が首をかしげた。
「現地の詳しい状況は?」こちらは防衛庁長官の石場だ。
「まもなく偵察航空隊のRF(偵察機)の撮影した航空写真が届きます。正面画面に注目してください」
これまで日本周辺国の地図と各国軍の動向が表示されていた正面画面の映像が変わり、かわりに航空写真が写された。
それには、破壊されたプロヴォルヌイと漂着した巨大鯨の周りを守る巨大な四足獣の姿が映っていた。
「これが謎の部隊ですか?」福山官房長官が信じられないといった表情で叫んだ。

―北朝鮮 平壌 人民武力省中枢
 その男、アン・ヨンチョル将軍は人民軍の最高幹部であり、指導者である<太陽のような将軍様>と直接対談する資格を有する人間の1人だ。
「北海道での戦闘が終結したのだな?」
「はい。北海道に潜伏中の同志が報告してきました。同志将軍閣下。これで緊張状態は終結するのでしょうか?」
「我々が憂慮すべきは、この事件を口実に、アメリカ帝国主義が我が共和国の壊滅を狙った軍事行動を起こすかもしれないということだ。
 同志よ。南の傀儡政府の動向を十分に監視するのだ。私は、我らが偉大なる指導者と話し合い、今後の対応を決定する。
 ただちに全軍を臨戦態勢に移行せよ」
「はっ!」
 北朝鮮が戦闘準備を整えようとしていた。

―調査部別室
 冴子達も偵察機の撮影した写真をもとに謎の部隊の分析を開始していた。その時だ。
「瀬川1尉。大変です!見てください!北朝鮮の暗号通信を解読したものです」
「<全歩兵及び砲兵部隊に対して非常召集を命じる>…北が戦闘態勢を入った…」
「韓国政府も戒厳令を布告。このままでは朝鮮戦争の再来ですよ!」
 戦闘は終わって、極東情勢は依然として緊張状態…さらに酷くなっていった。

144 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/04/05(水) 00:03:12 ID:???
―内閣情報調査室
 内調室長、瀬川守は渡された資料を見て苦い表情をしていた。
「もう、ここまで波及したか」
 モンゴル、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、フィリピン。各国が臨戦態勢をとっている。
「室長、それだけじゃありません。先ほど入った情報によれば、パキスタンが核弾頭搭載の弾道弾をセットアップしたと」
「なんだと!」
「おそらく、インド軍がカシミール地方の部隊を増強した事に対する牽制でしょう。インドも核ミサイルをセットアップして
対抗することになるかと…」
 恐怖の総和は、東南アジアにも広がりつつあった。隣国が臨戦態勢に突入すれば、自国への波及を恐れて戦闘態勢をとる。
恐怖の連鎖反応はとどまる事を知らず、この会話から1時間後には、インドネシアが第1級警戒命令を全軍に発したと同時に
インドネシアを第1の仮想敵国を見ているオーストラリアが、空軍に虎の子の戦闘爆撃機F-111の発進を命じた。
 オーストラリア軍の広報官は、あくまでも訓練であると主張したが、それはインドネシアをはじめとする東南アジア諸国への
威嚇である事は明白であった。

―紋別
 紋別の空には、まだ星が光っていたが、東の空は青みをおびていた。
 中隊本部付の73式小型トラックで沖3佐で、ホエールキングが漂着した砂浜を訪れていた。
「これが、総ての元凶か」
 まだ、ソ連軍の襲撃からさほどたっていない。破壊されたソ連軍機はまだ燃えている。そして、その炎に照らされながら
紅い狼に黒い牛…それは常識を超えた大きさ鋼の身体を持っている…が紅の鯨を守っていた。
 ホエールキングの中から1人の女性が現れた。報告にあった指揮官か・・・沖は敬礼して声をかけた。
「日本国陸上自衛隊3等陸佐、沖忠雄。第2師団第25普通科連隊第1中隊指揮官です」
「ヘリック共和国軍大尉、テトラ・アボロス。第155臨時大隊指揮官です」
テトラも敬礼を返して、答えた。
「ご同行願いますかな?大尉」
「はい」
 2人は73式小型トラックに向かって歩き出した。

145 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/05/06(土) 00:11:07 ID:???
 紋別上空には報道のヘリコプターが乱舞していて、煙がもくもく立ち昇る市街の悲惨な光景を撮影していた。
「現在、紋別上空に来ております。市内各所では火災が発生し、煙が立ち昇っている…温泉みたいだなぁ」
 上空の報道記者がそのような不謹慎な事を呟いている間も、市内では懸命な救出活動が続いていた。

 レンはブレードライガーを降りた。久々の地面、だが、懐かしんでいる暇は無い。レンはホエールキングを囲んでいる兵士達の
もとへ進んだ。見つけた…あの人だ。
「すみません」
 レンは勇気を振り絞って、その人物に声をかけた。もしかしたら、その場で射殺されるかもしれない。
自分がいかに危険な状態にあるか理解していたが、レンはそれでも声をかけた。
「なんでしょうか?」
 烏丸は突然の声をかけられて、驚きながらも答えた。
「共和国陸軍伍長、レン・アルハイムです。さっきは助けていただき、ありがとうございます」
 そう言うとレンは見事な敬礼をした。
「えっ」
 烏丸は一瞬わけがわからなくなったが、なんとか思い出した。
「あの蒼いライオンの…」
 まさかこんな若い少年が操縦していたのか…
「こちらこそ。陸上自衛隊陸士長、烏丸俊一郎です…同階級ということでいいんでしょうか?」
 こんな若いのと同じ階級だなんて…烏丸は少し悔しかった
これがレンと烏丸の最初の出会いだった。

146 :名無し獣@リアルに歩行:2006/06/04(日) 04:39:02 ID:6I8KO1RN
そして惑星ずぃーに地球人が来ることは無かった。



            完

147 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/08/02(水) 20:57:41 ID:???
久々に投稿

 その光景を写真に収める者がいた。シャッターの音でその存在に2人が気づいた。
記者か、と思い、音源の方向に視線を動かした烏丸は、迷彩服…すなわち同業者、自衛官の存在を確認した。
「あのー、そちらは例の謎の部隊の〜」
 軍隊らしかぬ慈愛と優しさに満ちた女性の声。
「あっ、すみません。私は301映像写真中隊の2等陸曹、成瀬栞です」
 第301映像写真中隊、通信団隷下のテレビ部隊か…その2等陸曹…2等陸曹!
 上官じぇねぇか!
「失礼しました。第25普連、陸士長、烏丸俊一郎であります!」
「いえいえ。失礼なのはこちらですから…案内してくれますか?」
「よろこんで」
 その時、成瀬が気がついた。警察の張る封鎖線の外からこちらを見る黒ずくめの女。
だが成瀬には自分が果たすべき任務があった。だから、その女の事はすぐさま頭の片隅に追いやられた。

−陸上自衛隊 遠軽駐屯地
 沖は連隊長、仁科1佐に何時にもまして真剣な表情で臨んでいた。
「今回の出動の責任は全て私が負うものでありまして…」
「まったくだ。災害出動を拡大解釈し、武器携行、しかも実力行使だ。貴様の行動により自衛隊への信頼は
失われた。高くついたな。で、その責任というのはこれか?」
そう言うと仁科は、机の上に置かれた「辞表」と書かれた封筒を手に持った。
沖は返事をする代わりに深く頭を下げた。
「だが、重火器の使用が総理の認可付なのも確かだ。これの意味がわかるか?」
仁科の口調が変わった。続いて紙が裂ける音。頭を上げた沖が見たのは、バラバラになった辞表だった。
「総理、いやそれだけじゃない。長官、統幕長、陸幕長、方面総監、師団長、そして俺。
全員が覚悟を決めたよ。お前と一緒に地獄へ行く覚悟をな」

148 :名無し獣@リアルに歩行:2006/09/11(月) 21:07:05 ID:???
久々にご進言をば。

>145
>伍長⇔士長
伍長は旧陸軍の職業軍人の最下位階級だから、徴兵相当たる士長より上の階級と思われ。
今の自衛隊の階級で言えば伍長=3曹の筈。士長相当は・・・兵長?

149 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2006/09/12(火) 20:48:51 ID:???
>>148
ご指摘ありがとうございます。

いや、本当、我ながらテキト−だなw

150 :名無し獣@リアルに歩行:2006/10/12(木) 05:30:15 ID:???
150

151 :名無し獣@リアルに歩行:2006/11/06(月) 19:52:47 ID:???
米軍、兵器の新カテゴリーを構想中

 複数の情報筋から、米軍が構想中の兵器に、まったく新しいカテゴリーのものが含まれることが明らかとなった。

 この兵器は、米軍が進める、軽量の装備を有する展開性の高い部隊へと転換していく構想に対応するものとして考案された。
 最も目を引くのは、従来の兵器とは違って「脚」を装備し、それによって移動するという点である。
これは、イラク戦争の戦訓から、歩兵の支援のため市街地のような入り組んだ地形で装甲戦闘車両を運用することを念頭に置いたためだとされている。
また、大規模な施設の内部での運用も考えられているらしい。
 装備面で特徴的な点は、レーザー火器の全面的な採用である。従来の砲弾は、その弾薬の補給が大きな負担となるが、レーザーであれば弾薬補給の必要はない。
この兵器に限ったことではないが、米軍は将来的には各種兵器への補給手段として、マイクロ波を利用した人工衛星からの電力の供給を考えている。
この方式を採用すれば、電力で動く装備には燃料を車両・鉄道等で運搬して届ける必要がなくなる。
装備部隊の展開性を高めるための選択である。しかし、火器の構造が複雑化すれば、その分整備補修の負担が大きくなるのではないかという疑問が生まれるのは当然である。
この点に関しては、ナノマシンを利用した「自己修復機能」により対応するとされている。
「脚」という複雑な、つまり整備補修の負担の大きい駆動装置の採用にも、この「自己修復機能」が関係している。
また、この兵器のような高度な技術が使用されている装備の整備補修には、教育レベルの高い整備要員が不可欠であるが、そのような人員の教育の手間を軽減することも狙っている。
高度な技術を投入された兵器は、そのままでは多くの教育レベルの高い整備要員と高度な整備設備を必要とし、それを展開地に派遣すれば、
それらを警護する人員、さらにその増えた人員の生活必需品や装備の補給と、等比級数的に部隊規模が大きくなってしまい、展開能力に悪影響を与えるのである。
さらに、F-22に装備されているような、自己診断システムも発展させて盛り込まれる。
なお、一部の関係者によると、高度な教育レベルの整備要員の確保は、経済的に豊かな層からの徴兵の増加を招くため、そのことによる政府への反戦圧力の高まりを防ぐという目的もあるという。

152 :名無し獣@リアルに歩行:2006/11/06(月) 19:55:23 ID:???
 また、アクティブディフェンスの全面的な採用がなされている。
現用の主力戦車は、前面からであれば、一線級兵器からの射撃にも耐え得るが、それ以外の方向からの攻撃では、武装勢力でも装備可能な対装甲兵器によっても貫徹されてしまう。
ところが、低烈度紛争への投入においては、まさしく武装勢力でも装備できる火器を全周において防ぐことのできる防御力が要求されるのである
(近年の兵器見本市等で、市街戦用装備として側・後面の対HEAT弾頭防御力を向上させた主力戦車が提案されるようになっていることは、このことを端的に示している)。
従来型のパッシブな装甲でそのような防御力を達成しようとすれば、重量の大幅な増大は避けられない。いわゆるバードゲージ装甲も、装備するとストライカーの空輸性に悪影響を与えるという教訓が得られている。
また、この兵器は、その想定される運用形態上、行動中近くに味方歩兵がいることが多いと考えられるので、爆発反応装甲の装備もためらわれる。
このため、アクティブディフェンスの全面的な採用がなされた。その方式については、誘導妨害、偽情報の送信による誤爆、レーザー火器による迎撃が候補となっており、それらの比較検討が行われる。
一部のロシア戦車に採用されている、爆薬で各部表面に設置されたパネルを飛ばして飛来する弾体にぶつけるという方式が候補に入れられていないのは、補給と、周囲の味方への被害を考慮したためと思われる。
また、やはり周囲の味方歩兵の被害の問題から、誤爆や迎撃を行う距離の長大化が重要な課題とされている。
本体の装甲は、前面において30o砲弾まで、それ以外の面においては14.5o銃弾までに抗堪できる程度が想定されている。
 なお、この兵器については、今のところ構想の初期段階でしかないことからまだ名称は与えられていないようである。
ちなみに、一部ではその形状より、日本のアニメに登場する動物の形状をしたロボットの名前から、「ゾイド」と呼ばれている。

153 :名無し獣@リアルに歩行:2006/11/14(火) 19:44:47 ID:???
軍板から来ました!
独楽犬 ◆aDC37xH6dI さん、面白いですなぁ。
期待です!

154 :名無し獣@リアルに歩行:2006/11/26(日) 20:54:10 ID:hYqL/zOg
うーむ、やや過疎ってるようですな・・。
あげまーっくす!

155 :CDKBUzTs:2006/12/02(土) 18:24:35 ID:???
「ここは何処だ?」
我ながら間の抜けた科白だと思いながらも口に出さずにはいられない
自分達は自由の丘でジーン率いるディガルド軍と対峙し「神(くゎみ)の雷(いかずち)」とかいうふざけた武器で跡形もなく吹っ飛ばされたはずだったのだが…
とりあえず部下の掌握だと通信回線を開く
「こちらスピアヘッド・リーダー、スピアヘッド各隊応答せよ」
「ブルーセクション・ナンバーワン、チェック」
「レッドセクション・ナンバーツウ、チェック」
「イエローセクション・ナンバーフォー、チェック」
ほどなくして第六師団「スピアヘッド」の全員が揃っていることが確認される
師団といっても基幹戦力である機械兵を「解放」してしまったので実働戦力は幹部将校が操るメガラプトル六体と中隊長クラスが搭乗するバイオラプター(隊長機)十二体しかない
「で、ここは何処だろうねえ?」
「何処でしょう?」
「質問を質問で返さないでくれないか」
「憶測でものを言うわけにはいきません」
副官のヒルデ中佐(やり手の重役秘書といった感じの眼鏡美人だ)のいつも通りの素っ気無い対応に突っ込んでいるうちに段々と平常心が戻ってくる
「何か来ます!」
ヴァルノウ准将のメガラプトルを基準にして最も前方に位置するブルー小隊3番機、メイア大尉(童顔巨乳)が警報を発する
モニターに映し出されたそれは箱型の車体の両側に回転する鉄の帯を備えた機械で彼らの知る自走攻城砲に似ていたがこちらは旋回砲塔を備えているうえデザインもはるかに洗練されている
「発砲してきました!」
音より速く飛来した砲弾はだがしかし、驚異の流体金属装甲に掠り傷ひとつ付けることなく弾かれた
「さてどうするか…」
うれしいことに自分達が何処にどうやって跳ばされてきたのか、誰がどういう理由で攻撃してきたのか、一切合切不明ときている
只一つ言えることは実害が無いとはいえ撃たれっぱなしは気分が悪いということだ
「こちらスピアヘッド・リーダー、反撃を許可する。但し攻撃は威嚇に留めなるべく穏便にお帰り願うように」
鋼鉄の捕食者(ラプター)は咆哮をあげ走り出す
南ヨーロッパの小国カルメニスタンの内戦にバイオゾイドが登場した瞬間だった

156 :CDKBUzTs:2006/12/03(日) 08:32:29 ID:???
ヴァルノウ准将の両脇にはヒルデ中佐、カトリン少佐、メイア大尉、セラス中尉といった「スピアヘッド」の “きれいどころ”がずらりと並んでいる
対峙する男達が迷彩服と自動小銃で身を固めているのにくらべると土偶スーツの一団は、辺りを漂う空気が緊迫しているだけに妙に間抜けな図柄だった
「やっぱりランゲ少尉とかの方がよかったんじゃないですか?」
小声でささやくメイア大尉
ちなみにランゲ少尉はブルー小隊4番機のパイロットでいかつい顔とマッチョな肉体の組み合わせは見た目の怖さでタメを張れるのはゲオルグ少将くらいとまで言われる男である
「こういう時は相手を威圧するよりフレンドリーな雰囲気を演出した方がいいんだよ」
素っ呆けた表情で語るヴァルノウ
「で、どうやってフレンドリーな雰囲気を?」
「悩殺…」
吊り目気味の瞳でヴァルノウにキツイ視線を送るカトリン少佐の問いに前髪に隠された瞳をキランと光らせボソッと呟くセラス中尉
「え!…ちょっと!?! そんな!!」
パニクるメイア
「死にますか?」
真顔で聞くカトリンは「スピアヘッド」随一の武闘派でトリガーの前に箱型弾倉を備えた大型自動拳銃−モーゼル・ミリタリーみたいな奴と思っていただきたい−を肌身離さず携行している
「それは無いよ、もっとも今後の展開次第では『一肌脱いで』もらうことになるかも…」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴をあげるメイア
ちなみに土偶スーツの下は言うまでも無く『ぱんつはいてない!!』である
「やはり殺しましょう」
スーツの胸元に手を伸ばすカトリン
「内ゲバ…」
クックックッと笑うセラス
「先方さんが呆れてますよ」
ヒルデ中佐の一言でたちまち場が引き締まる
どうやら実際の力関係はヒルデがトップのようだ
「じゃ、行きますか」
「スピアヘッド」の面々はヴァルノウを中心に一列横隊で歩き出した

157 :CDKBUzTs:2006/12/03(日) 16:40:46 ID:???
「信じられない…」
鳥居松三郎は唖然として呟いた
パソコンとアニメとエロゲーが生きがいのヲタク人生を送ってきた彼が大学卒業を機に何をトチ狂ったのかヨーロッパ漫遊に旅立ったのが半年前
あちこちフラフラしているうちに名前も知らない小国の内戦に巻き込まれ反政府民兵組織のキャンプに軟禁されて二週間ほどになろうかというとき
キャンプから8キロほど離れた山中で見たこともない兵器を操る一団が政府軍の戦車隊を蹴散らしたのだそうだ
で、その連中が使っているのがどうやら日本語らしいというので自分が通訳として引っ張り出されたのだが
テーブルの向かいには土偶スーツを着た二十台後半の苦み走ったいい男、その両サイドにはこちらも土偶スーツを着たそれぞれタイプの違う美女と美少女が二人ずつ控えている
窓の外に目を向ければ銀色に輝くメガラプトルと黒金色に鈍く光るバイオラプター(隊長機)がズラリと並んでいる
「あの、それコスプレじゃないですよね?」
恐る恐る問いかける鳥居松
「それはまだ食べたことは無…」
ゴッ
カトリンの肘撃ちが後頭部に炸裂し顔からテーブルに突っ伏すヴァルノウだったが
「いやここは礼儀としてボケてみせるべきだろう?」
何事も無かったかのように復活する
「お約束…」
ヤクザな笑みを浮かべるセラス
「うちの師団長は人生の97%をおふざけで生きてますが私達はふざけてこんな格好をしているわけではありません」
ヒルデの口調と表情には説得力が在り過ぎる
「じゃあマジでディガルドの人?」
「君は我々の素性を知っているのかね」
ヴァルノウの問いに鳥居松は民兵に捕まったときに押収され返してもらったばかりのパソコン−衛星回線を通じて地球上どこにいてもインターネットが使える優れものだ−を立ち上げ某大手企業の配信する無料動画サイトに接続する
液晶画面に「ゾイドジェネシス」第一話が映し出されると「スピアヘッド」の面々は−大声など一年に一回出すか出さないかというセラスまでもが−驚愕の叫びをあげた
「エェェェェェェェェェェェエ!?!」

158 :CDKBUzTs:2006/12/04(月) 22:35:57 ID:???
衝撃の会見から一週間
現実主義者なのか単に能天気なのか
「スピアヘッド」の面々は異世界に跳ばされたという事実をあっさりと受け入れなし崩し的に民兵組織のキャンプに居ついてしまった
「こちら側」の人間で唯一言葉が通じるという理由で半ば強制的に連絡係にされてしまった鳥居松が見守るなか、セラス中尉はキャンプ内で生活する子供達−ほとんどが内戦で家や家族を失った者達だ−を集め大道芸を披露していた
手品、ジャグリング、軽業はては操り人形まで手を変え品を変えての出し物に久しく笑顔を忘れていた子供達も目を輝かせて歓声をあげている
あいも変わらず能面のような表情で無言のままショウを続けるセラスだったがよく見ると微妙に口元が緩んでいたりする
そんな平和なひとときも山間を縫って接近してきた爆音に中断を余技なくされる
太短い主翼の真ん中から飛び出した胴体と二つのエンジンナセルがそのまま後ろまで伸びてスポイラーで連結された特徴的な機影を見て鳥居松は叫んだ
「OV−10だ!!」
思わず目が輝いてしまうのはミリオタの性か
ベトナム戦争で活躍した骨董品だが地対空ミサイルも無い貧乏民兵には充分な驚異である
ターボブロップ特有のすすり泣くような爆音を響かせて降下する三機の軽攻撃機の行く手には防空壕に向かって走る子供達の一団がいた
最後尾の少女が接近するOV−10を見て恐怖のあまり吊橋の途中で蹲ってしまう
ガンポッドから発射された20mm砲弾が少女の体をミンチに変える寸前、少女を抱え上げたセラスが横っ飛びに射線から逃れる
危機一髪と思ったのもつかの間、後続のOV−10が吊橋の上に倒れこんだセラスに向かってロケット弾を発射していた
対岸から見守っていた鳥居松がもう駄目かと思ったその時
ドグォッ!!
轟音とともにとてつもない熱量が鳥居松の横を通り過ぎた
軽トラックほどもある特大の火の玉がセラスの頭上を通過し発射されたばかりのロケット弾ごとOV−10の二番機を吹き飛ばす
山陰から姿を現し咆哮するメガラプトルを見て
(これって平成ガメラのパクリだよなあ)
などど思ってしまう鳥居松だった

159 :名無し獣@リアルに歩行:2007/01/11(木) 23:17:34 ID:fmpD6nbi
ほしゅ

160 :名無し獣@リアルに歩行:2007/01/12(金) 19:02:31 ID:L+5fUwCT
A G E!!!!!!!!!!!!
がんばれーー

161 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/01/12(金) 19:38:11 ID:???
春まで待って。そしたら更新できるようになる。

162 :名無し獣@リアルに歩行:2007/02/13(火) 16:50:23 ID:???
待ち遠しい・・・

163 :名無し獣@リアルに歩行:2007/03/07(水) 11:30:32 ID:???
春age

164 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/03/22(木) 21:29:43 ID:???
>147の続き
「それはつまり、どういうことですか?」

沖はよく状況が飲みこめなかった。仁科は連隊長用の椅子に腰を降ろすと懐から煙草を一本取り出して口に咥えた。

「ようするにこの問題の責任は総理をはじめ全員にある。だから、責任をとるのはお前だけじゃなくて総理をはじめとする全員だ。
 だが、それは今じゃない」

 そう言うと、仁科は引き出しから書類袋を取り出して、沖に手渡した。その袋には丸秘の印が押されているだけで、なにも書かれていな
かった。袋の口を開けて中から書類を取り出すと、それに記されていたのは情報本部の分析したソ連軍の動向に対する報告書だった。

「こ、これは!」

 沖は思わず叫んだ。

「ソ連軍は戦時体制に移行しつつあるということですか?」
「すでに極東ソ連軍は予備役の動員したりカテゴリー3の師団から人員を引き抜いたりして、カテゴリー2に分類される師団の一部の動員
 状況がカテゴリー1相当に上げている」

 ソ連地上軍の師団は動員状況によって三つに分類することができる。完全装備で人員の充足率が100%〜75%のカテゴリー1。戦闘車両
のみ完全装備で人員の充足率が75%〜50%のカテゴリー2。装備は旧式ばかりで人員充足率が50%を下回るカテゴリー3。当然ながらこの
中で近代戦を遂行するに足る戦力を有しているのはカテゴリー1のみである。カテゴリー3に至っては幹部だけしかいないような師団もあり戦力
に数えることはできない。あくまで書類上の師団数を確保する為だけの部隊なのだ。そういった部隊から人員を引き抜き充足率の高い部隊を
増やすという行為はソ連という国が平時から戦時に移行している事を示すものである。もちろん威嚇としてそういう行為を行なうこともあるが、
動員というのは少なくない予算を浪費する行為なので、やたらと行なうことはできない。


165 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/03/22(木) 21:32:46 ID:???
「上層部はソ連軍が本格的な行動に出ると?」
「そうと言い切れるわけじゃないが、だが連中はすでに引き金を引いちまった。こうなった以上、退くに退けないというのが軍隊
というものじゃないかな?とにかく、状況は悪化している。我々も警戒体制をとらなきゃならん。これからは紋別以上に苦しい
状況になるかもしれない。地獄へ行くのはそれが終わった後だ。抜け駆けは許さんぞ。沖」

 そう言い終わると仁科は一瞬笑みを見せた。

「沖。アボロス大尉の案内、ご苦労であった。ただちに原隊に戻り、被災者救助に従事せよ」
「はっ」

 沖は姿勢を正し見事に敬礼を見せると、仁科な背を向けた。部屋唯一のドアの前に歩み出ると、ドアノブに手をかけた。
そこで動きが止まった。

「連隊長。すみませんでした」
「阿呆」

166 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/03/22(木) 21:34:47 ID:???
―紋別
 紋別の海岸に鎮座する巨大な鯨を前に成瀬はカメラの準備をしていた。

「これが例のロボットですが」

 鯨を囲むように巨大な牛やら狼やらが居座っている。砲塔らしきものをこちらに向けているから、まだこちらを信用したわけではなさそうだ。

「ロボットじゃありません。ゾイドです」

 隣に立つレンはやんわりと修正した。

「では自分はこれで」

 烏丸は成瀬に対して敬礼を行なうと、もと居た場所に戻って行った。
「あなたの国ではこれが主力兵器ってことなの?」
「ええ。そうです」

レンはそう答えると、ホエールキングの脇に伏せている愛機に視線を移した。そろそろ戻らないといけない。

「自分はこれで」

 レンはそう言うと、ホエールキングに向けて歩き出した。

「また、あなた達の世界の事を教えてくださいね」

 成瀬の言葉にレンは振り向いて見事な敬礼を見せて了解を表した。

167 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/03/22(木) 21:35:53 ID:???
―札幌
 札幌上空を飛ぶヘリがあった。それはUH‐1ヘリで、陸上自衛隊が輸送任務などに使用する汎用ヘリである。陸上自衛隊は独自に
エンジンの換装などの改良を行なっており、オリジナルの機体よりも能力が強化されている。14名の乗客を載せることができるキャビンに
座ってアボロスはクルクル廻るメインローターを物珍しげに眺めていた。彼女がヘリコプターに乗ったのはこれが始めてだった。
 UH−1の目的地が見えてきた。東に豊平川、西に藻岩山を臨み、国道230号線に面する軍事施設、陸上自衛隊札幌駐屯地である。
この駐屯地には北部方面隊総監部を始めとする北部方面隊の中枢施設が存在している。
 UH−1は駐屯地東側の芝生のグランドに降り立った。グランドには2機、先客が居た。1機はアメリカ海軍の汎用ヘリコプターUH−3H
シーキングで、主に司令官などのVIP輸送に使用されるヘリコプターであった。もう1機は陸上自衛隊がVIP輸送用ヘリ個プターとして
保有するAS332Lの3機のうちの1つ、<ひばり>号であった。
 アボロスはUH−1を降りると総監部の会議室に通された。待っていたのは錚々たる面々であった。出迎えたのは、
北部方面総監部調査部部長の鹿島1佐であった。

「アボロス大尉。紹介しましょう」

そう言って鹿島1佐は円卓に座る者達を示した。

「手前から北部方面総監小野田陸将、陸幕長園田陸将、統幕長西宮空将、アメリカ海軍第七艦隊司令官ハワード中将、
 在日米陸軍第9軍団司令官チェイス中将、そして…」

 鹿島が指した人物はゆっくりと立ち上がると言った。

「私は在日米軍総司令官兼第5空軍司令のライト中将です」

そして、最後に最も奥に座っていた人物が立ち上がった。彼は1人だけ背広を着た文民であった。

「防衛庁長官、石場茂雄です」


168 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/03/22(木) 21:52:24 ID:???
というわけで半年振りの更新でした。
こんなSSを待っている方々がいると思うと、うれしい限りであります

>151-152さん。投下乙です
スレの趣旨に沿ったすばらしき架空兵器ですね。
ゾイドなどという荒唐無稽な兵器をここまでリアリティーあるものに見せるのは流石です
てか、本来はこういうネタのスレなんですよね。

> CDKBUzTs さん。投下乙です。
舞台は内戦中の南欧ですが、すばらしい。
ユーゴスラビア紛争への関心が高まっている私としては本当に興味深い作品です。

169 :151-152:2007/03/23(金) 20:55:26 ID:???
>>168
久々の更新ですね、乙でした。「春まで待って…」という書き方から、
「4月以降になれば更新できる状況になる」ということかと思っていたので、
「早かったな」という感じです。
ソ連の動員と在日米軍と防衛庁長官の表への登場、話がまた大きく動きますね。
今後の展開から目が話せない…ってところですが、残念ながら私4月からしばらくネット出来ない状況になったりします…

>>151-152は、「ぎりぎり人が乗れるくらいの小さな重機っぽい乗りもんが好き」
っつー私の嗜好が炸裂してたりします。
限りなく「パイロットが装甲下に入ったコマンドゾイドみたいな感じ」になるよなあ…

170 :名無し獣@リアルに歩行:2007/03/29(木) 21:58:13 ID:KUaQFRqR
独楽犬氏更新乙です


共和国軍がジェネシス世界に召還されますたスレのSSの方も更新して下さいな

171 :名無し獣@リアルに歩行:2007/04/05(木) 22:13:16 ID:???
独楽犬氏か……。
懐かしい。
この小説ここでやってたんだな。

172 :名無し獣@リアルに歩行:2007/06/06(水) 04:03:24 ID:???
細々と続いてるようだな。


173 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/06/10(日) 22:09:59 ID:???
うーん、気がついたら2ヶ月以上経ってるよorz

>167
 アボロスは心を落ち着ける為、大きく息を吸った。役職名が具体的になにを意味するのかはよく分からないが、
自分より遥かに高位な人物であることは明白なのだ。緊張しないわけがない。
「ヘリック共和国軍第155臨時大隊指揮官、テトラ・アボロス大尉であります」
 そう言い終えると、テトラは背筋を伸ばし見事な敬礼をしてみせたが、その手はいくらか震えていた。
「大尉。早速だが…」
 一番に口を開いたのは、ライト中将であった。
「我々はヘリック共和国という国を知らないし、君達が保有するロボット兵器も初めて見る者ばかりだ。ただ、
イワンの糞野郎…失礼、ロシア人達が開発したプロヴォルヌイと呼ばれる新型兵器にとても似ている。君達は
ソビエトの関係者なのかね?」
 当然の疑念だった。自分達の立場をどう説明すべきか。アボロスは大いなる冒険の一歩を踏み出した。
「我々はソビエトという国とはなんの関係もありません。我々は宇宙の彼方から来たのです」

174 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/06/10(日) 22:12:55 ID:???
―モスクワ郊外
 ニコライ・クラコフの表情は暗かった。ソ連の外交関係の総責任者である彼は、軍が起した―彼らが
言うところの―『些細な武力衝突』の後処理に頭を悩ませ、一番の親友であるソ連国家保安委員会、
通称KGBと呼ばれる機関の高官を尋ねて、モスクワ郊外のアパートを訪れたところだ。
「大丈夫かニコライ?顔色が冴えないぞ?理由はだいたい分かるがね」
 KGBの対外諜報を取り仕切る第1総局のトップの席に座る彼は、まるで現在の情勢をまったく理解していない
かのような落ち着きぶりであった。
「まったく。冷静すぎるのが君の欠点だぞ、同志ウラジミール。君の想像する通りだ。軍のバカが
派手な事やったせいで…いったいどうすればいいのだ?」
「まったくだ。報告を受け取ったが、明らかに我が母国の過失だ。西側は集中的批判を受けるだろう。
しかも、こちらには言い返す材料がない。これは厄介だぞ」
 盟友の容赦無い言葉にニコライは溜息をついた。
「とにかく我々は緊密に連絡を取り合う必要があるな。私はこれからクレムリンに向かう。君は?」
「一旦、ヤセネヴォ(第1総局の別称)に戻るよ。30分以内に西側諸国の動向をまとめた資料を送る。必要だろ?」
「あぁ。あと、現地の情報も欲しい。ホッカイドウに諜報員はいるからね?」
 ウラジミールは首を横に振った。
「いないことはないがね。だが、そいつはサッポロに居て、肝心のモンベツの情勢は分からん。GRU(参謀本部情報総局)
の諜報員もホッカイドウにはいくらか居るが、彼らはあくまで軍の機関だ。我々に正確な情報を渡してくれるかな。いや、まてよ」
 ウラジミールはなにかを思い出したようだ。
「当てが無いわけではない」

175 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/06/10(日) 22:19:33 ID:???
―紋別 ホエールキング・シーゴースト
「俺たちどうなるんだろうなぁ」
 シーゴーストの兵員室では共和国軍兵たちが自分たちの明日を案じていた。不安がる下士官・兵を
抑えるのが士官たちの仕事だが、彼らもまた動揺していた。
「とにかくだ。移転しちまった101大隊の捜索を行なうのだろう」
 そう言うのは、アーサー・エヴァンスだ。
「だがよ。ソ連軍ってのがゾイドを持ってるってことは、奴らと101大隊が関わってるってことだろ?
そうなると当然、俺たちはソ連って国と戦うかもしれん」
 ティトーが懸念を述べた。
「ですが、奴らと私たちの間には、大きな技術格差があるそうじゃないですか?」
 ニナが言った。その声は相手に同意を求めているようなところもあり、言っている本人にもその内容を
完全に信じることができないようだ。
「その通りだ。だがな、俺たちはたった1個大隊だ。俺は大学で地球の歴史をちょっと齧ったことがある。
ソ連って国は、この時代、地球を2つに分けた場合、その片方の頂点に立つ国だ。超大国なんだ。
考えてもみろ。ガイロス帝国相手にお前らは1個大隊で立ち向かう覚悟があるかい?」
 ティトーはそこにいる全員を見渡して言った。そして、この状態で平然としていう人々がいることに気づいた。
「俺にはあるね」
 その人々の筆頭、歩兵小隊長のスミシー少尉だ。
「俺たち1個大隊がいれば、ガイロスだろうが、ネオゼネバスだろうが、ソ連だろうが簡単に倒せる。敵の中枢に
侵入して、敵のトップを抹殺するのさ。ルドルフだろうが、ムーロアだろうがね」
 ゾイドが闊歩する戦場を徒歩で駆け抜ける歩兵たち、それも海兵隊の特殊部隊であるリーコンから編成された
155臨時大隊歩兵小隊の面々は他の者より肝が据わっているようだ。
「ソ連って国の中枢はどこだ?」
「モスクワという街だそうだ」
 アーサーが日本から提供された資料を手にいった。
「だったら俺たちがモスクワとやら侵入して、奴らのトップを抹殺する。そうすれば俺たちは地球を平和にした英雄として、
地球中から感謝されるぞ」
「そりゃ、景気のいい話だ」
 ティトーは懐から煙草の箱を出しながら言った。そこから新しい煙草を一本とると口に咥えた。今日、何本目の煙草だろう。

176 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/06/10(日) 22:20:53 ID:???
―札幌駐屯地 北部方面総監部
「なるほど。君たちは遥か未来の地球外の星から来た異星人だと言いたいのだね」
 ライト中将が頷きながら言った。
「そんな話信じられるか、と言いたいところだが、君たちの兵器の戦闘能力を見れば信じないわけにはいくまい。
問題はソ連軍部隊が君たちを狙ってきたということだ」
「おそらく先に移転した101実験大隊とソ連という国が何らかの形で関わっているのだと思います」
「そうなるとややこしい事になる」
 テトラの主張にライトがそう応じた。そんな2人の会話を遮る者がいた。
「おそらくこれからソ連はなんらかのアクションを起してくると思われます」
 石場だ。
「現在においてもソ連及びWTOは臨戦態勢を解いておりません。一度手を出してしまった以上、
連中がこのまま引き下がるとは思えないのです」
「同感だ」
 第9軍団長が石場に同意した。
「我々は万全の態勢を整えなくてはならない。そこで我々は日本政府とある合意に達した」
「同意と言いますと?」
 テトラは第9軍団長に尋ねた。
「陸軍部隊を北海道に増強します。本土やハワイから部隊を移動するのです。名目は日米共同での大規模演習です。
これをオペレーション・ブラックイーグルと名づけました」


177 :ごるごるもあ ◆753Z/RLFiY :2007/06/19(火) 21:44:29 ID:y8vWgf4t ?2BP(210)
            、               
           ) |  僕は未だかつて沖縄米軍基地を容認してはいない。
         ( ノノ   米軍はアラーに敗する!!
       , --" - 、  米軍基地の風評被害は沖縄の我慢の限界を超えており
スチャ    / 〃.,、   ヽ 日本政府は次の要求を早急に審議しなければならない。
  ∧、   l ノ ノハヽ、  i       
/⌒ヽ\ i | l'┃ ┃〈リ  ▽国立大図書館の建設。
|( ● )| i\从|l、 _ヮ/从   ▽皇室天皇制不可侵の制定
\_ノ ^i |ハ  ∀ \     ▽大琉球国の仮想独立国家認証。
 |_|,-''iつl/  †/ ̄ ̄ ̄ ̄/  ▽映倫規定の分離及び皇室放送コードの排除。
  [__|_|/〉 .__/ 魔 法 /__
   [ニニ〉\/____/ −僕は何度逮捕されても2ちゃんの全板を網羅する−

178 :名無し獣@リアルに歩行:2007/08/31(金) 14:17:57 ID:???
期待age

179 :名無し獣@リアルに歩行:2007/09/01(土) 01:36:22 ID:???
映画:トランスフォーマーでガイサック出てきたけどね。

180 :(^^)エヘヘ:2007/09/01(土) 12:43:56 ID:???
新風

181 :邪道野郎:2007/09/03(月) 14:40:08 ID:RoltvK15
結局全部読んでしまった・・・おなかいっぱい。ありがとう。

182 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/09/04(火) 20:26:19 ID:???
―モスクワ クレムリン
 クレムリン宮殿はロシア帝国時代の建築物で、革命以降はソビエト政府の中枢として使われてきたおり、
現在の主はアレクセイ・ボロジンである。今、ボロジンはクレムリンを構成する建物の1つである閣僚会議館に居る。
「報告を聞こう」
 ボロジンは会議室の1番奥の席に腰を降ろすと、集結した閣僚たちに向かって言った。
「はっきり言いました、思わしくありません。同志」
 クラコフは正直に言った。KGBや各国大使館から送られる情報はどれもソ連にとって不利なものばかりだ。
「そこをなんとかするのが君の仕事ではないかね?同志クラコフ」
「なんの為の外交なんだ?」
 ボロジン派の閣僚から野次がとぶ。
「しかしながら同志諸君。元はといえば軍の行動が原因なのであろう。ならば軍からの状況説明が無ければ、
世界になにも説明できないではないか」
 ボロジンから距離をとっている穏健派の中心人物、内相アレクサンドル・チャパエフがクラコフを擁護した。
クラコフも穏健派の1人である。
「軍はいつまで事実を隠すつもりかね?日本でどのような目的で、どのような活動を行ない、どれだけの部隊を投入し、
どれだけの被害が出たのか?『些細な武力衝突』というだけの説明では、何が起きたのか分からんし、
自分でも分からないのに諸外国の人民に何を伝えるというのだ?そうなれば、人民たちは帝国主義政府のプロパガンダを
鵜呑みにするしかあるまい。世界の反応は当然の結果だし、その責任は説明責任を果たさない軍に求められる」
チャパエフの言葉にボロジン派の閣僚たちは黙り込んでしまった。そして、彼らの目線は『些細な武力衝突』の詳細を
説明できる立場の人間、国防相ヤソフ・ジンヤーギン上級大将に注がれた。その視線に促され、ジンヤーギンは立ち上がった。
「諸君。我がソ連軍の同志の具体的行動については、軍事機密の為、ここで教えることはできない。しかし、これだけは言っておく。
これは決して侵略では無い。我が母国を狙う脅威を打ち砕き、世界革命に必要な軍事行動であったということだ」
「アフガニスタンの時も君たちはそう言ったな?同志ジンヤーギン」
 チャパエフがジンヤーギンの言葉を遮った。クラコフをはじめとする穏健派閣僚たちも誰もが懐疑の表情をしていた。


183 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/09/04(火) 20:30:57 ID:???
―日本 首相官邸閣議室
 閣議室には日本の中枢というべき閣僚たちが集結していた。なにを話すかはすでに誰もが予測していることだ。
ソ連軍による日本侵攻への対処、この50年間、冷戦を通じて彼らが恐れていたこと、その一方でありえないことだと
思っていたことが遂に現実になったのである。幸い、侵入してきたソ連軍部隊は小規模で、災害出動名目で出動した
自衛隊とヘリック共和国軍を名乗る謎の部隊によって撃退されたが、これが本格的侵攻の予兆であることを誰も否定
できなかった。
 閣議は防衛庁事務次官からのブラックイーグル演習の説明から始まった。
「以上のように日米陸上戦力をソ連の侵攻を受ける公算の高い北海道に集中することによってソ連軍の侵攻を抑止
することを目的としております」
「しかしね。そういうことを勝手に決められては困るよ」
 そう言ったのは外務大臣の吉澤である。外務省は、ブラックイーグル演習を総理と防衛庁が主導して決定し、
自分達が蚊帳の外におかれていることが不満であった。
「それにだ。このような大規模演習を行なえば、反ってソ連を刺激し、危機を煽ることになるのではないか?」
「なにを言うか!先に仕掛けてきたのはソ連だぞ」
 タカ派として知られる内閣官房副長官が怒鳴り声をあげた。
「で、実際問題として奴らが攻めてきたら撃退できるのか?確か空自の支援戦闘機…F-2だっけか?…で洋上阻止するのだろ?」
 彼はF-2支援戦闘機を製造している企業と親しい関係にあり、その性能の高さについて何度も説明を受けていた。
「現実問題として洋上阻止は難しいかと」
 答えたのは石場であった。
「副長官。我々は専守防衛を掲げている以上、緒戦においてイニシアチブを握るのは常に侵攻側にあるのです。
現在の戦場とは大変流動的で急速に進行するので、ソ連の上陸船団を的確に捉えるというのは非常に難しいことなのです」
「他にも問題があります」
 防衛事務次官が石場を援護した。
「我が国にはROE(交戦規定)がありませんから、引き金を引くタイミングは極めて難しいのです。特に洋上となりますと、
我が方からの先制攻撃ということになりますから、ことさら重要になります」


184 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/09/04(火) 20:33:06 ID:???
「それはどういう意味かね?」
 和泉が尋ねた。
「例えば陸上部隊を載せて洋上を進むソ連船団を仮に攻撃したとして、それをソ連が「あくまで演習であった」と主張した場合、
我が方の正当性をどこまで主張できるか疑問です。さらにその場合、「必要最低限度」を超える武力行使になり違法行為に
なるのでは?という問題もあります。
 ROEという攻撃手順の基準が存在し、それを世界に示し、このような行動をすれば攻撃を行なうという警告を出しておけば、
こちらは堂々としていられるのですが、無い以上、攻撃のタイミングの判断は非常に難しいものとなります」
「じゃあ、上陸は阻止できず本土決戦にならざるえないということか?」
副長官は出席している防衛関係の人間たちを見渡しながら言った。
「専守防衛ですから」
 石場が小声で言った。
「で、陸戦はどうなる?」
「深刻な問題がありまして。状況によって自衛隊は一切の軍事活動ができない可能性があります」
 そう言うと石場は法務官に目配せした。法務官は立ち上がると、和泉に視線を向けた。
「現実問題としまして、我が国には有事法制がありませんから、自衛隊が行動する為には200以上の諸法律に関する特例措置
が必要になります。それにつきましては各省庁と協議を重ねる必要があります。特にどの省庁に属する問題か不明確な
グレーゾーンに関しては…」
「それではいつまで経っても決まりませんなぁ」
 福山官房長官が法務官の言葉を遮った。
「まったくだ。どれだけ時間がかかることか。決まる前にソ連軍が攻めてくるぞ。現状でなんとかならんのか?」
 官房副長官がそれに続いた。
「現状ですと、出動しても自衛隊は穴1つ掘ることはできません。作戦行動は不可能です」
 法務官の回答は絶望的なものであった。


185 :名無し獣@リアルに歩行:2007/09/04(火) 20:34:39 ID:nf8MM4a0
―クレムリン カザコフ館
 ソ連指導者の執務室はかつて元老院として使われたカザコフ館の中にある。閣僚会議館から戻ったボロジンは、
ジンヤーギンを引き連れていた。
「作戦は失敗か」
「はい。まさかあれほど早く自衛隊が動くとは予想外で…」
「やはり劣化版では無理があったな。赤衛竜騎兵旅団の主力を投入するしかない」
 ボロジンの言葉にジンヤーギンは動揺した。
「赤衛竜騎兵旅団主力ですか!ですが、それは…」
 赤衛竜騎兵旅団。ソ連軍は16個の軍事行政単位に区切られているが、竜騎兵旅団はそのどれにも属さず
ソ連大統領直轄で動くまさに切り札の部隊なのだ。
「極東に展開しているのは?」
「グレゴリー・メディッチ大佐直属の1個中隊が展開中ですが、1個小隊がホッカイドウで壊滅しました」
「極東管区軍直轄の機械獣中隊から補充し再編しろ。それと旅団の第1大隊、第2大隊をただちに極東方面に移動しろ。
それと極東管区軍の戦力を動員しホッカイドウへ侵攻する。ただちに参謀本部に作戦を立案させるのだ!」
 この一言により、日本侵攻作戦が事実上始まった。

―国道242号線
 月の浮かぶ空を背景に不足の事態に備えるという名目で集団の後ろから追走する高機動車の中に烏丸の姿があった。
「凄い人だかりですね」
「まったくだ」
 真夜中にも関わらず道の両側にはマスコミと野次馬による人の壁ができていた。もちろん、それは烏丸たちの乗る高機動車を
見にきたわけでは無い。彼らの前を"歩く"巨大な鋼の獣たちが目当てである。
 北海道県警から陸上自衛隊に管理権が正式に移ったゾイドと臨時大隊の面々は遠軽駐屯地に向かっていた。
そのために国道を封鎖し、交通妨害とならないように夜間を選んでの行軍だった。ちなみにホエールキングは大湊の海自基地
に向けて洋上を移動中である。

186 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2007/09/04(火) 20:35:13 ID:???
>>185は私です
ageちゃったorz

187 :名無し獣@リアルに歩行:2007/09/04(火) 20:43:46 ID:???
乙です

188 :邪道野郎:2007/09/05(水) 17:48:36 ID:yPueUQnL
まさに国連無双

189 :151-152:2007/09/24(月) 16:07:39 ID:???
乙です。
「劣化版」という語が気になりますね。
まさか「複合装甲? それムクの鉄と何か違うんですか?」で悪名高い
ソ連特製輸出版をゾイドでつくったわけではないだろうし。
チョールヌイ・オリョールも発動をひかえ、書記長もやる気、大規模戦闘の気配が…

余談ですが私もまた駄SS執筆中であります。
陸軍ものなのに主人公が装甲師団所属じゃないの(でもゾイドには乗ってる)。
穴に気づいちゃ書き直しの連続で己の頭の悪さに自分で自分を絞め殺したくなっております。
とんでもないスレに投下するつもり。

190 :名無し獣@リアルに歩行:2007/09/29(土) 13:42:08 ID:???
どこに投下されるのだろう…

191 :名無し獣@リアルに歩行:2007/09/29(土) 15:05:18 ID:???
【速報】タカラトミー『ゾイド』事業撤退か? ゾイドコアドットコムに中止告知

メーカー都合により、再販ゾイド、ZOIDS エヴォドライヴ、月刊ゾイドグラフィックスは販売を一時休止いたします。

ソース
http://www.zoidscore.com/01/z01_01_01_00.html

ttp://news21.2ch.net/test/read.cgi/news7/1189829638/

192 :151-152:2007/10/08(月) 16:59:11 ID:xsisG6ll
>>190
「ゾイド板最速1000を目指すスレ」か「IDにzoidosとかtomyとか出すスレ」。
書き込みがあること自体が目的みたいなスレだから別に構わないハズ。

正直ちょっと見てみたが「自分でバトルストーリーを書いてみよう」スレは入りずらくてなー。
ホント言うと「ドイツ空軍VSゼネバス空軍」スレに投下したかったんだが、落ちちゃったしなー。

193 :151-152:2007/10/08(月) 17:00:29 ID:???
ごめんsage忘れた…orz

194 :名無し獣@リアルに歩行:2007/11/27(火) 10:47:10 ID:???
期待age


195 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/05(火) 20:37:42 ID:???
―紋別郡 遠軽町
 遠軽町は日本で面積が7番目に大きな市町村であり、町内に第25連隊が配置されている遠軽駐屯地と遠軽演習場を持つ
自衛隊の街である。
 人口2万3千人の小さな街はこの日、騒然としていた。原因は自衛隊の出動とその原因となった機械の獣たちであった。
すでに真夜中を過ぎていたにも関わらず遠軽駐屯地の周りにはマスコミと野次馬が入り乱れていた。
「凄い騒ぎだね」
 駐屯地の一角に設置された大隊の野営地(万年定数割れの陸自であるが、対ソ正面の北部方面隊だけは定数充足状態
であり、宿舎に大隊を受け入れる余裕は無い)の中から外の騒ぎを見てレンが呟いた。彼は今は睡眠時間の筈だが、興奮と
騒がしい野次馬のせいで寝れずにいた。
「なんなら交代してくれる?」
 その様子を見て、レンのテントの前に立っていたニナが言った。彼女は歩哨に立っているのだが興奮のしすぎで疲れていた。

―青森県むつ市
 青森の最北端の市、むつには海上自衛隊大湊基地がある。ここは帝国海軍時代からの軍港で、日本で唯一の海上自衛隊
専用ドッグを持つ。ホエールキングはそのドッグの中に収まっていた。
「こいつは本当に凄い船ですよ」
 海上幕僚部装備部艦船科から派遣された技官の賞賛の声はいつになっても終わらない。入隊以来、ずっと船の技術革新
に関わってきた彼にとってホエールキングはまさに宝の山だった。この船(本当に船なのだろうか?)の技術を解析できれば、
潜水艦の技術は飛躍的に向上する筈である。
「そう言ってくれると嬉しいね」
 艦長のマクマレン大尉は素直に答えた。
「で、君たちの海軍も出動するのかね?」
「えぇ。そう聞いています。アメリカ海軍も空母機動部隊を派遣するそうです」
「そうかい」
 マクマレンもできれば参加したかった。ホエールキング・シーゴーストは実は元々水雷母艦であり、自身も充実した兵装を
持っていたが、今はただの輸送艦に過ぎない。

196 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/05(火) 20:43:29 ID:???
 そこへ明らかに軍の艦艇と分かる船が大湊基地に入ろうとしているのが見えた。
「あの船も君たちのかい?」
 マクマレンは闇夜の中にうっすら見える影を指差した。
「いえ。あれは米軍の揚陸艦ですよ」
 第3海兵遠征軍の北上はすでに始まっていた。

―横田米空軍基地
 この夜、本土から米空軍の大型輸送機C-141スターリフタ―が横田基地まで飛んできた。「積荷」はハワイに駐屯する陸軍
の第25歩兵師団トロピック・ライトニングの兵士たちである。第25師団は韓国駐留の第2師団の増援部隊であり、緊急展開に
適する軽歩兵部隊として編制される。戦車のような重装備は無いが、その分、早く移動することができる。
 「積荷」の一人、第25師団第2旅団所属の日系人軍曹エリック・ヤノは中隊長ヒラ―大尉を見つけた。ニック・ヒラーは大柄の
黒人兵で、なかなか頼りになる男だった。
「大尉!いったい何なんですか?この騒ぎは」
「分からん。私もまだ知らされていないんだ。聞いた話じゃ82空挺師団も動いているらしい」
「何ですって!オールアメリカンが?」
 オールアメリカンは第82空挺師団の愛称である。
「コサック野郎といよいよヤルってことでしょうかね?大尉」
「さぁな。でもヤルとしたらヨーロッパでヤルと思ってたんだが」
 第25師団の兵士たちは、相模原総合補給廠で保管されていた車両や武器・弾薬を受け取ると横須賀から日本政府が
レンタル(徴用ではない)したフェリーに乗り込んで、北海道を目指した。
 さらにグアムから陸軍機械化部隊1個旅団分の装備を搭載した事前集積船が向かっていた。さらにアメリカ西海岸
サンディエゴの海軍基地からも2個旅団分の装備を積んだ輸送船が日本に向けて出港した。これらは第25歩兵師団の
後詰となる第24歩兵師団ヴィクトリーの装備であるが、間に合うのだろうか?


197 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/05(火) 20:48:28 ID:???
―ソビエト連邦 ウラジオストック
 ソ連海軍太平洋艦隊はソ連海軍最強の艦隊と言っても過言では無い。歴史を紐解けば日露戦争時に日本の連合艦隊
を最も苦しめたのは、バルチック艦隊では無く太平洋艦隊であったし、現代でも第一級の装備を北方艦隊やバルト海艦隊
以上に優先的に配備されている。これには様々な理由がある。欧州方面で西側と戦争をするなら地続きである以上、
陸戦が主体となり海上作戦は補助的なものになる。しかし、東洋において「西側」と戦争をするなら海を渡る必要がある。
また欧州方面は北方艦隊とバルト海艦隊、黒海艦隊が連携して作戦行動がとれるのに対して太平洋方面には太平洋艦隊
しか存在しない。その為、太平洋艦隊は最も充実した戦備を誇る艦隊となったのである。
 具体的に言えば、キーロフ級原子力巡洋艦<フルンゼ><ジェルジンスキー>、スラヴァ級巡洋艦<チェルボーナ・
ウクライナ(赤いウクライナ)><アドミラル・ゴルシコフ>、トビリシ級航空巡洋艦<ワリャーグ>、キエフ級航空巡洋艦
<ミンスク><ノヴォロシスク>、イワン・ロゴフ級強襲揚陸艦<イワン・ロゴフ><アレクサンドル・ニコライエフ>
<ロマン・コンドラチェンコ>などであり、その他にも多数の駆逐艦や潜水艦が配備されている。その太平洋艦隊は
ソビエツカヤ・カバニやカムチャッカなどの基地に分散して配備され、主力と司令部はウラジオストックに集中していた。
 ウラジオストックの太平洋艦隊司令部をメディッチ大佐は訪れていた。そこにはジンヤーギン上級大将とメディッチの
上官であるリュドミール・ロジオノビッチ・デミチェフ准将が待っていた。
「グレゴリー・メディッチ大佐。ただいま出頭しました」
「同志メディッチ。ご苦労であった」
 デミチェフがメディッチに声をかけた。極めて事務的な声で、心からの言葉ではあるまい。
「申し訳ございません。このような無様な結果で」
「いや仕方有るまい。ゾイドを実戦に投入するのは初めてのことだ。問題点の洗い出しができてむしろ有意義だろう。
君はなにか気づいた点はあるか?」
 こちらはジンヤーギンである。


198 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/05(火) 20:49:24 ID:???
「小隊に随伴し帰還した偵察班の話によれば、ゾイドはやはり脆弱な存在であると言わざるえません。わずか1個の手榴弾
によりプロヴォルヌイの行動能力が奪われたのです。また主砲射撃時にどうしても隙ができます」
「なるほど。現状では量産型ゾイドの能力は不十分だということか」
「向こうのヤツを前面に押し出すしかないですね」
 デミチェフが指摘した。向こうのヤツというのは、Zi製のオリジナルゾイドのことである。ようするにメディッチに対して前線で
戦果をあげてこい、と言っているのだ。
「海軍のホバークラフトをサハリンに回す。君の部隊は海軍歩兵(ロシアにおける海兵隊である)ともに第一陣となる。
海軍とこれから調整をするところだ」
 だからウラジオストクまで連れてきたのか。
「分かりました。ただちに準備にかかります」

今日はここまで
遅筆で本当になんというか(ry
最後にageておこう…

199 :名無し獣@リアルに歩行:2008/02/06(水) 01:42:40 ID:???
独楽犬さんおかえり〜

200 :(^^)エヘヘ:2008/02/06(水) 02:57:04 ID:???
仮面ライダー電王

201 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/29(金) 17:15:54 ID:???
―X-6 午前10時
―遠軽演習場
 臨時大隊が平成の北海道に現われてから三日目の昼である。
 遠軽演習場は遠軽駐屯地に隣接する小規模な演習場で、主に遠軽駐屯地に属する第25普通科連隊などの訓練に利用される。

「凄いな。これでも小さい方なんだろ?」

 在日米軍の首脳たちがアメリカ本土から派遣された第82空挺師団や第25歩兵師団の指揮官たちとともに目の前に立つゾイド、
ガンスナイパーの姿を眺めていた。

「えぇ。その通りです。こいつは比較的小型のタイプですが、優れた能力を持っています」

 アーサー・エヴァンズ中尉はライト中将の問いにそう答えると、手に持った無線機の通話スイッチを押した。

「ティルビー、いいぞ」
「イエッサー!」

 ガンスナイパーのパイロット、ロジャー・ティルビー軍曹は待ってましたとばかりに操縦桿を握る手に力をこめた。ガンスナイパーは
米軍の将官たちを正面に立っていたが、次の瞬間、90度方向転換して尾を数km離れたところに立つ標的に向けた。そして轟音とともに
144ミリライフル弾が放たれ、瞬く間に標的を射抜いた。

「凄いな。方向転換からこれほど短時間で射撃に移れるのか」

 ライト中将は素直に感嘆した。

「えぇ。2つの足だけで支えているのにですよ!恐るべき姿勢制御技術です。これを解析できれば我が軍の戦車の能力は格段に向上しますよ」

 陸軍軍人のチェイス中将はより専門的な見地からガンスナイパーを観察していた。

202 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/29(金) 17:17:46 ID:???
 その様子を烏丸もすこし離れた場所から眺めていた。烏丸をはじめとする第25普通科連隊第1中隊第1小隊の面々と米第82空挺師団から
選抜された1個小隊は、スミシー少尉をはじめとする臨時大隊歩兵小隊の面々から対ゾイド戦の要領を学んでいるのだ。

「弱点となるのはやはり脚部だ。間接や足の付け根を狙うんだ」

 スミシーはガンスナイパーを指差して説明した。鵜飼が挙手した。

「なにか質問かね?」
「ゾイドは高い運動性能を持つと聞きました。私は紋別でソ連製のものと遭遇し、その能力を目にしております。そのなんて言いますか、
本国バージョンとでも言いましょう、それはソ連製のものより運動性能は当然高いのですよね?」
「その通り」
「果たして、それだけ高い能力を持つ機体の特定の部分を狙い撃つということは可能なのでしょうか?」
「それは良い質問だ」

 スミシーは一呼吸置いてから回答した。それはゾイドと対する歩兵誰しもが直面する問題である。

「はっきり言って難しい。だが当てなくてはならない」

 その言葉に兵士たちは動揺した。なんてトンでもない奴を敵にしてしまったんだ、と。

「OK。では訓練に移ろう」


203 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/29(金) 17:22:36 ID:???
 成瀬はゾイドと米軍高官の姿を写真に収めていた。今日は彼らの他にも首相をはじめとする日本政府の重鎮や各国大使館付の武官も
訪れることになる。彼女の任務は、それの記録写真を撮ることである。もしかしたら、新聞に載るかもしれない。そう思うと、カメラを持つ手
に力が入った。そして撮っているうちにフィルムがなくなった(官給品のなかにはデジタルカメラなどという上等なものは無い)。彼女は演習場
の入り口付近に駐車している映像・写真中隊の小型トラックまでフィルムを取りにいかなくてはならなかった。
 演習場の周りは野次馬と報道関係者でごった返していた。成瀬はその中に見覚えのある顔が見えた。紋別の被災地で見たあの
黒ずくめの女であった。成瀬はすぐに仕事に戻ったが、その女の姿が頭の中から消えることは無かった。

―X−5 午前5時
―遠軽駐屯地
 昨日の米軍や共和国軍との演習でヘトヘトだった烏丸だが、自衛隊は彼らに充分な休息は与えなかった。いつもより早く叩き起こされた
烏丸たち第25普通科連隊の面々は装備を整えて駐屯地の広場に集められた。
 彼らの前に立った連隊長の仁科は、簡潔に状況と今後の行動について説明を行った。曰くソ連軍が本格的に侵攻してくる可能性が
高まっているので、今のうちに演習場や国有地に防御陣地を整えておくというのだ。

 レンは宿営地で同じ高速部隊所属のデイブ・チョーリー軍曹と歩哨についていた。

「軍曹!見てください」

 レンは駐屯地から出て行く自衛隊の装甲車やトラックを指差した。

「いよいよ始まるようだなレン」
「我々も戦うのですか?」
「多分な」

204 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/02/29(金) 17:25:02 ID:???
―X-1
 ブラックイーグル演習は自衛隊にとっては北方機動演習の拡大版であった。例年の機動演習では本州もしくは九州から1個師団を
北海道に移動させることになるのだが、今回の場合、その数は3倍になっている。名古屋の第10師団、福岡の第4師団、青森の第9師団
である。また東北方面隊から第2特科(砲兵)群の2個特科大隊、第4地対艦ミサイル連隊が北海道へ移動した。
 こうして北海道には陸上自衛隊の1個機甲師団、6個歩兵師団。海兵隊の1個師団、米陸軍の1個空挺師団、1個軽歩兵師団が配置
された状態でX-デイを迎えた。しかし、実際に配置についていたのは、自衛隊北部方面隊の4個師団だけで、しかも国有地や演習場に
限定されており、理想的な状況とは言い難かった。

―ウラジオストック
 ソビエト海軍には海軍歩兵なる部隊が存在する。元は沿岸防衛部隊として発展したもので、歩兵と呼ばれているが実際には戦車や砲兵
を含む諸兵科連合部隊でアメリカの海兵隊のような役割を担っている。太平洋艦隊には第55海軍歩兵師団が配置されている。
 同師団は3個歩兵連隊及び1個独立歩兵大隊、1個砲兵連隊、1個ロケット砲大隊で構成される。それに所属する数千名の兵員は既に
外部との接触を断たれていた。作戦が始まる。誰もがそう考えた。
 そして、彼らは<イワン・ロゴフ>をはじめとする太平洋艦隊が保有する様々な両用戦艦艇に乗り込んでいった。


今日はここまで、次より開戦です


205 :名無し獣@リアルに歩行:2008/02/29(金) 17:41:42 ID:???
乙ですー。

206 :151-152:2008/03/02(日) 01:40:53 ID:???
ゾイドがわりとドラスティックに人類の未来を変えるようです

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 近年、新世代の材料工学として多くの注目を集めているのがコア技術である。
しかし、コア技術という名前を聞いたことはあっても、実際にどのようなものか知っている人間は少ないのではないだろうか。
これは最新技術というものには付き物なのであるが、
コア技術はその成立過程に地球外生命体の探索と遺伝子工学という、
およそ工学とは縁が遠そうな分野が深く絡んでいることも大きな原因と思われる。
 そこで、まずはコア技術の成立に地球外生命体の探索と遺伝子工学がどのように関わっているのかから解説しよう。


207 :151-152:2008/03/02(日) 01:42:31 ID:???
 人探し、例えば「佐藤カオル」さんを探すときのことを考えてみよう。
やらなければならないことはいろいろあるが、まずしなければならないのは、
「佐藤カオル」さんがどういう人なのか知ることだろう。
「「佐藤カオル」さんは女性である」と決め付けて女性の中からだけ探していれば、
もし「佐藤カオル」さんが男性だったとしたら見つけ出すことが出来ないだろう。
かといって、もし「佐藤カオル」さんが実際に女性だったとした場合、
男性まで人探しの対象に含めるのは時間と労力の無駄である。
 地球外生命体探索にも、この問題がつきまとう。地球外生命体も地球の生命と同じような存在であるとは限らないからだ。
例えば、地球の生命は炭化物から構成されている。
ここで、生命の定義の一つを「炭化物から構成されているもの」として、
炭化物以外から構成されたものを探索の対象から除外すれば、例えば珪素から構成された生命体がいても発見できないだろう。
つまり、地球外生命体を探索するためには、「生命」の定義の幅を広く取らなければならないのだ。
しかし、理屈の上では存在できそうに思えても、現実には存在し得ないものが「生命」の定義に含まれていれば、
そうした存在を対象にした探索をしても無駄である。
地球外生命体の探索には莫大な費用・労力・時間が必要であり、それを無駄にしてしまうことはなんとしても避けたい。
このため、どのような形の生命体が存在し得るのか明らかにする必要がある。

208 :151-152:2008/03/02(日) 01:44:03 ID:???
 この目的で行われていた研究の一つ、どんな物質が生命の「構成材料」となり得るかを明らかにするための、
代謝可能な物質を調べる研究から派生したのが、「コア技術」である。
これは、言わば一種の人工生命体を用いるのであるが、概念としては、
自然生物の細胞中の核とミトコンドリアの機能を担う「コア」を持ち、細胞質に当る部分が調査対象の物質からなる
細胞のようなものをイメージすると理解し易い。
 この細胞質に当る部分の物質は、その時々の実験に応じて変えることが出来るのだが、
これが可能になったのは次の二つによるところが多い。
 一つは、00年代末期から発達した技術により、遺伝子情報を人工的に「書く」ことが出来るようになったことである。
これにより、望む表現形をより早く簡単に遺伝子工学によって発現させられるようになった。
 もう一つは、この細胞質に当る部分が、エネルギー生成や遺伝子情報の蓄積・発現といった機構とは切り離されており、
このこともあって、自己生成や摂食による他の生物からの取り入れという生物による生成過程を経ずに、
環境中から取り入れた物質を直接、適当に配列させることにより構成できるためである。
これは、一見すると自然生物とはまるで違った身体構成法のように思われるかもしれないが、
実際のところは、イネ科植物やウロコフネタマガイのように、
環境中から取り入れた物質を細胞の形にせずに身体の一部とする生物は自然生物の中にもいるし、
ヤドカリの殻やヒトの衣服も、
環境中の物質から構成した、エネルギー生成や遺伝情報とは切り離された身体の一部という見方も可能ではある
(古くなったときや体に合わなくなったときなどに、新しいものに交換する点も、代謝になぞらえて考えることが出来る)。


209 :151-152:2008/03/02(日) 01:44:55 ID:???
 では、なぜコア技術は新世代の材料工学として注目されているのであろうか。
 一般に、既存の技術でつくられた素材は、物質の性質から理論的に予測される値に比べ、実際の強度等がずっと低い。
これは、理論的な予測においては、素材内部で物質が欠損や不純物等無く理想的に配列していることを前提にしているが、
実際の素材は、内部に物質の欠損や不純物、理想的な配列とは異なる配列をした部分が少なからず存在しているからである。
つまり逆にいえば、内部の物資の欠損や不純物、理想とは異なった配列をした部分を無くせば、
同じ物質を使っていても、素材の性質を飛躍的に高めることが出来るということである。
 また、使用による疲労や経年劣化等により、素材の性質は時間の経過とともに悪化していく。
 コア技術は、この二つの問題を大きく解消するのである。
分子レベルでの物質配列を人為的な操作を介さずに可能にするため、
大量生産ベースで理想的な内部物質配置を持った素材を生産可能であり、
また、新しい物質を利用可能な形にして与えてやれば、後はやはり人為的な操作を介さずに、
代謝と同様に、順次新たな物質を取り入れて古くなった部分を置き換えていくので、
時間の経過に伴う性質の低下を抑えることが出来る。
 このため、コア技術は極めて大きな注目を集めているのである。


210 :151-152:2008/03/02(日) 01:45:46 ID:???
 さらに、コア技術は、コンピューターの構成材料としても大きな潜在能力を持っていると見られている。
動物の脳は、外界に対応して働きを変えるだけでなく、その行動のフィードバックにより、自身の物理的な構造まで変化させる。
このため、動物の脳はハードウェアとソフトウェアという二分法を単純に当てはめることが出来ないものであるとして、
ウェットウェアと呼ばれることがある。
コア技術による生産物は、自身の再構築を繰り返していくことから、ウェットウェアをつくることができ、
試行錯誤により自ら学習するコンピューターを安価に生産できる可能性があるのだ。
また、ウェットウェアは、ハードウェアレベルの変更も行うため、元設計からの可塑性が高く、性能向上の余地が大きい。

 このように様々な長所のあるコア技術であるが、無論短所もある。
そのうち最大のものの一つが、素材そのものが常時エネルギーと新たな構成物質の供給を要するということである。
これは、順次自らを新しく再構成していくというコア技術の最大の長所の一つと表裏一体であるので、原理的な解消は難しいが、
自然生物の中にいる、代謝の極めて低下した仮死状態になるものを参考として、
速い自己再構築が必要無いときにはエネルギーと構成物質の必要供給量を抑える研究が進められている。

211 :151-152:2008/03/02(日) 02:15:10 ID:???
>>204
 いよいよ開戦ですか、楽しみにしとります。
 ガンスナイパーの砲撃開始の早さですが、確かに文中にあるように(現在の)地球の常識では考えられないほど迅速でないと
あの武装配置で「主力ゾイド」たるのは不可能でしょう。
逆に、このような素早い砲撃開始を可能とする技術があるのなら、
あの武装配置は一見した印象ほど悪いものではないのでは?とも思います。
動物はギャロップの際足が一本しか設置していないか、完全に宙に浮いている状態になりますので、
ゾイドの走方も同様だとすれば(そうでないとあのサイズであの最高速度では足運びがギャグマンガみたいなことになる)、
全力疾走中に大反動の火器を発砲することは、安定性の面から見て、
走行中でも設地の得られている装軌/装輪車両より極めて困難であるはずです。
ならば、わりきって大反動の火器の発砲は停止時のみにすることとし、
重量リソース上の優位点を重視して尾を長砲身砲にしてしまうというのはアリなんではないかなあ…、と。
戦場では同じ小隊の同型ゾイドと相互援護しながら進むのでしょうし。
まあ、ヤツらが後走りで結構な速度出せるっていう楽しい可能性もあるかもしれませんが(アイシールド21の一休じゃねーか)。

 「特定部位の狙撃」 ワタクシこれでまたネタSS考えとりますですハイ。

 こういう次第に読んでいる側のボルテージが上がっていく文章を読むと、自分がいかに「引き」が下手かを痛感します。
独楽犬さんの作品読んでるときに限った話じゃないんですが。
俺の書いてるのはもう、いつの間にか撃ち合いが始まっていつの間にか一方が後退してるって感じの
盛り上がりもへったくれもないシロモノなんで(それを狙ってる部分もありますが)…
そのせいだかなんだか、読む人いなくてモルガがライガーゼロ撃破してるのに煽られすらしないっていう(笑)

212 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/03/20(木) 22:37:57 ID:???
―X-デイ 午前4時
―東千歳駐屯地
 陸上幕僚監部調査部別室は全国各地に通信所と呼ばれる施設を設置している。これらの施設の任務は周辺国(特にソビエト)から
漏れてくる電波情報を収集することである。特に東千歳には「象の檻」と呼ばれる巨大な傍受用アンテナが置かれていた。
「まずいな」
 当直士官は作業を行う隊員たちを見ながら呟いた。ここ一週間、一気に増加したソ連軍の通信が今朝になって突然激減したのである。
「嵐の前の静けさか」
 ソ連軍はおそらく準備を整え、GOサインを待つ状態なのだろう。

―市ヶ谷 調査部別室
 主任の瀬川冴子1尉は全国から続々と集まってくる情報に青ざめていた。
「沿岸監視隊からはソ連空軍が訓練飛行を停止していると報告が入っています」
「海自のEP-3電子偵察機も「象の檻」と同様の報告を送ってきています」
 そこへ室長の1佐が現われた。
「状況は?」
「極めて悪いです。ソ連軍は通常の訓練行動まで中断しています。外交的な動きは見られません」
 もしソ連が事態の解決を目論んでこのような行動をしているのなら、外交面で何らかの動きをする筈である。
「周辺国は?」
「相変わらず警戒態勢を続けています」
 そこへ一人の3尉が駆け込んできた。その3尉は冴子に一枚の紙を渡した。
「決定的な報告が」
 冴子はその紙を1佐に見せた。
「海上自衛隊のOP-3画像収集機がウラジオストックを偵察したところ。主力艦が港から消えていました」
「よろしい。ただちに長官に報告しよう」

213 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/03/20(木) 22:45:25 ID:???
―遠軽駐屯地
「我々が前線に立つな、とはどういうことですか!」
 強襲戦闘中隊に所属するペチキン伍長がアボロスにいまにも飛び掛りそうな勢いで叫んだ。間にアーサー・エヴァンスが入りペチキンを抑えている。
 札幌駐屯地から戻ってきたアボロスは、臨時大隊の隊員たちに日本とアメリカから後方で待機しているように求められたのだ。
アメリカにしろ日本にしろ、彼らを心のそこから信用しているわけではないし、日本には集団的自衛権の問題もあった。
「とにかく、彼らは我々が介入することを望んでいないのです」
 アボロスはかまわず続けた。
「様子見の期間だと思えば。我々の介入がどれだけの影響を与えるか分からないからね」
 ストラボンがアボロスを補強した。彼も地球の人々にZiの技術力について説明する忙しい日々を送り、つい2時間ほど前に宿営地にやってきた。
「とにかく。今は待つしかない」

―X-デイ 午前5時
―カムチャッカ半島 ソ連空軍基地
 MiG-25は米軍がかつて計画した超音速大型爆撃機XB-70に対抗する為の迎撃機として開発されたが、その高速性能から偵察仕様など
様々な派生型が開発されている。MiG-25BMもその1つで、与えられた任務は侵攻作戦の一番槍を務めることであった。
 カムチャッカ半島の基地から2機のMiG-25BMが飛び立つと、それに続いてソ連空軍の各地の基地から次々と作戦機が飛び立って行った。

―太平洋 千島沖
 海上にはアメリカ海軍と海上自衛隊の合同部隊が展開していた。空母<キティーホーク>をはじめとする大艦隊がソ連軍の攻撃から北海道を
守るべく海上を進んでいた。しかしその動きはソビエトの誇る衛星網の監視下にあった。
 <キティーホーク>のF-14のパイロットであるジョシュア・バーネット大尉とレーダー員のマイク・スタックハウス大尉のコンビはパイロットの待機室
で雑談をしていた。

214 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/03/20(木) 22:49:06 ID:???
「なぁマイク、聞いたかい?日本軍(自衛隊)の作戦地図には師団長の自決予定地点が書き込まれているらしいぜ!」
「HAHAHAHA!いやゃ、それは知らなかった。日本人が作戦地図をジョークの餌にするなんて。俺の想像以上にユーモアのある連中なんだな!
 HAHAHAHA」
「まったくだぜ!HAHAHAHA」
 実際にはジョークでは無いのだが。悲しいことに。
 それはともかくとして、待機室のサイレンが鳴った。スクランブル命令だ。彼らは甲板に待機しているF-14にすぐさま乗り込んだ。

 空中に踊り出たF-14は、先行している艦載早期警戒機E-2Cに指示を求めた。
「ブラックナイツよりスカイアイ。ブラックナイツよりスカイアイ。目標を指示せよ」
<ブラックナイツ、こちらスカイアイ。高速の大型機…恐らくバックファイアーだ…が多数艦隊に接近している。警戒せよ!>

 すべては同時に行われた。MiG-25BMから北海道各地のレーダーサイトにミサイルが放たれたのも、艦隊にTu-22Mバックファイアーと
オスカー級巡航ミサイル原子力潜水艦から対艦ミサイルが放たれたのも、強襲部隊を乗せたMi-8輸送ヘリがサハリンの基地を飛び立ったのも。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日はここまで。次回からゾイドvs現行兵器の戦いが始まります
相変わらず遅筆orzそういえば、そろそろ執筆開始から3年経つんですね

151-152氏
 感想ありがとうございます。
 あいかわらず素晴らしい架空技術設定ですね。これだけ深い話は私には書けません。羨ましいです。

215 :151-152:2008/04/13(日) 04:04:49 ID:ZcWnEDci
ここでF-14とは、流石わかってらっしゃる。いや、F-18は好きなんですが。

>次回からゾイドvs現行兵器の戦いが始まります
第155臨時大隊が待機を命じられている状況下で…
ということは、いよいよ第101実験大隊が地球に持ち込んだゾイドが登場?
もしくは、一気に米軍と自衛隊が突破される?
いずれにしても面白い展開になりそうです。

>あいかわらず素晴らしい架空技術設定ですね。これだけ深い話は
じつは、>>206->>210に書き込んだのは、
人工合成した遺伝子を生物に組み込むことに成功したっていうスゲェニュースに興奮して、
同人でやりたいなァと思ってるオリジナルキワモノ話
(重戦車や駆逐戦車、おそらく史上最も情けない戦闘ロボットが出てくる未来SF戦国時代物)
のために考えた設定の一つをゾイドとそのニュースに合うように
少し改変して書き込んだものだったりするんです…
深い話と言って頂いて恐縮です…
結構「お話」のために設定調整しちゃったりするヤツなんです、ワタクシ。

216 :151-152:2008/04/13(日) 04:06:03 ID:???
すみません迂闊にもまたageちまいました…

217 :名無し獣@リアルに歩行:2008/04/14(月) 20:09:04 ID:HOWy/TJ1
面白くて一気に読んでしまった…
こんなにクォリティの高い小説があるのになんで過疎ってるんだろ

218 :名無し獣@リアルに歩行:2008/04/14(月) 23:36:23 ID:???
>>217
ゾイド板だからだろ

219 :名無し獣@リアルに歩行:2008/04/22(火) 01:00:26 ID:???
米軍じゃないが、なんかでかい模型を駅に置くらしいよ

実物大シールドライガーが東京駅に来るらしいけど、おまえらどうするの?
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/river/1206283319/

220 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/05/01(木) 23:28:03 ID:???
 ソビエト海軍のドクトリンは、かつてオケアン演習で示されたように米空母機動部隊撃破にすべてを注いでいる。空中の爆撃機と海中の潜水艦、
そして水上艦隊の連携によるミサイル飽和攻撃である。超音速で迫る100を超えるミサイル群を完全に阻止することは、イージス艦や航空母艦
を有するアメリカ海軍と雖も簡単なことではないのである。

「畜生!ミサイルだ!うじゃうじゃいやがる!」

 スタックハウスはレーダーの画面に表れた無数の輝点を見て叫ぶとともに、F-14のレーダーAN/AWG-9の優秀さを実感した。

「よしスタックハウス。全部叩き落してやる!」

 バーネット大尉はF-14のFCSを起動した。強力なレーダーと長射程ミサイル運用能力を持ち、世界最強の迎撃機とも謳われるF-14の能力が
発揮される時が遂に訪れたのだ。

「フォックス3!フォックス3!」

 F-14から2発のフェニックスミサイルが放たれ、洋上での戦闘が始まった。


221 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/05/01(木) 23:29:25 ID:???
―北海道 手塩海岸
 洋上での戦闘が始まるのと同じ頃、メディッチ大佐の乗るホバークラフトが手塩海岸を目指して突き進んでいた。ゾイド輸送のために特注された
もので、貨物ブロックの屋根が無く、そこからゾイドの頭が飛び出していた。
 エスコートのSu-27に空を守られながら、揚陸艦隊が突き進む。<イワン・ロゴフ>の後部甲板に搭載された上陸支援用のロケット弾が火を噴いた。
数十発のロケット弾が海岸を吹き飛ばし、砂煙が辺り一面を包んだ。そこへホバークラフトが突っ込み、煙が晴れると、そこからメディッチの
バイオメガラプトルが現われた。

 第25歩兵師団は3個の歩兵旅団と1個の航空旅団から成り、航空旅団はアパッチ攻撃ヘリを装備する攻撃ヘリ大隊と偵察ヘリや汎用ヘリから成る
騎兵大隊から編制される。その騎兵大隊に属する2機のOH-58Dカイオワ偵察ヘリが塩尻の海岸線を飛行していた。カイオワは一見すると通常の
小型ヘリにも見えるが、側面に備えられた対戦車ミサイルポッドとメインローター上に備え付けられた球形の照準用センサーユニットが軍用機である
ことを物語っている。このメインローター上のセンサーは、稜線上からセンサーだけを出して機体を隠しながら観測を行えるという長所を持ち、
この時も森の陰に隠れながら、飛び出したセンサーでバイオメガラプトルを確認することができた。
 さて戦場において敵味方の識別は重大な問題である。もし敵と間違えて味方を撃つような真似をしてしまえば、大変なことになる。実際、どの戦闘
でも必ずそういう事態が起こる。しかし、今回の場合にはそれは避けられた。アメリカ軍にも自衛隊にも、ゾイドなる兵器は存在しないので間違える
ことは無いのだ。

222 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/05/01(木) 23:30:22 ID:???
 カイオワのパイロットはヘルファイアー対戦車ミサイルの照準をバイオメガラプトルに合わせた。距離は2000m。無論、隠れたままである。パイロットは
高度を上げた。

「ランチャー1。ファイアー!」

 ランチャーの射線上にバイオメガラプトルを捉える、パイロットは発射ボタンを押した。ミサイルがランチャーから放たれると、カイオワはすぐに降下して
また隠れた。ただしセンサーユニットのレーザー照準機でヘルファイアーを誘導しなくてはならないので、センサーだけを森の上に出した状態である。
 この時、カイオワのパイロットはセンサー越しにバイオメガラプトルを見て勝利を確信していた。ヘルファイアーは世界で最も優れる対戦車兵器システム
であり、例え未知の兵器が相手でも十分な能力を発揮すると信じて疑わなかった。だが、次の瞬間、想定外の事態が行った。バイオメガラプトルの背部が
赤く光ると同時に跳躍したのである。高度は10m程に達し、ヘルファイアーはその下を通過して、海面に吸い込まれた。

「嘘だろ?」

 戦闘装甲車両は対戦車兵器の攻撃に対抗すべく常に進化を続けているが、今、目の前で繰り広げられた事象はその進化の過程から明らかに逸脱していた。

「退避!」

 1機のカイオワがその場を離れ、もう1機がそれに続こうとした。だが、メディッチはそれを見逃すことは無かった。

「逃がしはしないよ」

 一旦着地したバイオメガラプトルは再び大きく跳躍した。ブースターを噴かして、カイオワに飛び掛ったのだ。まともに体当たりを受けたカイオワの1機は瞬時に吹き飛んだ。


223 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/05/01(木) 23:31:03 ID:???
 その光景を目撃したもう1機のカイオワのパイロットは驚愕した。地球の軍人にとっては、少なくても彼にとっては、敵というものは基本的にミサイルや銃砲
で倒すものであって、体当たりで倒すものではない。無論、人間同士の戦いなら時として壮絶な白兵戦となることもあるし、かつてのカミカゼのように愛機
とともに体当たり攻撃を仕掛ける事例だってある。しかし目の前にいる相手は平然とそれが普通であるかのようにそれを行った。現代兵器では、
どんな重装甲を施していても体当たり攻撃などを行えば、それ相応のダメージを受ける。だが、相手にそんな様子は無い。

「化け物だ!」

 そう叫んだパイロットが最後に見たのは、バイオメガラプトルが放った火球であった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 今日はここまで。できれば4月中には投稿したかったのですがorz
 ちなみに手塩は天塩の間違いですorz
 バトスト繋がりなのに、いきなりバイオゾイドです(汗
>>215
 感想ありがとうございます
基本的にソ連ゾイド部隊vs日米、臨時大隊vsソ連通常兵器という路線で進める予定です。
>>217
 感想ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。

224 :151-152:2008/05/18(日) 16:27:36 ID:???
ふと…、「ゾイドを開発」≒「動物型ロボット兵器を開発」という感覚があるように感じる
(俺も含め、さらにこのスレだけでなく)が、
ゾイドの設定を考えると、「動物型ロボットを開発する」より、
「実際に生きている動物を操縦できるようにしたり、改造したりする」の方が、
「ゾイドの開発」に近い気がする。
何でこんな一見して馬鹿なようなことを書くかというと…

実際にそういう研究があったりするからである。

ま、そこまで大層なもんじゃなくても、
騎馬や戦象に鎧を着せたり、軍用イルカに各種機器を取り付けたりするのも、
野生のゾイドに武器を積んでいた設定上の旧時代に存外と近いのかもしれない。

さらに余談だが… ゴキブリは「操縦」できる。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

独楽犬氏のSSへの感想〜
バイオメガラプトルですか!
第101実験大隊は地球に来る前にジェネシス時代に「よってきた」ってことですか?

>どんな重装甲を施していても体当たり攻撃などを行えば、それ相応のダメージを受ける。
個人的には、体当たり攻撃で問題になってくるのは、装甲より互いの質量比と構造強度だと思います。
交通事故なんか、大型トラックと軽自動車なんかだと、
トラック側はほぼ無傷でも軽自動車側は見るも無残な状態に、ってなりますからねえ。
ちなみに…、ティーガーフィーベルなんかだと「歩兵は撃つより轢くべきだ(弾薬の節約のため)」ってくだりがありますが、
流石にこれは関係ないですね。

現在、ワタクシもこのスレに投下しようと、ゾイドが地球にやってくる(ヤア! ヤア! ヤア!)SSの構想練っとります。
ただ、オイラの解釈だと、ゾイドは事実上現用火器が通用しない化け物という設定になるので、
現代や近未来にゾイドを投入するとまるで厨くさい話になってしまうので、過去の話です。太平洋戦争でもまだ追いつかん…

225 :名無し獣@リアルに歩行:2008/05/22(木) 23:56:58 ID:???
>>224
もっと普通にレスを書いてくれれば興味深い話だと思います

226 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/08/27(水) 00:08:15 ID:???
 第2戦車連隊第2中隊の指揮官である島津1尉は自らの戦車の車長席に座り、車長専用の夜間索敵サイトを通じて塩尻海岸の方面を覗いていた。
緑のかかった画面の向こうに島津はなにかの爆発を見た。
「なんだあれは?」

 その時、連隊の通信網を通じて情報が入ってきた。どうやら米軍のカイオワが撃墜されたらしい。
「もうSAM(地対空ミサイル)なりAAA(対空砲)なり揚げたのか?やばいなぁ」
 まさかゾイドが単体で、しかも体当たりで撃墜したとは夢にも思っていなかった。彼は防空部隊を含む大規模な諸兵科連合部隊が上陸したと確信しているのだ。

「偵察に向かおう」
 島津は中隊の無線機に手を伸ばした。電波を出せば逆探知でこちらの位置を暴露することになりかねないが、敵情を把握できなくては戦闘のしようが無い。
「ハギ1-0、ハギ0-1。小隊を率いて海岸を偵察せよ。ハギ全車へ。1小隊以外は乙線に移動。そこを集結地とする」
<ハギ1-0了解!>
<ハギ3-0了解>
<ハギ2-0了解した>
<ハギ4-0了解>

 小隊長から次々と返事が返ってきた。

<ハギ0-2了解しました>

 最後は2号車に乗る副長だった。

227 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/08/27(水) 00:09:19 ID:???
 3輌の90式戦車で編制される戦車小隊が海岸沿いを進んでいた。先頭の小隊長車に乗る指揮官の3尉はついにそれを発見した。
3尉は自車を停止させると、攻撃位置につかせた。
「あれがゾイドか」
 3尉は夜間索敵サイトの赤外線画像を通じて敵の姿をその目に焼き付けた。大型の恐竜型が1機、小型が4機。急いで製作された
敵味方識別表と見比べて、その正体が分かった。
「バイオメガラプトル。それにバイオラプターか」
 識別表によれば革新的な装甲を装備する兵器で、撃破するためには砲口のある口部を狙うしかない、と記されていた。
「革新的な装甲ってなんだよ」
 帝国軍によって開発され、共和国軍に貸与されたバイオ装甲についての詳しい記述は識別表には載せてなかった。
 ぼやきつつ3尉は無線の電源を入れた。電波を出すのはあまり望ましい事ではないが、指示を出すには必要である。こちらの位置が
知れるまでに射撃を行なうまでの数十秒間くらいの余裕はある筈である。

「小隊全車へ、ハギ1-0。攻撃を開始する」
 手順を手短に説明して、最後のこう締めくくった。
「俺が射撃したらそれに続け。露助どもに日本人の根性を見せてやれ。交信終わり」

 無線を切ると、3尉は索敵サイトを使い、目標を定めた。最初に狙うべき目標は、自軍にとって最も危険な対象。ちょうど小隊を横から
攻撃できる位置にいる最右翼のバイオラプターである。周辺を警戒してか、微速で前進している。
「目標捕捉。最右翼の機体」
「確認」砲手が返事をした。
「弾種は榴弾」この場合、榴弾とは多目的対戦車榴弾(HEAT-MP)と呼ばれるタイプのもので、モンロー効果を利用した対装甲用炸裂である。
「装填。射撃準備良し」90式戦車は自動装填装置を採用しているので、装填は機械が行なう。
「撃て!」


228 :独楽犬 ◆aDC37xH6dI :2008/08/27(水) 00:10:07 ID:???
 まったくの奇襲であった。超音速で飛ぶ砲弾に対してゾイドといえども避けることができなかったのだ。最右翼のバイオラプター口内の
ヘルファイアーを見事に破壊したのである。それはコアの致命的な損傷に繋がり、全体を覆っているバイオアーマーもろとも崩れ落ちていった。

 僚車も指揮官に続いて射撃を開始したが、今度は当らなかった。僅かな時間差であったが、残りのゾイドたちが回避するに十分な時間
を与えてしまったのである。彼らはその場でジャンプをして砲弾を逃れたのである。地球人がまったく想定していなかった防御方法であった。
「退避!退避!」
 だがもう遅かった。3機のバイオラプターが襲い掛かってきたのだ。先頭のラプター最も近かった戦車、3尉の乗る指揮官車だった、の上に
着地してみせた。戦車は砲塔正面については頑固な装甲で覆われているが、上部は比較的弱いし、なにより二十トンをこえる荷重がかかる状況
なんて想定していないのだ。90式戦車は見事に押しつぶされてしまった。
 残りの戦車たちもすぐに退避しようとしたが、もはや手遅れであった。後進する戦車に、先頭に続いてきたラプターがヘルファイアーを浴びせる。
弾薬が誘爆して大爆発ということは無かったが、逆にそれが乗員たちにとって不幸な結果となった。装甲や砲身が真っ赤になるほど90式戦車は
高温となり、乗員たちを苦しめたからだ。彼らは全身を高温で体表を焼かれながら絶命していった。

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というわけであいかわらず遅筆、お許しをorz
>151-152氏
毎度毎度、感想をありがとうございます
>第101実験大隊は地球に来る前にジェネシス時代に「よってきた」ってことですか?
ガイロス帝国から提供された試作機、という設定です。実験部隊の保有するゾイドだから、そこらのものじゃダメだなと思いましてね。
それで書き始めの頃は、まだまだ放映中(だった筈の)ゾイドジェネシスから引用してしまった、と
>現在、ワタクシもこのスレに投下しようと、ゾイドが地球にやってくる(ヤア! ヤア! ヤア!)SSの構想練っとります。
それは是非読みたい!投下をお待ちしております

229 :名無し獣@リアルに歩行:2008/09/01(月) 22:55:59 ID:???
ハリウッド版トランスフォーマー以来、このスレも過疎化が目立つな。

230 :名無し獣@リアルに歩行:2008/09/04(木) 16:24:52 ID:???
輸送用であるはずのグスタフが、アメリカで暴走してるわけだが

231 :名無し獣@リアルに歩行:2008/09/04(木) 16:45:46 ID:???
まさか暴走したグスタフがあれほどまでに強いとは思わなんだ

装甲の堅さは伊達じゃないな

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